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27.七不思議に聞く七不思議

「あー、つまりよぉ。説明士輝が七不思議の一つだってのか?」


「みたいだね。他の教室にも輝君いるらしいし。二人の教室には?」


「いる、わね……あたし今日からどうやって会えばいいのかしらっ、仲の良いNPCだと思ってたのに、幽霊だったんて」


「いや、幽霊と決まった訳じゃねーぞヒバリ、七不思議ってのは幽霊だって訳じゃ無く、解明できない謎が七つあるってだけだしよ」


「あ、じゃあ輝君は別に幽霊という訳じゃ、ないのね。なら問題は無いわね」


 幽霊じゃないかもしれないけど人外の可能性は高いかなぁ。さて、これを本人に告げるかどうか、それが問題だ。

 とりあえず、遠回しに聞いてみるか。


 授業開始前の教室に入り、輝君を呼び出す。

 何も気付いてない輝君は無防備に僕らの元へとやって来る。しかし、教室からは出ずにその場でなぁに? と尋ねて来た。


「えーっと、輝君は七不思議って知ってる?」


「学校の? うん知ってるよ。どの学校の七不思議が知りたい?」


「え? 全部の学校の七不思議知ってんのか!?」


 嘘だろ。七不思議の連中すら知らないのにっ。


「じゃ、じゃあ田舎の小学校の七不思議は?」


 ユウが試しにと聞いてみる。


「えっとねー、動く二宮金次郎像だね。図書館で本読んだりしてるらしいよ。次に動く人体模型。たまに走るんだって。それから動く石膏の手」


 動くシリーズ集まり過ぎじゃないか?


「トイレの青い手赤い手でしょ。それから血染めの桜の木。そして真夜中に出現する旧校舎。その旧校舎の中を彷徨う燃える人かな」


 マジかよ、七不思議検証班、輝君に聞いてなかったのか。これ滅茶苦茶重要じゃないか?

 メモしとかないと、あ、いや、動画撮ってるからこのまま流せばいいか。


「じゃ、じゃあ進学校の方は?」


「えーっと、ベートーヴェンの目が光ったとか、喋る校長達の肖像画だね。あとモナ・リザの目が動くでしょ。それからプールの怪と落下し続ける霊。保健室に居る子供、体育館の首無し少年だね」


 いろいろ物知り過ぎでしょこいつ。

 さすがにちょっと恐くなって来たわ。


「中学校、女子中、高校、男子高、大学の順でお願い」


「はいはい、中学校の七不思議はー窓に映る学生、体育館の幻覚、トイレのヤミコさん、廊下を歩く影、十三番目の教室、幻の十三階段、幻の四階。女子中学校の七不思議は突然放送される放送室。チャイムを聞くと還れなくなるんだって。飛びまわる包丁、トイレの赤マント、紫鏡、右手に手袋付けたままのバイキン先生、骨格標本が本物らしいってことと、夜中天井と廊下が裏返る、かな」


 即死系不思議もいくつかあるなぁ。これ、俺攻略しなきゃいけない感じ? ハナコさんなら別の学校の七不思議も見に行こうって言いそうだし。


「高校は真夜中に行われる授業、体育館で幽霊たちの運動会、誰も座らない机と椅子。踊り場の鏡には4:44分に映ってはならない。校庭を徘徊する亡霊武者たち、とある教室で首を吊る女学生、剣道場の首切り侍」


 高校はなんか幽霊たち遊びまくってないかな?


「男子校はトイレのタロウさんジロウさん、一人だけ美少女? がいる。校庭を徘徊する兵士、兵士に連れて行かれる地下の捕虜尋問室。音のなる下足ロッカー、掃除ロッカーに住む男子生徒、夜の保健室に男子二人で入ると睡魔に襲われ相方の男子と二人全裸でベッドに横たわっているとか」


 最後の貞操的に恐いのですが!?


『あはは、なんかちょっとおねーさん見てみたいなぁ。ねぇねぇヒバリちゃんかヨシキちゃんと一緒に行かないヒロキ?』


 誰が行くか。


「大学はねぇ、貯水タンクに浸かる死体でしょ、夜中学校が墓場になる。群がるゾンビ、音楽室で踊るゾンビ達、描きたされる絵、地下に広がる大空洞、二人いる校長。これで七つかな」


「じゃ、じゃあこの学校の七不思議、は?」


「ユウさん結構七不思議好きだね。えーっとね、この学校の七不思議はね、徘徊する人面犬、廊下を走るテケテケさん、トイレのハナコさん、体育館で跳ねるボール、真夜中になるピアノを四回聞くと死ぬ、開かずの間に夜入ると死ぬ、そして……全ての教室に存在する同一人物がいる」


 最後のだけなんで笑顔になるの輝君。今の笑み、なんか含みがあるみたいですっげー恐かったんですが!?


「ち、ちなみに同一人物については見付けたりその人物に事実を突き付けたら、何かあるの?」


「さぁ? 今のところ誰からも突き付けられてないからわからないなぁ」


 ちょぉぉい、発言、発言おかしい。それじゃあ自分が聞かれてないからって意味になっちゃうでしょうが!? 自分でばらしてどーすんの!?

 い、いや、落ち付け。今の俺にはハナコさんとテケテケさんがいる。ならば。今ココで戦闘になっても何とかなるはず。


「な、なら、指摘させて貰うぜ輝。全ての教室に存在する人物、それは……お前だろ説明士輝!」


 ずびしっと指を突き付け俺は告げた。

 告げてしまった。

 ど、どうなってしまうんだーっ!?

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