334.日付変更?
「はい?」
ハナコさんから話を聞いた俺は、思わず聞き返した。
最近、ハナコさん好きだということを逆手に取られて運営からの要件をハナコさんから伝えるようになりやがった室長さんより、明日プール行くなっていうご連絡である。
理由を聞けば、デスゲーム委員会がプールでナニかやらかすらしい。
となると、だ。
死人が出たプールなんざ確実に封鎖されちまうわけだ。
メンバーを集めて会議を開かざるを得なくなった。
「と、いうわけで。このままプールに行くと確実にデスゲームに巻き込まれる。かといって行かない選択肢を取ればプール自体が封鎖されてしばらく行けなくなる。遊園地は未だに閉鎖状態だ。つまり、プールに行く機会は明日以外に存在しないがデスゲーム付きになる」
「デスゲーム付きプールとか行きたくないんだけど」
「でも行かないと泳ぐこともできないある」
「レムさんの水着見たい!」
「一応ハロウィーズに連絡してみたけど、こっちの決定に従うって、ただ、女性陣は行きたそうにしてるらしいよ」
「よし、行くわよヒロキ!」
マイネさんさっきすごく渋ってなかった?
皆はどうする?
ハナコさんは?
『そうね。私たち幽霊でも死亡の可能性があるわけだし、本来なら運営さんの言うように行かないっていう選択がいいんだろうけど、少しでも、皆でプール、行きたい……かな』
ハナコさんが皆との思いでが欲しいといならば、俺は行こう。デスゲーム? ハナコさんの楽しみを奪おうとするクソどもの都合など知るか。邪魔するというならその屍を踏みしめて消し炭に変えるだけのこと。
我が覇道を阻む者は死あるのみ。
ハナコさんが行きたいと言うならば、邪魔な者全てを駆逐して道を作るとしようじゃないか。
「ふっ、ハナコさん、ご安心ください。このヒロキ、あなたのためならばデスゲーム委員会など駆逐して粉砕してくれましょう。全力でッ!!」
『えぇ? なんかヒロキの変なスイッチ入ったみたい』
「ハナコさんが行きたいって言ったからじゃない。デスゲーム委員会も可哀そうにねぇ。ヒロキが本気で潰しに行くんだって」
「ん、旦那様がやるというのなら、私も気合を入れて潰しますね」
「ああ、共に潰そうコトリさん。明日はプールを存分に楽しむ、デスゲームするのは委員会たちだけでいい。そうだろう? 俺とハナコさんが楽しむために、死んでくれ、デスゲーム委員会」
「ありゃー。こりゃヒロキ当日は暴走するわね。お姉さんの下半身掛けてもいいわ」
「テケテケ、あんた下半身ないじゃない」
「言いたかっただけよ彩良」
テケテケさんと口裂け娘は意外と仲いいよね。やっぱり都市伝説仲間だから?
でもテケテケさんは七不思議の方だよね。相性の問題かな?
「ティリティさんたちもそれでいい? 下手したら死ぬかもだけど」
「ダーリンが決めたならついていくだけだ。吾輩も駆逐手伝うぞ」
「勇者様、私も出来うる限り手伝います!」
『死亡に関してならわたくしに任せなさいな』
それ、任せちゃダメな奴。
「私は遠慮しておくわ。魔法なんて役に立たないだろうし。出来れば家にいたいけど水着せっかく買ってもらったから、行くだけは行くわね」
「ああ、ローリィさんの綺麗な姿、楽しみにしておくよ」
「ひぅ」
ありゃ、ローリィさんが顔真っ赤にして卒倒してしまった。
「ダメじゃないヒロキ、冗談で誘惑しちゃ。ローリィはサユキみたいに男性免疫ないんだから、今の下手したら死んでたわよ。恥ずか死してたとこよ!」
ごめんよ妖精さん。っていうか恥ずかしすぎて死ぬってどんだけ恥ずかしいんだよ!?
「ヒロキ、ローリィさん、脈止まってる」
「え? ちょ、ローリィさぁん!?」
慌てて心臓マッサージ。
なんとか息を吹き返してくれたので俺までレッドネームにならなくて済んだ。
殺人者はルルルルーアさんだけで十分だ。
「気のせいかしら? 川の向こう側でリエッタが手を振っていた気がするわ」
それは気のせいだろ。ヘンリエッタさんはここにいるし。
キョトンとした顔してるから何のことかすらわかってないみたいだけど。
「しかし、またデスゲームか。私たちも脱落しないよういろいろと下準備がいるか。姉さん、少しラボに籠るから付いてきて」
「私もか!?」
「確かに準備は要りそうね。私も独自に準備しようかしら」
「ギーァ」
「あ。そうだな。ギーァの言う通り、今いるメンツのレベル上げしとこうか。さすがにレベル1は即死しそうだし。でも現状レベル上げに使えそうなのは……廃病院か」
「廃病院って推奨レベル80くらいですよね。だったら少しレベルの高い場所どうですか?」
りんりんさんそんな場所あるの?
「実は推奨レベル100の場所見つけたんですけどレベルがレベルなのでまだ一度も入ってないんですよ。明日までまだ時間ありますし、行ってみますか、巨頭オ村」
なんすかそこ?




