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389.闇のゲーム大会・8

 一時間が経過した。

 まだどちらも出てくる気配がない。

 俺と真鍋は冷蔵庫から適当な飲み物持ってきて飲みながら世間話。

 闇のゲーム手に入れたきっかけとか話していると、意外と気さくないいやつだということが分かった。

 とはいえ、怪しい雰囲気は残っているのでおそらく土壇場になるとどんなに親友ポジの奴でも平気で裏切るんだろうなこいつ。


「しっかし、遅いな?」


「仕方ないよ。多分ループ罠に引っかかってるんだろう」


 ああ、あの観葉植物無限ループか。

 ローリィさんが居なかったら俺もまだ出てこれなかったかもしれないな。

 そう考えるとパーティー組んでる俺って一番有利なんじゃね?

 まぁ個人プレイのテキサスホールデムみたいな闇ゲームもあるからそこまで有利じゃないけども。

 そうだ。一応自分の闇ゲームの特性使わないと。


 今のウチに設定しておこう。

 えっとすでに使用したカードの中でコンボ系と即殺系は確保してっと、この辺りはランダム召喚に任せた方がいいな。うん、大体これくらいが確保カードだな。

 どうせ他のカードはさらに強化されてるだろうし。

 というかコトリさんカード今どうなってんのか見るのも不安なんですが? シッポウだっけ? 死亡時コトリバコ残すだけじゃ絶対に留まらないだろ。


「せっかくだし二人の状況見てみるか」


「見せていただいてもよろしいですかな?」


「いいよ、じゃあここに映すよ」


 おお、空間に鏡みたいな映像装置が出てきたぞ。

 二つ出てきて片方はちーにゃん、片方は加藤が映っている。

 ちーにゃんは観葉植物破壊するまでは出来たらしいが鍵をどこに使えばいいかわからないようだ。

 加藤の方は脳筋なうえに純粋なんだろう。未だにループから抜け出せず色々な場所を探っている。

 床まではぐったのは多分加藤だけだろう。

 ちーにゃんは床をはぐろう、とすら思い至らないようだ。

 まぁはずれだから思い至らなくても問題はないんだけど。


 しかし、これは答え出る気配なさそうだなぁ。

 勝負がつくまで一体どれだけ時間がかかるんだろうか?


「これは、勝負は着きそうにありませんね」


「そのようですな。これは困りました」


「つか真鍋、これ普通に対戦で使用したらお前一人勝ちだろ」


「わかります? 脱出って言っても答え分かってるんで5秒もいらないんですよね。ズルいですよね。僕もこれを手に入れる時はズルだと思いましたよ。ただ、その時は相手からの条件が30分以内の脱出でしたから僕が勝てたんですけどね」


 自分と競わせれば負けはないのに舐めプしたことで負けたのか。

 まるでどこぞのユウキさんみたいだな。


「真鍋、お前どっちに残ってほしい?」


「うん? それはちーにゃんと加藤さんのこと? うーん」


「今までの傾向からみるに、闇のカードゲームは本人にふさわしいというか、似通ったものを持ってる可能性が高い。んで、残ってるゲームは俺と金城、加藤のゲームだ。その中で加藤のゲームは……おそらく肉体型だ」


「なるほど、彼にとって有利に働くゲームの可能性は高いですね。それでなくとも所有者は有利になるようになっているのに。しかし、すでにちーにゃんのゲームは攻略済み、加藤さんを残せば向こうの有利な場所で戦うことになる。その時ちーにゃんは脱落してるから次に脱落するのは僕か君……ということだね」


「そういうこと、有利に、というか不利じゃないゲームを求めるなら金城と加藤のゲームは何も知らない状態の方が負ける確率は低くなる」


「つまり、君はちーにゃんに勝ってほしい、と」


「えこひいきみたいなの出来ないのかと思ってさ、ゲームマスターなわけだし」


「ペナルティはありますか?」


「……そうですな。答えを教えたり、あまりにもわかりやすいヒントは止めていただきたい。さすがに一人にだけ有利というのも、あまりいい顔にはなりませんが、いえ、皆さまとしてもお二人の意見に賛成だそうです。あまり長い膠着状態はよろしくないようですな。今回は特別に許可します。ただ、加藤様にも逆転の目を残していただかねば困りますが」


「なら真鍋、ちーにゃんが投げ捨ててる絵画、二人とも光らせるとかどう? 加藤も絵画に何かあるとは思ってるみたいだけど、観葉植物の方にはたどり着いてないし、ヒントではあるし逆転の目でもあるけどチーにゃんが気付く方が早いと思われるんだけど」


「光らせるだけ、であれば確かにそこまでヒントにはなりませんか。許可しましょう」


「……わかった。じゃあ、ヒントだ」


 頭を抱えてうがーっと叫んでいたちーにゃんとテレビを必死に探している加藤の視界が絵画を捉えた瞬間を見てヒントを出す。

 光り輝き点滅した絵画。

 慌てて絵画に向かっていくちーにゃん。泣きそうな顔してあったぁ。と嬉しそうに告げる。

 対して、加藤はなぜ絵画が光ったのか理解できず絵画を持ったまま小首を傾げている。


 ゆえに、ちーにゃんがカギを回し扉を開くことに成功。加藤は再びループへと戻って行った。

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