236.第二回イベント格闘大会5
何度目かの対戦後、テケテケさんの戦闘が始まった。
対戦相手はまさかのお婆さんだ。
……あれ、なんか、見覚えが……
「ひぇひぇひぇっ!!」
めっちゃ速ぇ!? ターボババァじゃねぇか!?
「ケケケケケケッ!!」
まさかの都市伝説対決。
さらにいえば時速100キロを越えるババァと時速80位で手で走るテケテケさん。
速度同士の対決は、あまりの速さに頂上決戦みたいになっていた。
息吐く間もない攻防戦。
互いにせわしなく動いてぶつかり合う。
鎌の一撃に爪で斬り結ぶターボババァ。
え、ターボババァのレベルってどれくらいなの?
なんか普通に同レベル帯の戦いになってるんだけど!?
好戦的な笑みを浮かべてババァと上半身女が何度もぶつかりあう。
テケテケさんの黒髪が風に流れ、ババァの白髪が風に乱れ舞う。
一か所だけ超人決戦になってるんだけど!?
あ、テケテケさんの足狩りが直撃した!!
放物線を描いて飛んで行くターボババァの両足。
ちょっと、グロ指定じゃないですか!? 大丈夫? 大丈夫なの運営さん!?
うわぁ、ババァが両手で走りだした!?
テケテケVSババァテケテケになっちまったじゃん。
しかも攻撃手段が噛みつきって!? あ、入れ歯飛んだ。
テケテケさんがギリギリで入れ歯を躱すが、ソレが失敗だった。
隙を見せたテケテケさんにターボババァが突進。思い切り場外向けて弾き飛ばす。
が、テケテケさんもただでは負けない。
鎌を思い切りぶん投げてターボババァを真っ二つに切り裂いた。
テケテケさんが地面に落下するのと、ターボババァが二つに分かたれるのはほぼ同時。これ、勝敗は!?
ビデオ判定になったので勝敗は後で決まるらしい。
仕方ないので他のメンバーに視線を向ける。
ネネコさんが闘っているのは、河童だ。
確か九千坊だかなんだったかでネネコさんに恨み抱いてた奴じゃなかったっけ?
めっちゃくちゃネネコさんに攻撃しまくってたけど地力に差が産まれ過ぎていたせいで最終的にネネコさんの張り手一発で吹き飛んで行った。
うん、お前良くここまで残れたな?
ハナコさんがルースさんとぶつかったようだ。
両方応援したいけど、俺はハナコさんを応援するよ。
何しろルースさんは神聖技で幽霊特化スキル持ち。
これは負けても仕方ないけど出来ればハナコさんに勝ってほしい。
「すまないっすねハナコ、この試合は貰ったっす!!」
『あら、ヒロキを怒らせないようにがんばってね』
「うぐ。それは試合だったってことで平謝りするっす! 全力で行くッすよ!!」
試合が始まり、ルースさんが魔法を唱え出す。
対するハナコさんは……火の玉を作りだして詠唱を妨害。
ルースさんがそれに気付いて光魔法で撃ち落とそうとするが。ソレは実体を持たない陰火だった。
ルースさんの一撃をするーっとすり抜け陰火が飛んでくる。
触れても意味の内一撃だが、鬼火が混ぜられると無視する訳にもいかなくなる。
本来なら陰火は青い炎だったかで鬼火と区別できるはずなんだけど、今の一撃は区別付きにくいなぁ、ハナコさんのレベルが上がったから分かりにくく出来るようになったのかな?
ルースさんが慌てて距離を取る。
その隙にハナコさんは彼女のすぐ傍まで近づいていた。
「わわ、キリエ・ラ……へぶっ!?」
まさかの顔面にバスケットボールが直撃。
どうやらハナコさんの投球術が火を噴いたようだ。
のけぞるルースさんの頭を掴み、場外向けて、ダンクシュート。
「にょあぁ!?」
まさかの相性不利を覆す物理攻撃を披露する幽霊様。
ルースさんは頭から地面にめり込みフシューっと煙を吹いていた。
どんな威力で地面にぶつかったんだアレ……
「さぁ、結果がでました!」
おっと、テケテケさんの方でも勝者が決まったようだ。
「タッチの差ですが、これは……ターボババァ、真っ二つにされたままでも生存を確認、よって先に場外となったテケテケさんが敗北となります」
な、ナンダッテェ――――ッ!!?
ターボババァにテケテケさんが負けた!?
闘技場では丁度テケテケさんが溜息を吐いてナイスファイト、とターボババァと握手している姿が見えた。
二人とも紳士だ……紳士からは程遠いのに。
って、しまった。見てない間にヨシキが負けとる。
さすがに未知なるモノさんと当たったら負けるわな。
えっと他の面々は……アイネさんは勝ってるし、芽里さんも圧勝、サユキさんが意外と早期決着してるし、マイネさんも頭割る作業で順当に勝っている。
あとツチノコさんと当たったダイスケ君があっさり敗北。さすがにファイアブレスは打つ手なかったか。全身燃えてたけどトラウマなってないかな? 大丈夫?




