302.レアモン
りんりんさんをひっぺがし、俺たちはサーダストリーへと向かって歩く。
そこいらじゅうにメーメーさんがいるからりんりんさんが何度も突撃しそうになってまったく前に進みません。
おかげでレイレイさんがごめんあるごめんあると謝り倒す結果となった。
友達、選んだ方がいいと思うよ?
このサーダストリーのフィールドに出現するのはメーメーさんと狼男。
あと稀にプリズムバッファローが数体の群れで出現している。
プリズムって言っても角が煌めいてるだけだったけどな。
あんな豪快な色してていいのか草食動物。
それにしても、あと一種類いるはずなんだけど、見当たらんな。
他のとこならそろそろ一匹くらいは出現してるはずなのに。
個体数が少ないだけならいいんだが、めちゃくちゃ強い敵だった場合そろそろ詰む可能性もあるぞ。
ん? あそこ何か動いた!?
「エルエさんあそこ!」
「何かありま、すカ?」
あれ? 索敵に引っかかってない?
俺は目視で見つけたけど、エルエさんの索敵をすり抜けてるのか。
とりあえず、レーザー銃で一撃撃ってみるか。
って、避けた!?
何だ今の回避速度。
こいつは、まさか……
「ちょ、今の何!? 銀色の居なかった!?」
「キュィ?」
「発見しまシた。補足開始します」
エルエさんの言葉とともに俺も相手の鑑定に成功した。
名前:
種族:メタルセンザンコウ クラス:メタリックシリーズ
二つ名:なし
Lv:20
HP:5/5
MP:1000/1000
TP:3300/3300
GP:0/0
状態:普通
技スキル:
メタルボディ: HPを犠牲に俊敏性と防御力を爆増
物理耐性Lv999: もはやその体を貫ける物体は存在せず
まるくなる: 体を丸めて身を守ります
常時超加速: 速度が常に超加速状態になります
危機察知Lv999: 危険な存在は即キャッチ
気配隠蔽: 索敵系スキルから身を隠します
雑に強い。5ダメージ当てれば勝てるけど1ダメージ当てるだけでもかなり苦労しそうだな。
このゲーム、確定1ダメージじゃなくて一定以下のダメージは0ダメージになるからさらにつらい。クリティカル当たってようやく1ダメージだろうな。
メタル系ってほんと硬いイメージあるけど、これって多分某有名ゲームが発祥だよな。それより前にあったりするんだろうか?
今じゃいろんなゲームで見かける経験値がおいしい魔物たち。
強いことは強いけど味方にすると持ち味の逃げが使えなくなるから死にまくるんだよな。
結局は弱者でしかないわけだ。
「集中砲火で倒すしかないわね。経験値おいしいんでしょ!」
「ひゃっふー、経験値おいてけあるーっ」
「ちょっとレイレイ、張り切るのはいいけどメーメーさんに当てないでよ。リンクしたら全滅必至なんだから」
レイレイさんは格闘だからそこまで問題ないだろ。外した時の流れ弾が一番危険なのはエルエさんだ。
ちゃんと計算して撃ってくれてるらしいけど、結構すれすれ飛んでいく時があるからちょっとひやひやする。
って、なんかミサイルの群れに直撃して倒せた!?
あー、メカニカルベアのオプションか。レムさんが撃破してしまったよ。
「よし、四種類目撃破完了ね」
「アイテムリザルトはサーダストリーついてからネ」
「といってもサーダストリーは……目の前にあるわね」
意外と近くに町影が見える。
ちょっと窪地に町があったせいで近づくまで見えなかったようだ。
幸先がいいし、さっさと町に入ってリポップ場所変えとこうか。
「サーダストリーへようこそ」
……あれ? 身分証確認とかなかったな。
まぁいっか。
「んじゃま、魔法屋寄って冒険者ギルド行きかな」
「いやー。さすがヒロキさんとマイネさんですね。私たちだけだったらまだサイショ国だったと思いますよ。もうサーダストリー。レベルもどんどん上がっていくし。効率いいなぁ」
「ほんと二人共闘い慣れてるというか、いろいろとおかしな攻撃方法持っててうらやましいあるな。スキル構成も私たちとなんか違う気もするし」
「ああ、俺らはスキル上限解除のスキル持ってるからな」
「このスキル便利よね。すべてのスキル使えるようになるし、ON/OFF機能でいらないスキルはいつでも切れるし」
「そんなスキルあるんですか!? うっわほしいっ」
「毎回六個選ぶの面倒だったある。どこで手に入るある?」
「スキルブックS以上、かな」
「まあ、それじゃなくてもスキル上限解除を手に入れれば7つとか8つとか選べるようになるから」
そっか、こういうスキルも知らない人がいるんだなぁ。
チューブに上げておくか。いや、これはセンシティブ問題があるから運営さんに尋ねてからかな。




