205.どこへいこうというのかね?
「あ、ヒロキさーん」
おお、まさかのタツキ君じゃないか!
焼け野原の遠くで手を振ってこちらに向って来るタツキ君の姿を見て、俺達は彼の元へと歩き出す。
タツキ君チームはダイスケ以外ちゃんと居るな。
駄犬がなんかもうパーティーの一人って感じで貫録持って居座ってやがる。
「なんや、坊、生きとったんかいワレ」
「勝手に殺すな駄犬め。それより、ピエロキャラは生き残ってねぇか?」
「あ、それだったら皆を脱出させてくれたバニーのピエロなら向こうに居るわよ」
そいつは聞き捨てならないな。
ルースさん、飛行で一気にお願いします!
「がってんっす!」
ルースさんに脇を掴みあげられ一気に飛翔する。
もしもの時用にテケテケさんも一緒に来てくれるらしい。ルースさんの足に捕まって一緒に来てくれていた。
「ヒロキ君、俺達はゆっくり合流するけど大丈夫か?」
「ええ、こっちはこの面子でなんとかなりそうです!」
未知なるモノさん達を置いてけぼりにして、俺達三人、じゃないな。背中にツチノコさんいるし、ポケットにはいつの間にか妖精さんと稲荷さんがいる。
芽里さんはメリーさん持ってきてなかったからちょっと悔しそうだったけど、今回はお留守番ということで。
「あそこだ!」
「見付けたっす」
ピエロ面を被ったバニーガール。確か交換所の一つに居た女だ。
「ありゃ? まだ生還者いた? 君たちも生還報酬渡すから並んで……って、ぎゃぁーっす!?」
「捕えたっすよ!」
「ナイスルースさん!」
俺達を地面に下ろすと同時に滑空状態からバニーガールに突撃。
彼女を巻き込んで地面にずざざっと着地しながら、押し倒したバニーガールを拘束する。
「にゃばぁ!? なにすんですかぁ!? これって不当拘束ですよねぇ!?」
名前:ピエロン
種族:人間 クラス:デスゲーム管理人
二つ名:なし
Lv:10
HP:239/239
MP:52/52
TP:48/48
GP:10/10
状態:普通
技スキル:
管理者Lv10: 何らかの管理を行う技術
司会進行Lv2: 大会などを円滑に行う技術
偽装Lv1: 何かを偽る技術
デスゲーム発動: 自分が担当になっているデスゲームを発動できる。
脱出Lv1: 不可能にみえる脱出経路でも脱出の可能性が存在すれば脱出できる方法が提示されます。
悪運Lv1: 死亡判定時、確率で生還。
ステータスが雑!?
ピエロットと一緒じゃん。完全に量産型だよこいつら。
でも見付けた。やっぱり女のピエロ仮面数少なかったから一番目立つコイツじゃないかって思ったんだ。
「見付けたぜピエロン!」
「うえぇ、ステータス確認されたぁ。気持悪い」
いや、そこじゃないだろ。
「チェックメイトじゃな」
稲荷さんが巨大化して人型になる。
風の神通力使ってピエロンが動けないように拘束した。
「今回の放送、やったのはお前だな?」
「だ、だったらなにかな、私はただ放送しただけの一管理人ですしー。デスゲーム管理者はもう殆ど帰っちゃいましたし、今回の首謀者はピエロットですしー、私交換所でアイテム交換してただけですしーっ」
「とりあえずピエロット共々警察に突き出そうと思います」
「ぎゃぁーっ!? 実刑確定じゃん、やめてぇ。組織にコロコロされちゃう!?」
「なら、デスゲームを行う組織に付いて教えて貰おうか。お前達は一体何者だ?」
「そ、それは。その……無理っす」
「ほほぅ、喋らないと?」
「いや、だってデスゲームの管理者たちですよぅ、私が少しでもゲロったら確実に消されますよね?」
あー、なんかヤバそうな単語喋りだした瞬間どっからともなく狙撃されて死亡、っていうあのフラグか。
確かにやりそうだなぁデスゲーム管理者共なら。
「まぁ、とりあえずしょっぴくか」
「まってぇ、まだ配りきれてないのぉ、私が配らないとほら、順番待ちの皆さんが生還報酬もらえませんよ。暴動起きますよ?」
それは……仕方ない。ルースさん稲荷さん、とりあえず拘束は続けておいて上半身だけ動かせるようにしてあげて。
それからしばらく、ピエロンは生還者に生還報酬を支払って行く。
最後の一人に支払いを終え、俺にも生還報酬を支払う。
んじゃ。拘束で
「はっはっは。ばいならぁーっ」
と、閃光弾を胸元から取り出し、思い切り地面に投げつける。
やべぇ!? 拘束振り切って逃げる気か!?
慌てて目を瞑って切り替える。
逃げだそうとしたピエロンを、ツチノコさんが足に絡みついて転倒させ、そこに目を瞑ったままの俺が座りこんで拘束。
「いやー、旬な乙女に座らないでぇ、ぐえぇーっ」
「まったく、何処へ行こうというのかね」
目は見えずとも熱感知できるから俺とツチノコさんに閃光弾は効かないぜ。




