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314.処置無し

「え? いつ切れるか? 切れないわよ一生」


 コブラツイストで死にかけていたローリィさんに聞いてみた。

 意外とまだ元気そうだな。

 コブラツイスト掛けられたままなのに普通に応えてくれたし。


「一生? 魔法で解除したり、解除薬みたいなのは?」


「状態異常じゃなくて最初に目にした相手への好感度を爆増するだけのアイテムだから。一度上がった好感度は下がらないのよ?」


 いや下がるでしょ!?

 ああ、でも、せっかく慕ってくれてるティリティさんにそっけなくするとか出来ねぇ。

 なるほど、好感度アップアイテムかよ。そりゃ魅了状態とかの状態異常じゃないよな。

 解除薬なんてものもない。


「ねぇそれってさ、目があったのがヒロキンさんじゃなかったら、私たちの方に惚れてる可能性だってあったのよね?」


「あいたたたた、そ、そうだけど。それが惚れ薬の効果だし」


 惚れ薬じゃねぇよそれ。好感度アップアイテムって言ってくれよ。

 しかし、どうするよ。四天王の一人味方にしちまったよ。


「テケリリリ、あー、し・あ・わ・せぇぇぇ」


 真っ黒い靄の集まりみたいなティリティさんだけど、意外と柔らかボディである。

 しかも胸もそれなりにあるし。俺への好感度が高いとなると、いや、うん。そこまで嫌じゃないな。なんか可愛く思えてきたぞ。

 俺の左腕に両腕絡めて胸押し付けてくるティリティさん。なんか二の腕にすりすり頬くっつけてくるんだけど、どうしたらいいのこれ?


「お幸せにー」


「ティリティさんカワイイヤッター」


「昨日はお楽しみでしたね、ある」


 プレイヤー陣は棒読みで祝福してくれている。

 やめてくれ、なんか精神的ダメージがごっそりきたぞ。


「はぁ。とりあえず四天王二体目撃破でよさそうね。次行きましょ次」


 第五の町と残りの四天王二人。それから魔王討伐したらあとは戻るだけ。

 さっさと終わらせてしまおう。

 変なイベント始まっちまう前に。


「あ、あの、ほ、本当にヘンリエッタ様なのですか!」


 おっと、ようやく再起動したのかルルルルーアさん。

 話しかけられたヘンリエッタさんはようやくローリィさんを解放する。

 かたかたかたかた


 うん、何か喋ってるようだけど骸骨だから聞こえねぇ。

 ってか、多分だけど俺にしか声聞こえてないよ?

 え? なんでって、俺が知るかよ。なんかそっちに問題ないのかヘンリエッタさん?


『あ、そういえば、隠形印付けたままでしたわ』


 隠形印? 


『これで皆さま聞こえるかしら?』


「おー、聞こえる聞こえる」


「ほ、本当にヘンリエッタ様の声が……」


「その隠形印ってやつのせいで皆気付かなかったのか」


『そのようですわね。確か魔物に捕まった時にこのまま凌辱されてなるものかと、使った記憶がありますわ』


 あ、俺わかっちゃった。

 ヘンリエッタさんハイオーガに捕まる。

 ヘンリエッタさん隠形印使う。

 誰にも気づかれなくなり、食事持ってきたハイオーガは一人分余るが気にせず自分が食べる。

 ヘンリエッタさん衰弱死

 徐々に白骨化していくが隠形印中のため誰も気に留めない。

 ラングウェイがヘンリエッタさん見に来る。

 牢屋にいないヘンリエッタさんと食事中のハイオーガ。

 逃がしたな! 死ね。ハイオーガ死亡。見張りのとこで死んでたやつな。

 牢屋内の悪霊がヘンリエッタさんの白骨遺体に取り付きクラッタ―になる。

 骸骨はクラッターに奪われ身動き取れなくなる。ついでにヘンリエッタさんから離れた扱いになり隠形印の対象外に。

 俺らが来る。


 つまりこういうことだろ!

 要するにヘンリエッタさんが死んだのは自業自得。自分で見えなくしたせいで食事にありつけずに餓死したのが死亡理由だ!


「えぇ、リエッタ何してんの、引くわ」


『なんで私の行動を見てきたみたいに当てられるのですか!? 確かに記憶の中にオーガに食事貰えず泣き叫んでいた記憶がありますわ。死に際においしそうなシチュー食べてるあのハイオーガマジコロスと思いながら死んだような……』


 クラッターに取り込まれてたのも自分が悪霊化してたからじゃん。

 ダメだこの人、残念女騎士だったよ。


「とりあえず蘇生魔法かアイテム手に入れたらヘンリエッタさんに使おうと思うんだけど、どうかな?」


「いいと思うわ。それっぽいの見つけたら譲ってあげる。いえ、やっぱり交渉にしようかしら? 高級料理店くらい奢って貰ってもいいわよね」


「あー。そうだな。金はあるし、そのくらいは融通するよ」


「あーっ。じゃあ私が見つけたらレムさんと一日デート券で!」


 レムさん、雌だぞ?


「なら私は……何かいいのあるあるか?」


 レイレイさんは何も思いつかなかったようでうんうんと考え始めた。

 よし、放置だ。


「そうです! 私回復魔法なら使えます、最上級回復魔法であれば肉体も再生するかもしれません!」


『まぁ、それは試してみませんと』


 え? 待って。それは……


「フルヒール!!」


『でしてよーっ!?』


「ふぇ? な、なんでぇ――――っ!?」


 あー、やっぱり。アンデッド系に回復魔法はダメージですよね?

 ヘンリエッタさんが消滅したので骸骨騎士は回収させていただきました。

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― 新着の感想 ―
[良い点] これ四天王は実は5人いるとかそういうオチかも テンプレなららよくある
[一言] まただよwwwwww
[一言] ぽんこつしかいない異世界フィールド
2023/09/01 00:51 退会済み
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