201.遊園地デスゲーム11
「ふぅ、ようやくゴール」
なんて悪辣な仕掛けの数々。
アスレチックなのに迫る壁とか落ちてくる天井とか毒針だらけステージとか。どこのロック○ンだよってくらいに横スクロールだったぜ。
正直この面子じゃなかったら誰か死んでた。
俺と妖精さんは数合わせだったけど、飛んでくる毒矢は妖精さんの風魔法でぎりぎり躱せたし、テケテケさんと未知なるモノさんとルースさんが居てくれてホントに助かった。
殺意が高過ぎるよここ。
「なんとかなったな。生還者も助けられたし」
他の二人は既に死に戻りしてたらしいけど、彼はアレ以上怖くて動けなくなっていたようだ。
ともかく、これで、コトリさんとマイネさんが行動可能になるから中央へ……なんか、騒がしくね?
「あ、ヒロキンさん!!」
「マイネさんどったの?」
「なんかさ、今掲示板見てたんだけど、別のエリアでゾンビが溢れだしたらしいの」
どう考えてもあそこじゃん!? 噛まれたまま生還しちゃった奴が出たな。
外に出てからゾンビ化してソレが広がっちまったか。
じゃあ、もう時間の問題だな。
俺は即座にグレートマンさんたちに連絡をとる。
北側に居た彼らは異変すら知らなかったようで、話を聞いてすぐに中央に向う事を連絡してくれた。
よし、俺らも行くとするか。
っと、忘れないうちにメダル貰わないと。俺達分5000メダルとこの人の生還分1000メダルね。
よし、マイネさんたちの2000と合わせて十分過ぎるメダルを確保出来たな。
「中央へ急ごう。さっさとデスゲーム運営ぶっ倒して遊園地から脱出するぞ」
「ゾンビも来てるらしいし、致命的になる前に脱出しないとね」
俺達はすぐに換金所へと向い、チケットを購入。マイネさんたちを中央に向えるようにして、ここの限定アイテム酸素ボンベを人数分購入しておく。
「うーむ」
「どうしたヒロキ君」
「いえ、とりあえず俺らの人数分はあるんですけど、タツキ君達の分が全員分無いって言いますか」
「あー、だったら俺らは脱出場所探しに行きますよ。南側の入口で待ってます」
「ゾンビ、来るかもしれないぞ」
「なんとか頑張ってみるさ。こっちの男の人も放置する訳に行かないしね」
「しゃーないな。おいちゃんも嬢ちゃんたち手伝ったるわ」
人面犬は人数に数える必要ないと思うんだけど。
まぁいいか、ならそっちは任せた。
「生きてたら、また会おう。まぁ死んでも会えるんだけどね」
この世界ゲームだからなぁ。よし、行ってくる!
タツキ君チームと別れ、俺達は中央部へとやってくる。
この中央には一つだけ高い塔が存在しており、ここが管制塔と見てよさそうなのだ。
各所で手に入れたカードキーを使うと、やっぱりだ。これが管制塔への入場許可証らしい。
稲荷さんたちもすぐにやって来たので、各チームカードキーを使って塔内へと入り込む。
げっ、既に中央部までゾンビが来てる!?
リアルゾンビじゃん!? 気持悪っ!?
「ひえぇ、ほら、さっさと行くわよヒロキ」
「あいよ妖精さん」
妖精さんと共に最後のチームである俺達も管制塔へと入り込む。
扉は自動で閉まるようで、ゾンビが流れ込んでくることはなさそうだ。
ここまでデスゲーム運営側が考えてたんだとしたら、ホントろくでもない奴らだな。
「螺旋構造で上に上がるのか」
天井見えてるから階層ごとにまた何かあるな。
階段を上り切ると、何もない部屋に出た。
なんだここ?
全員が昇り切って部屋に入ったその瞬間。
階段部分が突如壁に阻まれ消え去った。
閉じ込められた!?
さらにプシュッと何かの音がする。
「これは、ガスか!?」
「皆、渡したガスマスク使って! 全自動で自分の顔に合う奴だから」
俺の言葉に全員がガスマスクを付ける。
ディーネさんだけは俺の腰に着けた水筒の中に逃げたけどね。
しかし、ハナコさんたちにも毒は効くんだろうか? ガスマスク付けれてるし効くんだろうなぁ。
しばし、ガスが部屋を充満する。
それからしばらく、10分くらいだろうか? そのまま部屋で待っていると、急に壁が動きだして階段が出て来た。
どうやらもう登ってもいいらしい。
皆を一度振り向き頷く。
全員揃って昇り階段側へと向い、部屋を足早に出る。
再びの螺旋階段。
正直足が疲れて来たけど、まだ毒素が体に付いてる可能性があるのでガスマスク着用のままで次の部屋へと向う。
再び広い部屋に辿りつき、皆で警戒していると、再び階段を壁が消し去った。
そして、高所から放出される水、水、水。
「ぷはっ、次は酸素ボンベだ!
人数分を用意してあるので皆に配る。
すぐさま腰元まで水に浸かってしまい、酸素ボンベを背負って身動きとれない状態になる。
水が全身を覆うまでは下手に動かない方がいいだろう。
やっぱり限定アイテム全部買っといて良かった。
後使うのはパラシュートとゴム手袋長靴のセット。そして鉄柱。なんとなくこれから何があるか分かるなぁ。




