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281.解読しようぜ

「凄い発見ね。ヒロキ君が先に見付けたんだから、そっちの人型ちゃんは任せるわ」


「え? いいんですか? 女の子型のロボットですけど」


「私はどっちかというとこっちのウルフ系が気に入ったのよね」


「あー、確かに結構可愛い感じですね、機械なのに」


 狼なのか犬なのか、ともかくエネルギー砲を背中に携えた四足歩行動物型ロボットだ。


「起動はどうしたらいいかしら?」


「んー、とりあえず文字書かれた場所とか探しましょうか。説明書いてあるはずです」


「それもそうね。でも文字があっても解読できないんじゃない?」


「そこは方法があるんで大丈夫です」


 しばし部屋を探してみると、やっぱり説明書のような物があった。

 ただ、古代文字なのかなんなのか、理解不能の文字で書かれていたので俺達では判別不能であった。


「見付けたけど……どうするの?」


「んじゃ、ちょっと召喚します」


「うん?」


 さぁ、出番だ悪魔召喚の書!

 手にした書物がぱらぱらと勝手にめくれていく。

 魔法陣が空中に描かれ、召喚陣が完成していく。

 そして、俺の視界に文字が現れた。前回と一緒だな。


 ―― 召喚する悪魔を選んでください ――


 指名して召喚する

 用途を指定して召喚する

 ランダム召喚をする(意図しないモノを召喚する可能性があります)


 三つの内の真ん中を選択。

 用途の内容は……二つの機動兵器の起動方法が書かれた説明書を読める悪魔。

 イケニエは……鹿肉でどうだ。


 光が立ち上り、魔法陣を覆い隠す。

 そして……光が収まった後には、魔法陣の上に、一人のピエロが立っていた。

 女の子っぽい容姿のピエロは、右目に星マークを付けて、黄色とピンクに真ん中で別れた帽子を被り、同じく真ん中で同色に別れたピエロ服を着ていた。

 帽子の左右の先端部にはポンポンがついている。

 あと服の襟首部分はギザギザのなんていうの? 中世とかの襟元のやつ。


「襞襟……ラッフルって初めて見たわ」


 ああ、あれラッフルっていうのか。

 胸ちょっとあるし女の子でいいのかな?


「やぁやぁごきげんよう召喚者。ボクに御用があるとか? なんだい? そちらの女性に愛の告白かな?」


 それはそれで魅力的だけど。


「今回はこの説明書の解読とかお願いできないかな。そこの機動兵器二つを起動してマスター登録したいんだ」


「ほぅほぅなるほど。ボクを呼んだのは言語解読の方かい。いいけど、さすがに鹿肉一つでこの仕事は受けられないなぁ」


「おっと交渉かい。いいぜ、どれくらいのイケニエが必要だい?」


「むふふん。ボクはそんなにお安くないぜぃボーイ。そうだねぇ……一つの契約を解読するのに鹿肉6つかな」


「むぅ、一つはできるけど鹿肉はそれだけだな。他の肉でもいいか?」


「いいよー、何がある?」


「兎と宇宙肉かな。他は一つづつしかない」


「宇宙肉ッ!? 何ソレ、気になる!!」


 ぴょいんっと魔法陣から飛び出し、こっちへとやってくるピエロちゃん。

 くるるんっとなぜか回転ステップしながら俺の目の前にやってくる。


「見せて見せて!」


「はいよ、これが宇宙肉な」


「お、おおお!? ん……色は普通だね」


「まぁなぁ……肉だし」


「他にない? なんか変わった肉」


「腐った肉とか? あとはチャコタの肉だな」


 青白紫灰の肉を取り出してみる。

 するとピエロちゃんの目がキラキラし始めた。


「すごい! 初めて見たよこんな色の肉! すっごーい。変わってる。何これ何これ。これ欲しい! 少年君、コレください!」


「んー、でもコレ貴重な奴だしなぁ」


「むむ。ソレは確かに貴重だね。この肉分の働きとなると解読だけでは難しいか。よし分かった。ならば君に言語読解スキルをあげようじゃないか! どうだい? レベルを上げさえすればこの説明書だって自力で読めるんだぜ? このキマリスちゃんが保証すんぜぃ!」


 キマリス?


「キマリスっていえば、アフリカ全ての悪霊を治める地獄の侯爵だったかしら? 確か言語学に精通してるって、でも、黒い馬に跨った勇猛な戦士の姿ってよく聞くけど?」


「えー、いいじゃんピエロ姿。ねー少年君」


「そこで俺に振るの!? まぁ、可愛らしくていいんじゃない?」


「あり? あれあれ? もしかして僕のこと女の子だと思ってるぅ?」


「え、違うのか?」


「悪魔だよ? 両性持ってるに決まってるじゃないか」


「あ、そうなの?」


「驚きが少ないっ!? ちょっとおねーさん、少年君の驚きが少ないよ!?」


「私も会って間もないからなんとも?」


「そもそもゲームだしなぁ。俺には可愛い女の子にしか見えんよピエロちゃん」


 胸あるから女の子、よし通れ。


「だいぶ穴だらけの検問だった!?」


「私も男だろうと女だろうと気にしないわよ。ゲームだし他人だし」


「こっちも酷かった!?」


 そもそも恋愛云々とかじゃなくただそういう人と出会っただけだし、拒絶したりする意味が無いだろうに。それより早く解読してくれ。

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― 新着の感想 ―
天使が基本無性だし悪魔は逆に基本両性か...
[一言] 悪魔もツッコミに回る二人www
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