表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

264/1109

262.田舎名所巡り・1

 商店街の大通りを移動してある程度見回ると、案内人さんが集合を掛ける。

 といっても連なって歩いてたから集合したままなんだけどね。


「では、案内スキル使いますね。観光バス移動」


 と、スキルを使ったらしい案内人さん。すると、何処からともなくバスがやって来て俺達の前に止まる。


「え、バス使えるの!?」


「僕が行ったことのある名所だけしか止まりませんけどね。ツアーガイドスキルって便利なのか使えないのかわからないですよね。案内には特化してますから今は便利スキルですけど」


 旅行会社要らずで彼のみで観光案内が出来る理由がこの案内スキル達の御蔭らしい。

 まさかバス召喚スキルがあるとは、俺もちょっと欲しいな案内スキル。

 どうやったら手に入るんだろ? ツアーガイドでもすればいいのかな?


 バスが目的地に向う間、暇になったので俺は案内人さんに案内スキル入手法を尋ねてみる。

 隠されるとかと思ったけど意外と思い切りよく教えてくれたな。

 でも、覚え方が面倒臭い。

 ツアーガイド一人で何度もやって、50組みくらい終わらせればようやく職業覚えるんだと。

 そのあとも何度も案内することでスキルを覚えていくそうだ。


 案内好きじゃないとできないな。と言うかよくこんなスキルゲーム内に作ったな運営共。

 案内云々は面倒そうだし、スキルは別の互換性があるモノで代用できるだろうから、まぁ覚えるほどではないか。

 覚えるよりは彼に案内お願いする方が楽だな。お任せしよう。


「このスキル、レベルを上げればバスの形状とか色とか変えられるようになるみたいなんですよ。何時か、猫バスみたいなのできますかね?」


「ファンシー狙うのはやめとけ。下手に作ると訴えられてもおかしくないぞ」


「そ、そうですかね?」


 俺はネタ系に走るのもありだと思うけどなぁ。

 二次創作系と取られるかパクリと認識されるかは別として。

 でもまぁ、新たな創作ってのは他者の真似から派生するもんだし、試行錯誤して自分好みのバス作ってくれ案内人さん。


「あ、そろそろ到着ですね。それでは本日最初の名所に案内しますね。この先階段登った場所に神社がありましてですね。名前はえっと……相撲神社だったかな?」


「うろ覚えなのか?」


「いえ、その、行くたびに名前が変わってる時があるんです、神様の気分で自分の権能とか容姿とか好きなモノを神社の名前にしてるらしくて、あ、やっぱり変わってる。ここ最近は力士神社みたいですね」


 ……此処の神社の神って……いや、まさかなぁ。

 階段自体は30段程だったのでそこまで大変ではないんだけど、社に辿りつくと同時にコトリさんがむっと顔をしかめる。


「呪物なので、ここから先は少し気分が悪いです旦那様」


 そして俺にしな垂れかかってくる。

 胸、俺の腕に当たってるんですが!?

 くぅぅ、役得。


 ―― はいはい警告警告。ラッキースケベ持ちだから警告にならないけどねー、ケッ ――


 ちょっとエッチ関連判定者さんがやさぐれモード入ってません?


「うわー、主様、土俵っすよ、土俵。神社の前に土俵があるっす」


 っていうか、神社の奥に見えるご神体、どう見てもタヂさんじゃん。

 黄金像のタヂさん。成金趣味かなって思うくらい、うわぁって引くわ。


「えっと、ここはですね、天之手力男神という神様を祭る神社となってましてですね……」


 タヂさん……やっぱ神様じゃねーか。

 今ここに居ないのは本人が稲荷さんの神社辺りでネネコさんと相撲取ってるからだろう。

 まぁとりあえず5円放り込んで拝礼しとくかな。

 拝み屋に職業変えてやってみよう。ご利益あるかな?


「おー、なんでぇ来たのよヒロキ」


「うぉ!? タヂさん、何時の間に!?」


 祈りを捧げていると急に背後から声が掛かった。

 目を開いて振り向けば、土俵の中にほぼ全裸のタヂさんが!?

 マワシしか身に着けてねぇじゃん!? いままでよりヤバい姿だ!?


「秘密にしてたがなぁ、ワシァここの神やってんだわ」


 薄々気付いてましたけどねっ!


「折角参ってくれたんだ。いっちょ相撲取ろうぜボウズ」


「なんでだよ!?」


「いいからいいから、ほれ、さっさとこっち来い」


 あー、コレ、アレか。稲荷さんと戦った時みたいに、これで能力に+されたりスキル覚えたりするのか。


「さすがにタヂさんに勝てる気がしないんだけど?」


「別に勝ち負けは関係ねぇよ。お前の男気を見せてくんな」


 ばんっと腹を叩いてがははと笑うタヂさんの元へと俺は向う。

 ん? あれ? 皆こっち向いてない?


「おう、今は儂とお前さんの時間だ。コトリの奴は気付いてるだろうが、お前さんのパワーアップだ。介入する気はねぇだろ」


「なるほど、専用フィールドって奴か」


「今回の相撲はこっちから技掛けて行くからよ、返してみせるか踏ん張るか。とにかく技を失敗させてみろ」


「了解」


 ま、やるだけやってみるか。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
結構未来の話っぽいし流石に著作権やら何やら切れてるし大丈夫でしょ...多分...
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ