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366.ロボット研究施設・4

「ここがプログラム室になります」


 パソコンを前にカタカタやってる人たちが沢山いた。

 サユキさんとスレイさんが彼らを背後から覗きだす。

 おっとレムさんストップ。君はこっち。いたずらいくない。


 どうやらスレイさんとサユキさんはここから動く気はないらしいので、俺と妖精さんとレムさんとエルエさんでアインシュタイゼン博士の求めるエルエさんの運動能力測定などをしに行こう。

 多分スレイさんとサユキさんにとっては関係ないことだろうからここからは別行動だ。

 二人についてはこのプログラム室の室長さんにお願いして、俺たちは次の部屋へと向かうのだった。


「ここが作成後の機械を測定する部屋です」


 アインシュタイゼン博士が目をキラキラなされているのでエルエさんに許可を求める。

 壊さない程度にがんばってね。

 というかレムさんがうずうずしてるな。

 えっと凜々花さん、なんか遊べる機械みたいなのないっすか? レムさんがいじれるような機材。

 あ、あるの、よかったねレムさん。ダイルンバー君の小さい奴、すでに壊れてるらしいけど大丈夫?

 自分で直すの? マジか、すげぇなレムさん。


 かちゃかちゃと機械いじりをし始めたレムさん。

 瞬く間に修理を終えて、小型ダイルンバー君に乗って移動をし始めた。廊下にはでないようにね。


「きゅい」


「検査、開始、です」


 エルエさんも動き出す。

 妖精さん、俺ら、やることなんもないね?


「ほんとにねー。皆についてきただけって感じよね」


 俺たちはおっほほーうと大歓喜しているアインシュタイゼン博士を尻目に、エルエさんの運動風景をただただ見せられ続けたのであった。

 凜々花さんも結果に興味津々だから俺ら完全放置だし。

 妖精さん、どっかいかない? だめ? 了解。もうちょっといます。


「任務、完了!」


「なんという素晴らしい!!」


「これが古代兵器なのですか? 正直現代の方が稚拙……」


「是非に分解して調べたいところだが、戻せる自信はないし、やめておこう。その代わりと言っては何だが、隣の人間ドック設備で内部構造を見せてもらうことは可能かね?」


「エルエさんどう?」


「問題はない、デす」


 なんかもう本格的な健康診断みたいになってるな。これで本当になんかわかるのか?

 採血検査とかする? しないんすか、そっすか。

 まぁロボットだからしないよねぇ。


「えぇ!? ダイルンバー君初号機が縦回転してる!?」


「そんな機能はなかったはず、どういうことだ!?」


 見てなかったけど俺たちの背後でレムさんが何かやらかしたようだ。

 平べったい円筒形というかコイン型のダイルンバー君初号機とやらが側面を下にしてコインが回転するようにくるくる回りながら移動している。

 それ、ゴミ取りできないよね? 無駄機能じゃん。


「きゅい」


「なんか暇だったから改造したらしいわよ」


 どんな改造だよ!?


「資材とかあればホバークラフトみたいにできるって」


「きゅいきゅい」


「浮かせてどーする。これ、床のゴミ取るのが目的の自動掃除機だからな」


「きゅい? きゅー!」


「任せろとか言ってるわよ?」


「確かガラクタ置き場があったじゃろ、あそこの道具なら自由に使ってええぞい。西園寺君案内してあげたまえ」


「えぇ!? このデータまだ見たいのにっ。うぅ、こっちです」


 なんかウチのレムさんがすいません。


「いいわよ、こっちは私が見とくからレムさん見ててあげて」


「じゃあ妖精さんエルエさんが解体されないようよろしく」


「おけー。ヤバそうだったら粉砕するよう伝えるわね」


 研究所が跡形もなく吹き飛びそうだ。


「じゃ、レムさん行こっか」


 俺とレムさんは凜々花さんの案内の元、倉庫の一つへとやってきた。


「ここは過去の失敗作置き場です。部品が何かに使えるかもしれないので一時保管している場所ですね。といってもほとんど使われることはないのですが」


「きゅいーっ!!」


 おお、レムさん大歓喜だ。

 宙に浮かびながらくるくる回って体全身で喜びを体現していらっしゃる。

 乗ってきたダイルンバー君初号機と共にガラクタの山へと突撃していった。


 レムさん小柄なので、大きなものを取り出そうとしたときは手伝ってあげることにしてしばし、ダイルンバー君初号機がレムさんの手により魔改造されたらしい。

 ふぃーっと額を一拭きするレムさん。ダイルンバー君初号機に座って満足げな表情でダイルンバー君初号機のボタンを押す。

 ぴっと音がした瞬間、ダイルンバー君初号機は回転しながら浮き上がり、真下の塵を吸い上げていく。

 おお、まるでUFOのアブダクションだ。

 しばらく塵を吸収していると、ダイルンバー君初号機から何かがころんっと射出された。

 四角いキューブ状の物体を、凜々花さんが拾い上げる。


「これは、まさか集めたゴミを固めて放出したのですか!?」


 おお、それはつまり集めたゴミを内部で保持する必要ないから掃除やたまったゴミを捨てる行為が必要なくなったってことか?


「すごい、これは技術革新ですよ! ダイルンバー君初号機にホバー機能と吸収機能、さらに圧縮機能を取り付けるのですね。アインシュタイゼン博士も喜びますよこれはっ!」


 エルエさんだけじゃなくてレムさんまでロボット研究を数世代進めたようだ。

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