表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

201/1105

200.遊園地デスゲーム10

「行くしか、ねぇか」


 状況からしてこのままここに居ても出てくることは無いだろう。

 つまり、五人グループを作って全員でアスレチックコースを行くしかない。

 コトリさんとマイネさんから同じグループになった残りの三人の容姿を聞いて、メモしておく。

 そして係員に諸注意等を聞いて俺達は決断する。


 このまま待ってても来ない可能性が高い。

 だから、後詰めが一通り探索して、連れて帰る。あるいは連れていけない状況にあれば、息の根を止める。

 厳正なメンバーを集った結果、俺、未知なるモノさん、テケテケさん、ルースさん、妖精さんの五人で向うことになった。なんでこの面子かといえば、未知なるモノさんとルースさんは最初に決まったものの、後の面子を決めるのにジャンケンした結果である。


 まぁ俺が行く事になった訳だし、何らかの形で必要になるんだろ。幸運がそう判断したんだと願っておこう。ただ敗北しただけが理由じゃないはずだ。


「さて、入口に来たわけですが。のっけからロープかよ」


 一本の鉤爪付きロープを自分で引っかけて垂直な壁を登れってさ。

 しかもご丁寧に落下したら電流流れてる池にぽっちゃりだ。

 とはいえ、係員さんに聞いたところによれば、このアスレチックは別に縄使わないといけないとか、要所要所に置かれたアイテム使う必要は無いんだと。


 つまり、ルースさんの出番である。

 未知なるモノさんはご丁寧に自力で縄引っかけて壁登りしてたけど、俺と妖精さんとテケテケさんはルースさんに引っ張って貰って一気に上に辿りつく。


「今度は一本のロープに引っかけてある滑車使って向こうまでか」


 ロープウェーでいいんだろうか? フック状に垂れ下がったロープを自分の乗り物として、向こう岸まで移動するアスレチックだ。

 当然、ルースさんに捕まって俺達は移動。

 未知なるモノさんは律儀にロープに捕まって移動していたけど、途中で勢い無くして止まってしまい、結局ルースさんが連れてくることになった。


 成る程、最初に勢い付けておかないと最後まで行かないのか。

 あまり勢い付け過ぎると自分が付いて行けずに風の抵抗で落下、下の電流池に落ちで感電死する訳だ。


「さすがにこの辺りには居ないな」


「居ても途中くらいでしょ」


 その後も幾つものデストラップとアスレチックコースを越えて行く。

 基本ルースさんにおんぶに抱っこだったけど、まぁ問題無し無し。

 妖精さんは恐らく数合わせだな。基本俺に捕まってればいいから他の人を増やすよりも妖精さんで一人分チーム人数削った方がこちらも動きやすくなるってことだね。


 一度未知なるモノさんが落下して毒の沼地に落下してたけど、引き上げたら問題無く生還したので本当に問題無しである。

 猛毒で少し浸かっただけで体が腐り落ちるとか注意書き書いてあったのになんで問題ないんだろこの人?

 床に着地した際床がじゅぅぅっと音たてて溶けてたけど未知なるモノさん気にせずタオルで体拭いてたしね。

 最終的にタオルが消失して二枚目も半分くらい無くなってたけど。

 使用済みタオルは毒の沼地、というかもう硫酸とか王水とかだろここ、の沼地に投げ込んで消失させました。


 ルースさんはちゃんと浸かる前の未知なるモノさんの腕を引っ張ったから沼には触れてないし、やっぱり俺達はノ―ダメージでソコ・・まで辿りつけた。

 一時間半程進んだ、だいたい4分の3くらいクリアした場所。

 ギロチンけんけんぱステージ。

 その中央に、事前に聞いていた青年の姿があった。

 右腕と右足が無いけど、一先ず生きている。

 ただ、そこからはもう動ける状況じゃなくなっているらしく、涙目で俺達を見つめていた。


「居たな」


「あそこだとさすがに戻れないし、先に行けないか」


「まずはルースとヒロキ君が上を通って向こうまで行ってくれ」


「未知なるモノさんだけで大丈夫っすか?」


「むしろ俺だけの方が楽に行ける。最悪犠牲は一人で済むしな。テケテケさんは予備として俺に付いてきてくれ。もちろん霊体化してな」


「おっけーい」


 ルースさんに捕まって、タイミングを計りながらギロチンステージを抜ける。

 左右に時計の振子みたいに揺れる大きな鎌をルースさん、妖精さんと三人揃って抜けていく。

 足場に気を付ける必要が無いので俺達はすぐに辿りついた。

 でも、足場に気を付けながら、しかも中間地点に居るお兄さん拾って行くのは結構辛いぞ? 大丈夫か?


 と、思った俺だったが、杞憂だったようだ。

 触手がうごめき、おおよそ人が起こす事の出来ない動作をしながら未知なるモノさんが走る。

 人間離れした動きで人を易々切断できる鎌の群れを時に掻き分け、時に触手で受け止め、物凄い速度で攻略して行く。


 やがて、うめく青年を触手で絡め取り、引っ張り肩にひっさげさらに走る。

 あぶないっ、声に出すより速く、霊体化していたテケテケさんが迫る大鎌に鎌を合わせる。

 弾かれはしたものの、未知なるモノさんが通り過ぎる時間分は稼いだ。


「ナイステケテケさん!」


「おねーさんに任せなさいっ」


 って、実体化したままこっち見たら……

 大鎌に髪が絡まりテケテケさんが大鎌共々通路から消えた。

 ちょぉぉ!? テケテケさーん!?


「……あ、危なかったぁ」


 ああ、間一髪霊体化できたのか。無事で何より。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 油断大敵ですなぁwww
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ