396.真・闇のゲーム大会・2
「ではさっそくルーレットを回しましょう。最初のゲームは……」
くるくると回るルーレット。そこには1から10まで数字が書かれているようだ。
俺はおそらく5だな。
……はて? ルートって10あったっけ? 確か9しかなかったような?
でもメンバー10人いるし、問題はないのか? うん?
「2番が出ました。では空飛ぶ茶碗様、第二ルートで余った闇のゲームを発動してください」
「あいあい、んじゃ闇のカードゲーム始動っと」
カードゲームか!
っていうか余った闇のゲームっすか。
俺のとこの余ってるのは金城のバーリトゥードだよな。
ルール無視の格闘……いや絶対にやりたくねぇ!?
でも、やらないといけないんだろうなぁ。
ウソついて自分のゲーム起動させちゃだめだろうか?
さすがにやれるかわからんしやめとこう。
「ではゲームの説明を致します。今回のゲームは全員参加型カードゲームとなりますのでこちらに皆さま腰掛けてください。せっかくです第一ルートから時計回りで座っていただきましょう」
言われるまま、俺たちは闇のカードゲーム用に出現した円卓の座椅子に腰掛けていく。
散紅さんと真鍋は立ったまま見学だ。妖精さんたちも同様。というか、同じように見学メンバーが何人かいるな。アレは空飛ぶ茶碗さんや熱燗侍さんの同行キャラとみた。
「今回のゲームはババ抜きとなります。ルール説明は不要かもしれませんが一応知らないメンバーがいる可能性も考慮し、説明させていただきます」
シンプルにババ抜きかぁ。
ジョーカーがババとなって一つ余る。
んで、各員に配られたカードで数字が一緒の二枚を中央に捨てていき、最後までカードを全て捨てきれなかった者の負けとなる勝ち抜けゲームだ。
全てのカードが配られ、第二ルートの空飛ぶ茶碗さんから時計回りになるようだ。
まず最初に二枚被りのカードを捨てていく。
ここで残ったカードを左隣の人が一枚引き、次の人に引いて貰うを繰り返す。
この時自分が引いた時点で手持ちのカードと同じカードならその二枚を場に捨て、残ったカードを隣の人に引いて貰う。手持ちのカードが全てなくなれば勝ち抜け、あとは残ったメンバーで同じことを繰り返すゲーム。
「ほいよ、引いてちょー」
「おい、一枚しか残ってないじゃないか」
「だって私の闇ゲームだし? いやー運よくこれが残っててくれてよかったよー。はい、引いた引いた」
「チッ、一抜け確定か」
第三ルートの雨宮が空飛ぶ茶碗さんのカードを引き、手持ちがなくなった空飛ぶ茶碗さんが勝ち抜けした。
というか自分の番になってからダブり捨てていくんだな。最初にダブり全員が捨てる訳じゃないのか。
「クソ、あの女ババ残していきやがった」
思わず舌打ちする雨宮。ダメじゃん自分がジョーカー持ちだとか言っちゃ。
「おい、さっさと引かせろよおっさん」
「まぁ待て、ああ、これも被りだな。意外と少なくなった。残り三枚だ」
「チッ、どうでもいいんだよさっさと引かせろっつってんだろ。オルァ!」
勢いよくババを引く羅堂。
勢い良かったせいで見えちゃったよ。
というか、雨宮が凄い、してやったりの顔したぞ今。
「あ、くっそ変なもん連れてくんじゃねぇよ! クソ、おら、テメェの番だ。さっさと引け」
いや一枚だけずらすなよ。
こっち引くっつの。
「テメェ、わざわざテメェが引く奴見せてんだろが。これ引けや」
「うるせぇジョーカーなんざ引いてたまるか、自分で持っとけ」
さてダブりを捨てるか。
ここで捨てるってやっぱり普通のルールとはちょっと違うな闇のゲーム。
これ引いた後だからその分余ったりする可能性もあるんじゃねーの?
まぁいいや。これとこれと、これも? あ、これも。ありゃ?
「すまん羅堂。今のカードで俺上がったわ」
「は? あ? マジかよ!?」
手持ちのカード全て被ってました。あがりーっと。
「ん? 私どうすればいい?」
「失礼、カードを引くターンを省略しますので被ったカードを捨てた後、熱燗侍様に一枚引いて貰ってください」
「了」
そのまま一巡。二巡目は俺と空飛ぶ茶碗さんを抜いたメンバーでババ抜きを行っていく。
ジョーカーはしばらく羅堂の元にいたものの、シルビアさんが引いてしまい、熱燗侍、メリッサと来て浜辺まで流れる。
しかし最上はこれを引かずに別のカードを引き、三人目の上がり。
そのおかげで残り一枚だった生島さんも上がり、再び羅堂から順番に繰り返す。
次の巡回でシルビアが上がり、熱燗侍もそのおかげで最後の一枚を手放した。
残ったのはメリッサ、浜辺、羅堂。
ここで浜辺から羅堂へとジョーカーが渡り、メリッサがカードを引いて勝ち抜け。
「クソ、クソッ、こんなことで……」
「見えるよ羅堂さん。あんたの焦りでジョーカーが見える。安全なのは、こいつだ!」
と、浜辺が意味ありげにジョーカーを引く。
うん、全然見えてねぇぞこいつ。




