表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

354/1108

352.二つ目の七不思議・1

 滅びし大聖堂から帰ってきた俺たちは、次どこ行く? と話し合った。

 行きたいところはあるようなないような状況なんだけど、次のイベントが近いこともあり、そんないろいろ回ることは難しそうだった。

 で、どうしようかって話し合った結果。皆個別で訓練しようってことになった。


 いろいろ皆で組んだりして自分たちの弱点とか、補える相方とかを調べるそうだ。

 んで、その間俺は一人暇になるだろうから、ということで手が空いたメンバーとどこか行こう。ってことになったのだ。

 んで、今回俺と行動してくれるメンバーが、ハナコさん、テケテケさん、妖精さん、アカズさんの七不思議組だった。

 妖精さんは他のメンバーと合わせる気はなく、俺についてくと言って聞かなかったので基本一緒に行動することになってしまった。なんか監視されているような気もするけど、きっと気のせいだろう。


 ちなみに、彩良さんも来たがっていたんだけど、彼女小学校には入れないそうだ。

 理由はそういう特性なんだとか。

 口裂け女は小学校に入れない。なんでだろうね?


 まぁ、そういう訳で、彼女は泣く泣くお留守番。

 ネネコさんが暇なら相撲しようぜって引っ張っていったから今は楽しい相撲時間でくんずほぐれつしていることだろう。うらやましい。


『あー。なんかこのメンツも久々というか、初めてかな?』


「実際同じ学園七不思議なのに私たちだけになることはまずなかったものねぇ」


「私が仲間になったときは沢山メンバーいたもの」


「ねぇヒロキ?」


「なんだい妖精さん?」


「私、場違いだったかな?」


「ははは、何をおっしゃる。唯一男の俺の方が場違いじゃね?」


「それもそっか」


 そこ納得しないでくださる!?


「さてさて、今回向かうのは田舎小学校七不思議ね。他の学校の七不思議も特攻仕掛けるってお姉さんワクワクしてくるわ」


 ちなみに、ローリィさんとティリティさん、スレイさん、ルースさん、カルカさんはあの魔方陣を調べるってことでスレイさんの研究室に籠ってしまった。

 ネネコさんは暇そうなメンバーを捕まえては相撲相手にしている。今回犠牲になったのは彩良さんとルルルルーアさんらしい。可哀想に。


 稲荷さんは虫相撲やりがてら他のメンバーと訓練をしている。付き添いはユウキさん、コトリさん、エルエさんらしい。

 ツチノコさんはレムさん、ギーァ、アイネさんを引き連れて森の中に探索に行った。

 アイネさんが連携訓練するとか言ってたから多分訓練してくるとは思うんだけど……

 あとメリーさんと芽里さんが正式にタッグ組むらしいよ。ヘンリエッタさんを連携の見届け人に選んでUFOの庭で訓練するそうだ。

 それから、ディーネさんはサユキさんにお願いして各アイドル会社に送るPVを撮影するらしい。


「ここの七不思議ってなんだっけ?」


「えっと、動く二宮金次郎、動く人体模型、トイレの青い手、血染めの桜の木、動く石膏の手、真夜中に出現する旧校舎、その旧校舎を彷徨う燃える人、だったかな」


『なんだか動く系の七不思議が多いわね』


「そもそも二宮金次郎ってなんぞ?」


「ヒロちゃん知らないの?」


 そもそも俺の時代の小学校には二宮金次郎の像とやらがなかったのだ。

 なんでも歩きながら本を読むのは行儀が悪いだかなんだったかの理由で全国の小学校から撤去されたらしい。


「もともと二宮金次郎は勤勉な人だったらしいわよ。薪を拾いながら勉学に励んでいたらしいわ」


『頭のいい人で夏に食べたナスの味で今年は冷夏になるとか予想した逸話があるわね。おかげで彼の居た村は飢饉が来ても予備の食糧を準備できて乗り切れたとか』


「つまり、小学校のころから勉学に励んでいた尊徳のようにあなたたちも勉強して偉大な人になりなさいっていう目標の像だったはずよ」


 尊徳? あぁ、二宮金次郎が幼名でのちに尊徳になったのか、昔は名前よく変わるんだっけ? 

 で、その目標にすべき像が、歩きながら勉強はダメだろって理由で全撤去されたと。そりゃ泣いていいよニノキン像さん。


「それにしても、増えてるらしい旧校舎、ないわね?」


「とりあえず一つずつ回っていけば出てくるんじゃない?」


「一番近いのは目の前に見える桜の木だな。結構デカいぞ」


 血染めの桜の木は校門のすぐそばに不気味に存在していた。

 月の光に照らされているのか、微妙に煌めいて見える。

 今の時期って春だっけ? この桜、満開なんですが?


「よくある話だけど、桜の木の下には死体が埋まっているそうよ」


 それがこの血染めの桜の木の不思議なのだとか。

 うん、おそらくレイス系の敵だな。

 今は……何の変哲もないな? とりあえず素通りして一番最初から順にみていく方がよさそうだ。


『あら? 私たち以外にも何人かいるみたいね』


「うん? ハナコさんわかるの?」


『ええ。生者の気配がいくつかあるわ。おそらく七不思議攻略中じゃないかしら?』


 ちょっと嫌な予感するなぁ。

 ま、なんとかなるか。最悪この腕時計で助っ人呼べばいいし、ヤベェのきちゃうけど。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ