404.真・闇のゲーム大会・10
「私は悲しい。やってきたメンバーの中に羅堂さんがいないじゃないですか。ああ、なんという無力感。自分担当のゲーム勝利者がいないとは、感無量でございますぅ」
はんにゃ面を被った女性が大仰にしゃべっている。
お前無力感感じてるのか感動一杯で感無量なのかどっちだよ。
変な日本語使ってるからツッコミたくて困る。
「さてさて、ではルーレットを回すと致しましょう」
ルーレットが二つ纏めて回される。
止まったのは……浜辺の第九ルート、そして女体化刑。
真鍋、俺負けようか? 女の子なってみる?
「絶対に勝ってください、いや、マジで、振りじゃないですからね!」
それはつまり、やるなよ、絶対やるなよ、ってことだよな?
「えー、では浜辺様のゲームとなりました。こちらをお持ちのメンバーは、おや真鍋様についてますね」
「え、僕ですか!?」
「宣言の前に説明を致します。浜辺様の闇のゲームはクイズです。皆さま10点先取で勝ち抜けとなりますので他の方より早く問題に答えてください。最後まで残った一人が脱落となります」
早押し問題か。
結構面倒だけどさっさと10問答えて終わらせよう。
当然だけど俺はテイムキャラと合同で答えられるようだ。
妖精さんに彩良さん、ローリィさん、ユウキさん、ヘンリエッタさんも一緒に考えることができるのだ。
加えて俺はテイム済みのキャラなら一緒に参加していいらしい。
つまり真鍋は参加できないけど散紅さんとメリッサさんは回答権があるのである。
あ、でも最終的な決定権は俺にあるらしいので、彼女らがやれるのは献策までである。
「じゃ、じゃあ闇のゲーム開始! ツチミカドさん絶対勝ってくだ……」
おお? 声が聞こえなくなった?
どうやら今回の闇ゲームは関係ない外野の声が聞こえなくなるようだ。
視界が戻ると、教卓みたいなボックスの上に赤いボタンの付いた回答席が目の前にあった。
背後には俺のテイムキャラたち。
なんだよメリッサさん、ぶすっとした顔しないでよ。
テイムされたのは自分のせいでしょ。わざわざ二人きりで戦ったんだし結果が出た以上はもう覆らないんだから。
「ま、あれだメリッサさん、無事に帰れたら対戦する時間は沢山あるし、銃を撃つ場所も用意するよ。何しろ対人戦イベントが間近に控えてるしね」
「本当に?」
「マジマジ、俺ウソ吐カナイ」
「むぅ……一応納得しておきマス、嘘だったら風穴開けてやりマース」
なんて危ない外人さんだ。危なそうなら巨頭オ村にしばらく放置して狩りでもして貰っておこう。
「さぁやってまいりました! 異世界ウルトラ横断クーイズ!! このクイズゲームはこの世界に関連するクイズがほとんど出題されます! 異世界に、行きたいかーっ!!」
なんだ、このノリ? っていうかあの黒服の司会者誰よ?
「おや皆さんノリが悪いですね、ここはおーっと叫ぶところですよ。ではもう一度、異世界に、行きたいかーっ」
「お、おーっ?」
若干戸惑いながらも数人が答える。
司会者はむぅっと唸りつつも、進めることにしたらしい。
「ではさっそく参りましょう。早押しクイズ、スタート!!」
―― 問題、上半身は腕が六本あるものの人間の女性の姿、下半身は蛇。や ――
「ラミア!」
シルビアさんが答えるものの、上半身腕六本の時点で違うだろ。ほら、ブッブーって音鳴った。
「違いますっ」
「わかった、ナーガ・ラジャだな!」
「残念!」
雨宮も答えるものの、違うらしい。
んー、女性の姿で蛇? どっかで聞いたな……
「えっと、これって私も答えていいんだっけ?」
「彩良さん、わかるのか?」
「ええ、多分知り合いよ」
「なら、お願い」
どうやら回答失敗したらこの問題のみ回答権がなくなるようだけど、ここはやってみるしかない。問題文全て読まれたらおそらく最上か蛇々利さんが正解すると思うし、あいつら一応AIだからな、ある意味答えわかってるようなもんだろ。
彩良さんを信じ、俺は回答ボタンを押した。
「姦姦蛇螺でしょ」
「正解! ツチミカド様1ポイント先取です」
「ええ、テイムキャラ答えていいの!? 人数多くて有利じゃんツチミカド君っ」
―― 問題、上半身は腕が六本ある人間の女性の姿、下半身は蛇。山奥の封印された区画で放し飼いとなっている巫女型都市伝説生物は? 答え姦姦蛇螺。でした。 ――
「さて、やり方はわかりましたね。ではどんどん行ってみましょーっ」
―― 問題、清き泉のほとりに住まうと言われている角の生えたう ――
「ユニコーン!」
「正解!」
速ぇぇ、シルビアさんめちゃくちゃ速かったな。
俺もわかったけど押す動作した瞬間に答えられていた。
―― 問題、虫を使った切り株で行う遊び、大会も開催されてい ――
「これは多分だが、虫相撲かな?」
「正解」
あれ、知ってる問題多いけど俺が答えるより皆早いぞ。これ、意外とやばくね?




