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335.化け物村

 明日のためにレベリングを行うため、俺はレベルの低いメンバーを引き連れりんりんさん、レイレイさんについてやってきた。

 どこにって、言われてもわからんとしか言えないぞ。

 何しろ中学校ステージの山の一つで山道から外れた山の中を歩いてるからな。

 道中の戦闘に関してはコトリさんの結界を使って相手の攻撃を防いでいるので安全地帯からダメージ食らうことなくちまちま攻撃できるのだ。

 おかげで森の中ほとんど進めてなかったりする。


 何しろパワーレベリング組は全員レベル1からのスタートで、ここの森の平均レベルが10以上だからな。

 おかげで遅々として進まない。

 ダメージ1を永遠やってるからな。俺らが攻撃すると過剰ダメージになってすぐ死ぬし。

 手加減難しいんだよな。一応心掛けて戦ってみることでスキル生えるの期待してるんだけど、今のところまだ何の成果もない。

 あると思うんだけどなぁ、手加減とか慈悲とか。


 本日推奨レベル100のステージ、巨頭オ村に行くメンバーは、りんりんさん、レイレイさん、俺、コトリさん、妖精さん、レムさん、ルルルルーアさん、ヘンリエッタさん、ティリティさん、ローリィさん、ついでにギーァと彩良さん。

 彩良さんはレベル70超えてたけど新しく味方になって一緒のパーティー組んでなかったからね。

 せっかくだからってことで付いてきてもらった。

 コトリさんや妖精さんがいるとはいえ、もう一人くらいフォローできるメンバーが欲しかったのもあったので彼女を選んだのである。


 本当ならハナコさん選びたかったんだけどね。

 おのれ運営ッ。PRのためにって連れて行きやがって、俺とハナコさんの仲を引き裂こうなんてひどい奴らだ。


「ふふん、私がいるからにはヒロキが変なイベント巻き込まれても大丈夫だからね!」


 妖精さんは頼りになるのかならないのか。俺の頭の上で寝転んだり飛んだり、座ったり、やりたい放題である。

 りんりんさんはレムさんを抱きしめたり、頬ずりしたり、ハスハスしたりとやりたい放題、そろそろ嫌われるんじゃないだろうか?


「そろそろ看板がでてくるある。あ、ほら、アレあるよ」


 確かにこの先巨頭オになってるな。


「都市伝説の一つある。確か鹿児島辺りの林道あたりで発見されたとか? 私もあまり詳しくないネ」


 へぇ都市伝説の村なのか。

 この話は俺は知らんなぁ。

 一体どんな村なの……かぁ!?


 なんか、いる?

 叢からひょこひょこと何かが近づいてきている。

 あれはなんだ?


 と、何かよくわからないがコトリさんの結界に勢いよくぶつかった。死んだ。

 叢を移動する背の低い何か、草むらから頭だけが微妙に見え隠れしているのはわかるんだが、何だあれ?

 コトリさんの結界にぶつかるばっかりだから姿すら見えないぞ。


「アレが推奨レベル100の敵か?」


「名前がわからんある。鑑定してもバグってる?」


 おそらく鑑定妨害系のスキル持ちだろう。

 俺の場合は見えるだろうか?

 でもティリティさんのステータスとかバグってるのもあるからな。

 まぁいいや、ステータスすでに見てるなら大体の能力値がわかるだろ。


「レベルは100から110前後あるな。個体によってレベルが違うある」


 つってもこれは大失敗だな。

 相手が勝手に突っ込んでくるからレベリングに向かない。

 全部コトリさんの経験値になってしまうのだ。


「これは、レベリングに向かない敵だなぁ」


「しかも村に着くまで同じ敵しか出ないみたい」


 まぁいい、とにかく村に行ってみよう。そうすりゃ別の敵もでてくるだろう。

 ……と、思っていた時期が俺にもありました。

 村に着いたけど、出てくる敵が変わらねぇ!?


 叢を出たおかげで相手の容姿が分かるようにはなったけど、キモイとしか言いようがない。

 両手をぴったり足に付けた人型生物が巨大な頭を振りながら近づいてくるのだ。

 これはさすがにトラウマ案件だ。

 心の弱いプレイヤーは夢に出てくるんじゃないだろうか?


 村の中はもぬけの殻だ。

 こいつらが住んでるのかもしれないけど、人が住んでる気配はなかった。

 いくつか入ってみたけどほんとに無人だったし、他の家も誰かがいる気配がない。

 おそらくここはこのよくわからない生物が出てくるだけの地帯らしい。


 イベントもおそらくないなここ。

 ただこの一種類の敵がひっきりなしに襲い掛かってくるだけの場所らしい。

 村を一通り調べてみたけどやっぱりイベントらしいイベントは全くなかった。

 正直くたびれ儲けな気もするが、これは素直に廃病院向かった方がよかったかなぁ。


「んー、仕方ない。ちょっと面倒だけどダーリンのためならば!」


「ティリティさん?」


 おお、なんかティリティさんの腕が伸びた!? 触手みたいに巨頭さんに絡みついて拘束。

 コトリさんの結界に阻まれる手前まで敵を連れ込んできた。


「さぁ、皆タコるがいい」


 レベルが低いメンバーが攻撃を加えていく。

 ティリティさんのおかげでなんとか皆のレベル上げは出来そうだ。

 その代わり倍の時間はかかりそうだけど。

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