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378.宇宙船を探して・9

 ボスルログ人を倒した。

 放っといても死んでたけど悲惨な姿を見たくなかった俺と早く倒したいテインさんの想いが重なった共闘の一撃だった。

 倒れたルログ人がドロップ品へと変わっていく。


 ―― 宇宙船内のルログ人を駆逐しました、以後この宇宙船はルログ人登乗許可証による修正が加えられない限りこの場より動かすことはできません ――


 コンソール部分をグレートマンさんに弄って貰って日本語に翻訳してもらう。

 登録は俺でいいかな。さっきのボスからドロップした許可証使って最高責任者に登録っと。


―― 宇宙船の所有者に成りました! これより宇宙への進出が可能になります ――


 はいはい、この宇宙船なら冥王星に行けるのかね。

 ルーギグスに向かっても実験体にされるだけな気がするし、行く必要はないな。

 この宇宙船はアインシュタイゼン博士に持っていこう。

 あ、そういえばマイネさんが宇宙船もう一つ手に入れたら欲しいとか言ってたな。

 まぁ次の機会でいいか。


 というか、確か運営から宇宙はまだ作れてないから気軽に宇宙に上がらないでとかメール来てたよな。

 今はどうなってんだろ?

 研究所で宇宙船作っちゃっていいんだろうか?

 ま、一応ここまで作り込んでるんだし問題は無いだろ。ダメならGMコールするだけだ。


「あとは奥の部屋か」


 アイネさんのお兄さんが出てきた場所だし、胸糞展開しか期待できそうにないなぁ。

 でも、見とかないわけにはいかないか。


「行くのか?」


「まぁ見ないわけにもいかないしな。テインさんどうする? 一応ボスは倒したわけだけど」


「ふむ。同じ被害者がいるのだろう。もう少しだけ付き合ってやろう」


「ありがと、心強いよ」


「ふん、心にもないことを言う」


 いや普通に強いから心強いと思うんだけど。


「さてさて、ルログ人たちはまだ被検体を隠しているのでしょーか。ニャルさんは気になりまーっす」


 俺はニャルさんの性格とか口調がいまいちよくわかりません。

 正体ばれてからブレブレじゃない?


「奴は不定形生物だからな。口調も一定していない。下手にその辺りを考え出すと正気度を削ることになるぞ」


 口調だけでかよ。

 やはり外の神、存在そのものがえげつないなぁ。

 さて、そろそろ部屋を覗いてみるか。


 覚悟は決まったので部屋を覗きに向かう。

 うむ。敵性存在はなさそうだな。

 不意の一撃で即死なんてこともなさそうだ。


 部屋へと入る。

 部屋には一つだけ扉が存在し、部屋の中央には魔法陣が存在していた。

 これは外に出るための魔法陣だな。


 となると、あの扉が研究した成果が詰まってる場所か。

 ドアに近づき扉を開ける。


「うへぇ。鼻曲がりそうだぁ」


「シャー……」


 ネネコさんが鼻を押さえ、ツチノコさんがなんだか辛そうな表情をする。

 臭い嗅げるのかツチノコさん。温度だけじゃなかったのか。


「く、来るなっ、もうやめてくれっ」


 ん? 誰か、いる? 言葉が通じる奴がいるぞ!?

 俺たちが近づいていくと、相手も暗がりの中近づいてきたのがルログ人じゃないと分かったらしい。ぽかんとした顔で俺たちを出迎えた。

 凄いな、アイネさんと同じ種族が十数体いらっしゃる。


「兄様! 姉様!」


 アイネさんもそれに気づいたようで、彼らに向かって走り出した。

 牢屋に入れられていたようなので、鉄格子? 越しになるが、ようやく対面を果たすことができたらしい。

 よかったと言っていいのか、研究に使われたのは先ほどの兄様一人だけだったらしい。

 いや、違うな。話こそ通じるけど皆どこかしら変異させられているようだ。

 腕が触手になってたり、半身男女だったり、容姿が変わっているのが結構いる。

 無事なのは小柄な少女型アイネさんと少年型アイネさんの二人だけみたいだ。


「あ……アイネルシャントーハスか?」


「そんな、貴女まで捕まってしまったの?」


「捕まる? ルログ人皆倒した、捕まらない。むしろ解放」


 あー、これは多分勘違いしてるな。


「皆さん、とりあえず落ち着いて聞いてください。俺はヒロキ、アイネさん……アイネルシャントーハスさんと共にこの宇宙船に乗っていたルログ人は全て倒しました。皆さんは自由です」


 一瞬、目をぱちくりとしていた彼らは、互いに視線を向け合い、自分たちが自由? と小首を傾げる。

 しかし、徐々に理解し始めたようで、全身触手に塗れたお兄さんが拳を握りガッツポーズして吠える。


「う、おおおおおおおおおおおおおおおおおおおッ!! 自由、自由か!!」


「解放、される?」


「ああ、ああっ、もう、解剖されない……?」


「俺たちは、自由だぁ――――ッ!!」


 あれ、なんか凄い湧き上がり始めたぞ。

 まさかそんなに絶望的な状況だったのか。

 いや、この姿からしてヤバかったか。

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― 新着の感想 ―
[一言] 宇宙へはまだ行けない ヒロキン「開発はまだですか?」 開発A「本当はもっと後で出す予定なんだが…」
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