表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

395/1108

393.闇のゲーム大会・12

「さぁ、第五ルート最後のゲームを始めましょう。ルーレットが指し示すモノは……」


 ドラムロールがどこからともなく鳴り響く。

 俺もちーにゃんも真鍋も呆れた顔でルーレットを見る。

 ルーレットに書かれた名前は二つ。

 交互に30度ごとくらいに名前が入っており、俺と金城の名前だけが回転している。


「どっちかしら?」


「ちーにゃんさん的にはツチミカド君のゲームは出てほしくないだろうね」


「さすがに相手有利のゲームを二人でやるのは、ねぇ。ちなみに金城のってなんの闇ゲームなの?」


「ローリィさんが持ってるゲームだよな。ローリィさん、なんの闇ゲーム貰った?」


「え? えーっとバーリトゥード?」


 ちょっと待てや!?


「え、なに、金城のゲームって何でもありの格闘技なの?」


「つまり、ツチミカド君とちーにゃんさんのガチ殴り合い?」


「は、はは、つっちー、まさか女の子の顔殴ったりしないよねー? ね?」


「この二つ名持ちの俺にそれ言う?」


 ただいまの二つ名。外道少年、冷酷無比、極悪非道、女殺しの四つを装備中。


「うわぁ、ご愁傷様」


「あんたどんだけ外道極めてんのよ!? い、意外とやるじゃん」

 

 あれ、逆に好感触!?

 このメスガキも悪い男にひっかかるタイプのダメ女だったか。

 おっと、決まったか?

 ええと……あ、俺のカードゲームだ。


「うーん、これどっちもあたしに不利じゃない?」


「んじゃま、闇のカードゲーム始動!」


 その瞬間、何もない空間の中央に出現するゲーム卓。

 座席は二つ。すでにカードも存在していた。


「ではご説明いたしましょうか。ツチミカド様のカードゲームは文字通り、対戦型カードゲームでございます」


「あー、聞いたことあるけどあたし初めてだわ」


「いいなー。ギャザリング系とか好きなんですよね」


 真鍋とやったら結構楽しかったかもしれないな。命がけの時はやりたくないけど。


「では簡単に説明を。このゲームは50枚のカードを使って対戦致します。プレイヤー持ち点は7000でカードに書かれた攻撃力で攻撃を受けた分ダメージが増えます。カードによる攻撃で相手の持ち点を削り切った方の勝利となります、また、カードは今まで自分が体験した、過去に出会ったキャラクターが25枚、補助が25枚となっております。基本強い順にカード化されるそうですが、持ち主であるツチミカド様は事前に必要なカードは持ったまま次の対戦に持ち込めるようになっております」


「うわー、ズルい」


 当然の特権でございますが?


「まず手札は5枚。そこからターン開始時に一枚引き、6枚を保持した状態でゲームを開始します。自ターンで行える行動はキャラクターを場に出す、罠カードを伏せる、魔法カードを発動する。自分のターンで出来る行動が終ったらターンエンドで攻撃フェイズとなります。ただ、最初のターンのみ先手は攻撃フェイズが存在せず場にカードを出して終了、後攻側からの攻撃フェイズとなります。また次ターンの持ちカードが5枚以下の場合持ち札から5枚になるまでカードをドローしてください。敗北条件は自身の持ち点の消失、あるいは山札50枚の消失となります」


「デュエルだデュエル。傍から見させてもらうよ、うん、これは特等席じゃないか!」


 真鍋こういうのほんとに好きなんだなぁ。


「ふーん、これに今まで出会ったやつらがいる訳だ。あ、ほんとだ、知ってる奴しかいないじゃん。あはは、真鍋発見。よっわ」


「う、僕の攻撃力とか低くないですか?」


「ま、仕方ないでしょ、つっちーは……はぁ? ナニコレ、チートじゃん!」


「攻撃力おかしくないですか? ツチミカド君、君は一体……」


 ただレベル150くらいなだけですよ。

 確かに俺のカードは強いよな。しかもなんか特性に巻き込まれ体質とか書かれてるし。イベント系には高確率で巻き込まれて相手のイベントを撃破するとか、意味が分かりませんが?

 ともかく、下手な妨害工作使うと無効化されるわけか。

 自分のカードが意外と厄介だぞ?


「じゃー、あたし後攻で」


「あいよー。んじゃー俺から行くわ」


「って、もう少しやる気出せよ二人とも!?」


 俺もちーにゃんもやる気ゼロでカードを5枚手に取り、俺はもう一枚。

 んじゃまー始めますか。


「キャラカードコトリさんと見越し入道を場に出し罠カードを四つ伏せる。ターンエンド」


「いきなり全部使うの? まぁいいけど。えーっとつっちーと真鍋を場に出してぇーあ、ついでに加藤も加えよう。それから二つカードを伏せて。フィールドカード発動加藤の闇ゲーム開始」


 おお、フィールドがサ〇ケみたいになった!?

 え、これカード同士で対戦するの?


「ふふん、これって戦いじゃなくゴールした時点で相手チームの敵を殲滅できるみたいよ」


「なるほど、結構考えたみたいだな。確かにこれは一つだけでも強力だ。加藤の持ち物だったこともあり加藤が特攻キャラになっている。でもちーにゃん、こいつはカードゲーム。組み合わせは、無限大だぜ! トラップ発動マダにーさんの草原地帯!」


 トラップというか、フィールド変換カードだ。

 アスレチックコースが草原に覆われていく。

 走り出していた加藤たちがフィールド内で戸惑う。

 そして俺のチームはコトリさんが呪殺結界張ってゆっくりと歩き出した。


 まず、見越し入道が爆散。続いて真鍋、俺、加藤が次々とマダにーさんの餌食になっていく。

 あー、デスゲーム勝者決まる前に場にいるカードがコトリさんだけになっちまったぞ。


「うっそーぉ」


「マダにーさんの草原、酷すぎる……」


 コトリさんしかいなくなったので場のデスゲームフィールドが消え去った。

 しかし、草原地帯のままだ。マダにーさんの猛威はまだ、終わっていなかった。

 これ、俺も迂闊にキャラカード置けねぇ!?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] リアル対戦ゲームで、少女限定で目隠し眼帯と首枷と手枷と足枷と腕枷と太腿枷と口枷を着けていって、負けると何も見ることも聞くことも動くことも話すことも出来ない愛玩動物になるのと、負けた方が、必ず…
[一言] マダにーさん、こんなところでも猛威を振るうのか……(震え声)
[一言] やはりチート(笑) ちーにゃん「コトリさんって外せなかったの?」 ヒロキ「呪われた装備みたく効果音付きで 駄目だった…聖水も効かない」
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ