204.遊園地デスゲーム14
「間もなく地上にまいりまぁす。なぁんてね。どう? どうヒロキ様! 私の凄さ、理解したかしら!? やっぱり消さなくて正解だったでしょ! どう考えてもハナコテイムしといて私をテイムしないとか頭おかしいレベルの間違いだったのよ。そうとわかったら「調子乗りすぎんなよ?」はいすいませんちょうしのりましたゆるしてくださいおねがいしますっ」
ああ、一言嗜めただけなのに、折角浮き上がった髪が一瞬で垂れ下がってアカズさん自身まで土下座し始めた!?
「え? 待って、皆待って。これ俺が悪者なの?」
皆がこちらを見て小声でざわつく。
なんか凄く見下げられてる気がして思わずアカズさんを立ち上がらせる。
怒ってないよ。蔑んでもないよ。だから皆にも問題ありませんって伝えてね。
「アカズさん、一応聞くけど、この開かずの間を解いたら空中落下したりする?」
「あ、いえ、既に落下中ですので間もなく地上に激突します。ただしこの部屋は開かずの間の支配下になっておりますので衝撃は無かったこととなり、地面に着きしだい安全確認をして結界の解除をいたしますですはいっ、ですのでどうか私をみすてないでくださいころさないでくださいどげざでもみうりでもなんでもしますからっ」
「お、落ち付いて。なんか卑屈な言葉言われる度に周囲から俺の好感度が下がっていくんですが!? 別に強要してないでしょ。捨てません。捨てないからアカズさん落ち着いてっ!」
ダメだ、昂鬱病にでもなってるかのようにアカズさんの精神的落差が激し過ぎる、どんだけトラウマになってるの!?
「と、ともかくアカズさんの御蔭で俺達助かったみたいだ。周囲の安全を確認後に結界解くみたいだからその後は外に出て遊園地を脱出しよう。それで……こいつどうする?」
名前:ピエロット
種族:人間 クラス:デスゲーム管理人
二つ名:なし
Lv:10
HP:239/239
MP:52/52
TP:48/48
GP:10/10
状態:普通
技スキル:
管理者Lv10: 何らかの管理を行う技術
司会進行Lv2: 大会などを円滑に行う技術
偽装Lv1: 何かを偽る技術
デスゲーム発動: 自分が担当になっているデスゲームを発動できる。
脱出Lv1: 不可能にみえる脱出経路でも脱出の可能性が存在すれば脱出できる方法が提示されます。
悪運Lv1: 死亡判定時、確率で生還。
これまた生還に適したスキル構成だなぁ。
というか、こいつピエロンじゃねぇ!!
「今こいつのステータス確認したけど、こいつピエロンじゃねぇぞ!」
「なんだと!? じゃあ誰なんだ?」
「ピエロット。管理人には違いないけど、ピエロンは別にいるらしい。しかもさっきの話からするにコイツ一人捕まえてもデスゲームを起こす組織は壊滅しないみたいだ」
「その通り、私以外にもデスゲーム司会者はおりますし、この瞬間にも別の場所でデスゲームが開始されていることでしょう」
「おいおい、ってことは、何か? お前らとの遭遇は偶然ってことになるのか?」
「ふふ、その通り、一応運営側には何処そこでデスゲームを行うとは伝えますが今のところ不許可を貰ったことはありませんね」
未知なるモノさんの触手でふん縛られ、地面に転がるピエロットが不敵に笑う。
「つまり運営も了承してるってことか。俺らが知るすべがないから強制参加になるみたいだな」
「トラウマ発症したプレイヤーとかが辞めて行きそうだけど大丈夫なんだろうか?」
「ソレを踏まえてでもデスゲームを推奨してるんでしょ、運営ろくでもないわね。とりあえず抗議はしとくわ」
おー、GMコールしてるよマイネさん。
でも、多分仕様ですとかって返ってくるんだろうなきっと。
「ヒロキ様。周囲の安全確保出来ましたけど、ど、どうします?」
「結界解除頼むよアカズさん。皆、とりあえず脱出しよう。折角の休日が散々になったけど、とりあえず無事に家に帰りつくまでが冒険だ」
「ゾンビが残ってるかもしれないから気を付けて出てよ?」
『それじゃ、まずは私が出て安全確認するわ』
「おねーさんも霊体化して出てみるわ」
と、いうことで、アカズさんが結界を解き、すすすっとコトリさんが俺の隣に寄って来て、ハナコさんとテケテケさんが外の確認に向う。
「皆ー、外大丈夫みたいだから出てきていいわよー」
テケテケさんの声が掛かったのでぞろぞろと外に出る。
ピエロットはグレートマンさんとキカンダーさんが担架持つみたいに上下から抱え上げて護送した。
「うっわー、見事に焼け野原」
「どんだけ威力でかかったんだコレ? パラシュート脱出……成功させても死んでね?」
「そこは爆風で安全地帯に吹き飛ばされたりして大丈夫になってたんでしょ。ゲームとして」
ああ、なるほど。パラシュートを使ったという事実があれば生き残りが確定する、ってことか。
というか、タツキ君達無事かな? 一緒に吹き飛んでないといいけど。




