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374.宇宙船を探して・5

「ええい、バレちまっちゃしょうがねぇ!」


 どこの小悪党かな?


「ある時は黒い猫、またある時はメリーさん、しかしてその実態は!!」


 メリーさんが俺から飛び降り、黒く変質していく。

 そして形を崩すようにぱしゃんっと液体のように弾けて落下し、ぐにーんっと伸びあがって人型へと変化していく。


 いや、人型じゃないな、顔のない黒い肌を持つ、スフィンクスといった状態だ。

 これはもう、確定じゃないだろうか?


「改めて初めましてだ人の子よ。我が名は無貌の神ニャルラトホテプである」


 やっぱりー。

 這い寄るなんとかって出てたしなんとなくそうだろうなーとは思ってました。


「おい、テイン、驚きが少ないのだが?」


「だから言っただろう。貴様の正体はほぼ暴かれていたのだと」


「ところでニャルさん、なんでまたメリーさんになってたの?」


「うむ? 別に誰でもよかったのだがちょうど使える物体がいたのでな。もともと気になった相手にちょっかいを掛けようと思っていただけなのだ」


「こいつは基本人間が道を踏み外していく様を見るのが好きなイカレた奴だ。傲慢だしあまり相手にしない方がいいぞ人間。関わった人間は大体破滅している」


「えげつないねニャルさん」


「ふん、せっかく神から与えられたものを俗物が使うから悪いのだ。あ奴らの破滅はあ奴ら自身の愚かな行動のせいだ。私はしっかりと望みをかなえてやっているだけなのだぞ? 其れに胡坐を掻いて阿呆なことをやる方が馬鹿なのだ。その点ヒロキはなかなかに興味深いのでついつい傍で見てしまうのだよ。何しろ破滅を振りまく方だからな、見ていて楽しいぞ、周囲の者たちが破滅していく様を見るのは」


「そのせいで芽里さんにあんたの魂的なもん混ざってるんですが?」


「はは、そこまで気にする程でもあるまい。神性を得られたのだ。活かすも殺すも彼女次第。私はきっかけを残しただけにすぎん」


 あー、ニャルさんってもしかして便利グッズ与えてくれるけどそれをどう使うかはあえて伝えず相手の行動を見るのが趣味な外の神なのかな?


「創造主たちのメッセンジャーもなかなかに面倒でな。たまには趣味の観察でもしていないとやっていられん。そういう訳でヒロキ、ここからは能力を隠す意味もない、近場で観察させて貰うぞ」


 ってことは、強化イベントというよりはニャルさんが自身に掛けていた封印が解かれたってことか。

 強くなるのは強くなるみたいだけど、まだ仲間になってくれてないから突然いなくなる可能性も捨てきれない、と。


「な、こやつゲスいだろ?」


「コメントは差し控えさせていただきます。ちなみにテインさんもそっち系の存在っすか?」


「言う必要があるか? さっさとボスを倒してしまえ」


 そうは言うけどここら辺の通路や部屋にはルログ人いないんだよね。

 危険を察知して重要施設に籠ったか、あるいはただ本当にここにはいないだけなのか。

 一応常に最悪の事態を想定して備えておこう。


「あ、そうそう、これをお前にやろう。上手く使えよ?」


 ニャルさんからなんか貰ってしまった。

 不揃いの多面体で黒い宝石。赤い線がはしっている。

 んー24面体って奴かな?


「ちなみに、それの使い道はこいつだ。これに入れて閉じた後、闇の中に置くとニャルラトホテプがやってくる。おそらく私以外だ」


 見知らぬニャルさん呼んでどうしろと? 殺されるだけの気がしますが。

 とりあえずアイテム入手でアイテムボックス内からアイテムの説明を見よう。


名前:輝くトラペゾヘドロン

 特性:宝石 怪しく輝く赤い線が入った黒い宝石。たまに脈打っている。

 説明:持ち主がどこにいるか這い寄るモノたちには丸見えとなる。行動次第で手伝ってくれるかも?


 伝説級にヤバいの貰っちゃった!?

 よ、良しアイテムボックス内に封印しよう。そうしよ……なんかいつの間にか手に持ってた!?


「ははは、アイテムボックスの肥やしにしようとしても無駄だ。そんな思考回路を読み取り忘れられる直前に手元に出現するぞ」


 捨てても戻ってくる呪いの人形かな!?

 宝箱の中に入れておけば誰か拾っていかないだろうか?

 ダメかな? 残念。


「お、出てきたぞルログ人。おらに任せるだ」


 一体だけだったので早速ネネコさんが接近して相撲態勢。

 ルログ人は初めて見る戦闘態勢にちょっと興味深そうだ。


「ふふ、興味あるだか? ならおらと相撲とってみっか?」


「!?」


 相撲何それ!? と目を輝かせて近づいてくる。

 そしてネネコさんが相撲の簡単な説明を行う。

 ってぇ!? なんか周囲が土俵に変化した!?


 あ、これアレか。

 ネネコさんのスキル、心象具現の土俵。

 一瞬驚いた様子だったルログ人だったが、すぐに戦闘モードに切り替える。

 ただしこの空間内では相撲としての攻撃手段しか使えないらしい。

 そして。ネネコさんとルログ人の相撲が始まった。


 四角い機械生物のルログ人とがっぷりよつに組むネネコさん。

 しかしながら相手の形が形なだけに掴んで投げ飛ばすのも難しいようだ。

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