35.行きは幽霊帰りは狐、恐いながらもとおりゃんせ・6
とりあえずクラスを拝み屋さんに変えてみる。
何が変わったか良く分からなかったので再び小学生に戻しておいた。
下手にクラス変えて学校で不審者扱いされたら恐いからな。
えーっと、後は二つ名とスキルが新しくなってるんだっけ?
まずは二つ名の確認だな。
二つ名:
お化けなんて怖くない:霊体系への効果的攻撃スキルを持たない状態で霊体系を撃破する。
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ジャイアントテイム:20以上離れたレベルの存在をテイムする。格上のテイム確率が増加。
外道少年:レベルの低い相手に無体を働く外道に送られる称号。同じ外道属性から一目置かれる。
神降し:神系存在をテイムする。神系、精霊系、氏子系存在のテイム確率が増加。
蛇神憑き:蛇神系存在に気に入られる。蛇系からの好感度が増加。蛇系イベント率増加。
駆けだしテイマー:テイムした存在が5体以上。下級存在のテイム確率が増加。
「……うん?」
「どうしたのじゃ?」
「いや、今更感のある駆けだしテイマー覚えたんだけどさ、テイム存在が5体以上って書いてあるんだけど、俺が今テイムしてるのって、ハナコさんとテケテケさんとツチノコさんと稲荷さんで四体だけなんだよな、なんで覚えたし?」
「む、それは確かに変じゃな……あ、待つのじゃ。もしやと思うが」
と、稲荷さんも電話をし始めた。
なんか、超常軌的存在が電話してるの見るとちょっとシュールというか、【違う、そうじゃない】感が凄い。
「おお、すまんのワシじゃ。鞍馬の阿呆に繋いでおくれ。うむ、二つ名の関連じゃ。手直しを頼みたい……おお、壮健で何よりじゃ。今ヒロキというプレイヤーの能力値を確認しとるんじゃがな、四体しかテイムしとらんのに駆けだしテイマーが出ておるのじゃ。うむ。恐らくワシと寄代で二重登録されておろう。うむ、迷惑掛けるのぅ」
なるほど、本来の稲荷さんをテイムした後で寄代の稲荷さんが仲間になったから二重に登録された状態になってたのか。
これ、他の寄代使いとか味方にした面子も同じ状態になるよな。ってことは……バグか。
「すまんの、この世界もたまに変な状況があるでな。報告しておけばその内直るから、おかしいと思ったら主も運営へコールするがよい」
「と言っても、俺の場合基本稲荷さんとかが近くに居るから異変があったら稲荷さん達が連絡した方が手っ取り早くないですかね?」
「それもそうじゃな。まぁ一人きりの時があれば、の話じゃ」
とりあえずそれぞれの二つ名を一度アクティベートしておく。
二つ名に意味があるかどうかは別だけど、折角だから、ね。
「二つ名はテイム系二つとツチノコさん関連が一つか。とりあえず今まで通りの二つ名にしとくか。さすがに神降しとか話題になり過ぎる」
「そういえばろくが、とかいうのをしておるのだったか? 既にバレているのではないか?」
「いや、俺の場合編集した後にチューブに乗せるからさ、具合の悪い個所はバッサリカットさせていただこうかと。とりあえず今はスキルの確認かな?」
テイムLv14: NPCや敵をテイミングすることが出来る。
霊視Lv14: この世ならざるモノを見ることが出来る。
幸運Lv5: 善い事が起こるようになります。
ラッキースケベLv4: 女性系とのちょっとえっちなイベントが起こる気がします。
蹴り技Lv8: 蹴り系統のスキルを覚えます。
得意武器・無手Lv15: 武器を持たないことで攻撃力が上がります。
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霊感Lv5: この世ならざるモノを感じることが出来る。
投げ技Lv4: 投擲系統のスキルを覚えます。
土下座Lv10: それはもう見事な土下座であったそうな。
熱感知: 視界をサーモグラフィに切り替える。
早九字: 指二つで縦に横に全てを切り裂き浄化しよう。
九字返し: さぁ、唱えようオンキリキャラハラフタランバソツソワカ。
タックル: 身体こそが武器である。その身を使ったダイレクトアタック。
霊打Lv1: 肉弾戦が相手の霊体に直接ダメージを与えるようになる。
前蹴り: 目の前の敵に繰り出すノ―モーションからの一撃。
ヤクザキック: ズボンのぽっけに両手を入れて、行儀悪くオラっと前蹴り。
拝む: とりあえず目の前の何かに拝みます。願い事は声に出しましょう。
なんか結構覚えたな。
早九字と九字返しはさっきのやり取りのせいだろう。
タックルからヤクザキックまでは恐らくここに来るまでの鳥居に群がる幽霊たち相手に戦った時に覚えたんだと思う。あそこ以外使ってないし。
そしてクラス拝み屋の基本スキル拝む。
折角なので稲荷さんの神社に向って拝んでおいた。ハナコさんが一生離れて行きませんように。




