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196.遊園地デスゲーム6

「幽霊屋敷はヤバいわよマネージャーさん」


『幽霊属性でも敵が同じだからダメージになるし、一部幽霊特化のトラップもあったわ。危うく引っかかりそうになったけど、ディーネが居てくれて助かったわ』


「幽霊ホイホイみたいなのあったのよ。幽霊だけで攻略向ってたらレギオンみたいにされてたかも」


 え、何ソレ怖い。

 つまり、それって下手したらハナコさんがレギオンみたいな集合体の一部にされてたってこと?


「よし、幽霊屋敷潰そう」


「落ち付け阿呆」


「でも未知なるモノさん」


「まったく、アカズさんの動画見たから理解はしていたが、ハナコさんへの反応が過剰過ぎだ。少しは押さえろ。その内本気で垢BAN喰らうぞヒロキ君」


「うぐっ」


「ホントだよヒロキさん、最近のヒロキンチューブちょっと過剰反応過ぎじゃないかってザワつかれてますよ」


『ヒロキ、やっぱり過剰反応なのよ。もう少し我慢とか妥協を覚えないと』


 そうはいうけどハナコさんが危険だと思うとこう、カァっと。

 だめなんだろうなぁ、少しは気を鎮める術を覚えないとダメなんだろう。


「でも実際ここは即死が多いし、できるなら徹底的に潰してやりたいと思うんだけど」


「それは確かにな。遊園地をこんな改造しやがったクソ野郎共は喰ら……徹底的に分からせてやらねぇとな」


 今、食うって言った。食うというか喰らうって言ったよね。


「えっと、ミラーハウスはどう危険なの? ゾンビとか幽霊は危険性は分かるんだけど」


「あー、どうも合わせ鏡とか鏡の悪魔とかが跳梁跋扈してるっていうか、鏡の中引き摺り込まれたり脱出したりでどっちにいるかすら分からなくなってこの場所に返ってこられなくなるみたい」


「異世界があるってことか?」


「この遊園地だけのね。しかも無数にあるから戻ってくるだけですっごい面倒だって」


 異世界部分だけ運営さんが無駄に手を込めてそう。それこそ100パターン位の遊園地作ってさて本物は何処でしょう。とかやってそう。


「じゃあミラーハウスは行かないってことで、ゾンビも無理でしょ、他にこのエリアで稼げそうな場所ある?」


「んー、正直あまりお勧めしないけど、アレ」


「あれ?」


 そこにあったのは大きな円だった。

 ピエロと対戦者がタクトを振るい、円の中で虫たちが戦っている。

 おいおい、アレってまさか。


「虫相撲。対戦相手はあそこのピエロね。出てくる虫がえげつないのよ」


「どんなの?」


「改造カブトムシ。むっちゃくちゃ強いよ、普通の虫は粉々になるくらいには」


「マジかよ……」


 ただ、ソイツに勝つだけで1000デスメダルも貰えるらしく、先程から結構なプレイヤーが挑戦しては虫を破壊されて命まで奪われている。

 どうやら虫が死んだら本人も死ぬらしい。

 えげつないな。

 しかし、敵は強い、正直勝てる気が……

 いや、待てよ。

 確かオニグモのドロップアイテムがオニグモだったな。アレって虫相撲で使えるだろうか?


 チェンソーカブトが居れば行けたかもだけど稲荷さんに渡しちゃってるからなぁ。

 ピエロさーん。


「お、次の対戦者は君かい。って、それは蜘蛛かな? 残念だけど虫相撲だから蜘蛛は出られないよ? あと対戦するって言った以上はちゃんと虫を使って戦って貰わないと困るね。死にたくなかったら別の虫で挑戦してくれよ?」


「え?」


 マジか、蜘蛛出れないの!? 虫じゃねーの? だったら蜘蛛って何なんだよ!?

 ど、どうしよう、他の虫じゃ勝ち目が……あ。


「虫ならなんでもいいんですよね?」


「構わないよ。ただし、ここはデスゲームの虫相撲。ゆえに虫が落下して終わり、なんてつまらないルールはないんだ。どちらかの虫を完全に動かなくなるまで破壊する。ククク、虫と共に命を終える覚悟はできてるかい?」


「あんたこそ、轢き潰される覚悟は出来てるかい?」


 俺の忠告は、ただの前口上としか判断されなかったようだ。


「さぁ、来るがいい、この超強力改造カブトムシに勝てると思うのならばな!」


「いくぜ相棒!」


 デスゲーム虫相撲、相手は強化されたカブトムシのため攻撃力は阿保みたいに高いらしい。

 ただの虫なら確実に敗北するくらいには強い。ただ、それは普通の虫に関してだ。

 人型以上の巨大な虫が相手なら、どうなるか。

 そう、俺が呼びだしたのは一応、と採取させていただいた虫、ベーヒアル!


「ふはははは、この改造カブトは超硬質の甲殻でソードカブトやシザークワガタすら破壊できず、雷撃耐性と燃焼耐性を持ち、ってちょぉぉぉい!?」


 ドヤ顔だった相手が思わず叫ぶのも無理は無い。アイテムボックスから取りだされたベーヒアルの体長は6メートル。まさに山に挑む人間みたいな状態だ。


「いや、虫だっつっただろ!? そんなでけぇ虫がい……るな。普通に虫として認識できる!? いやいやいや、大きさ、おかしくね!?」


 あ、轢き潰すんじゃなくて食べた。


「お、俺の改造カブトが!?」


 あああ、むしゃむしゃしてる、むしゃむしゃしちゃってる。例え甲殻が硬くともベーヒアルのアギトに耐えられる程ではなかったらしい。カブトの角部分だけペッと吐いちゃったよ!?


「う、うわああああああああ、カブトぉぉぉっ」


 デスゲームルール虫相撲、なんという非情なんだ。

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― 新着の感想 ―
[一言] さすが外道少年、虫とは言えない虫を持ち出すとは・・・・・・・ メリーさんと芽里さんが主役の外伝は公開する予定はないのですか? メリーさんと芽里さんが強化されるのはいつ頃公開ですか?
[一言] だから、ギョ人さんの村に行く必要があったんですね(メガトン構文)
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