343.日取りが決まったよ
「皆ー、日取り決まったって」
俺は先ほど手に入れた情報を皆に伝えるべく。UFOの居間へとやってきた。
プールから帰ってきて数日、ログインこそすれどここしばらくは家でゆったり、稲荷さんと虫相撲であそんだり、遊戯室にあるバスケットゴール使って遊んだり、正義の味方と談義したり、なんというか、ほとんど家から出なかったな。
まぁUFOから出なくても遊ぶ場所が沢山あるから仕方ないんだが。
ともかく、しばしの休暇で皆ゆったりしていたところに、ようやく第三回イベントの詳細がやってきたのだ。
なんかのびのびになってたらしい日取りが決まったそうだ。
ただ、まだ結構時間があるな。
なんでこんなに時間空いてるんだろう?
「はー、あんたとテイムキャラのみが敵になるのか。私は討伐する側になるのね」
「マイネさんお手柔らかに頼みます」
「ふふ、任せて。ヒロキの頭にマンホールを突き立ててあげるわ」
「全然お手柔らかくねぇ!?」
この人殺す気満々だ!?
「大丈夫よ旦那様。私がいる限り、旦那様には指一本触れさせはしないわ」
こ、コトリさん!?
まぁコトリさん無双は確定してるしなぁ。
どうするんだろう運営。コトリさんの周辺は確実にデスゲームになっちまうぜ?
『うーん。皆能力値とかはバレちゃってるから対策立てられると意外と簡単にやられちゃうかも。私たちって人数は少ないわけだし』
全員がレイドボス扱いになるんだろうな。
サユキさんがレイドボスかぁ。
……それってやばくね?
一部メンバーは単体でも十分戦えるけど、サユキさんとか妖精さんは一人だとちょっと不味そうだな。
他のメンバーと組み合わせるか? とりあえずパフォーマンスを重視して皆の特徴から探っていくか。
一人で戦えるメンバーもできるだけ潰されないように配置を考えようか。
一応俺たちは一足早くイベントマップにいけるみたいだからどこに誰を配置するかを決めれるし。
でも、せっかくだしレベル上げといこうかな。
まだ行ってない場所やレベルの関係で諦めてた場所もあるし。
とりあえず、そうだな。他所の七不思議攻略していくか。
それから滝霊王が封印してるやつ。そろそろレベルは推奨レベルまで上がりそうだけど、この先って大丈夫な奴だろうか? 実装してなかったとかないよな?
とりあえず手身近な七不思議からクリアしていくべきか。
でも滝霊王のところのイベントも出来れば早めにやってみたいんだよな。
ただ、必要レベルを超えてるのがコトリさんだけっていうのが、ちょっと不安要素か。
あ、そうだ。もう一つ行ける場所あったな。
鞍馬天狗の霊廟だか寺だかから魔界に行けるとかなんとか。
向こうのレベルが適正だったらレベル上げに向かってみるのもありか。
あとは……できれば妖精郷とか天界などの情報があればいいんだけど。
「あ、そうそう、マネージャーさん、確か巨頭オ村に行ったんですよね」
「ん? ああ。行ってきたけど?」
ふいに、ディーネさんが尋ねてくる。
なんだろうかと振り向くと、困ったような顔をしていた。
あれ、なんかやらかした?
「えっとね。運営さんからマネージャーさんに伝えておいてほしいって言われて」
「なんだろう?」
「えっと、夏のイベントのために実装した場所にまで探索範囲広げないでくださる!? どんだけイベント潰せば気が済むの! 場所の映像でちゃったら肝試しできないじゃん! だってさ」
なるほど、来年用の夏イベントのための村だったのか。
って、知るかっ!! すでに実装してる方が悪いんだろうが。
なんだよぅ。最初のイベントで肝試しやったじゃん。次の肝試しイベントで巨頭オ村ってそれもそれでどうなのさ。またプレイヤー離れてくぞ。あいつらが迫ってくるの結構精神にくるからな。
とりあえず運営に一報は入れておくか。
今行ってもイベント何もなかったし、あそこ面倒なだけだから行く価値もないかな。
コトリさんがいなかったら息つく暇もなく襲い掛かってくるからレベリングにも向かないし。
ほんと、ひっきりなしに来るからな。
とりあえず来年用のイベントは別のに差し替えるようにすべきだろ。
あそこはただ意味ありげに存在するだけの廃村で十分だ。
誰に情報聞いても出てこないくらいのどうでもいい場所でいいのである。
情報、といえば最近輝君に聞いてないな。いろいろ質問はあるし、思い出した質問一つ一つやってみるか。
どんな質問あったかな。
えーっと。
あ、ダメだリスト化しとかないとすぐに思いつかねぇ。
これは皆と会議して質問状作ってからだな。
んじゃまぁ早速質問状作りを会議するか。どうせ今日も暇だしね。
明日からの行動指針を決めるのもありか。最近ゆっくりしすぎた気もするし。
 




