190.遊園地へ行こう
「準備は良いかー!」
本日、俺たちは皆揃って遊園地へ遊びに行く事にした。
折角だからってことでマイネさんたちも一緒に来るらしい。
ユウ達は残念ながら今日は用事があるらしい。
なんか最近マイネさんと良く行動してる気がするなぁ。
マイネさん大丈夫? なんか俺のハーレムメンバーと勘違いされるかもしれないよ?
まぁ正義の味方も一緒だしそんなことはないか。
「いやー、私達まで一緒出来るっていいですよねー。未知なるモノさん」
「あー、ほんとによかったのかヒロキ? 俺まで着いて来て」
「むしろ折角人数制限無しの遊園地パスなんで大人数で楽しみましょうぜ。一日しか使えないんですし」
この無料パス、一日だけであれば何人でも参加可能で、まさかのプレイヤーとかの制限もなかった。
なので可能ならユウたちも誘いたかったんだけど、ユウは今日、リアルの族友から連絡入ってリアルツーリングするらしい。
ドタキャンである。土壇場でキャンセルである。
ところで土壇場ってなんだっけ?
ちなみにヨシキは出席日数ヤバくなったらしい。
よくわからんが真面目君だったようだ。
いや、出席日数ヤバいのはむしろ不良なのか? でもちゃんと出席しはじめてるってことは真面目君だろう。
今まで何してたんだって話なんだけど。
ヒバリは幽霊に耐性付けるためにここ最近はいろんな場所に一人旅してるらしい。
現実が充実してるようでなかなかゲーム世界に顔を出さなくなっている。
というか幽霊に耐性つけようと一人旅したらハマったというほうが正解か。
そういう訳で、三人とも日程が合わなかったので今回は不参加。
代わりに未知なるモノさんをついでに誘ったのである。
「せやで、一日しかないねんから楽しもうぜあんちゃん」
そして、何故か付いて来た人面犬。なんでおっさん顔の犬が一緒に居るんだろう? 俺誘った覚えないんだけど?
「おい、人面犬、一体どうやってやってきた?」
「輝に聞いたんやがな、今日行くらしい言うし、折角誰でも参加できるんやからおいちゃんおってもええやろ?」
「酒は買わんぞ」
「そういうやろ思てちゃんと用意しとるわい。おいちゃんかてちゃんと金蔓はおるんやで」
マジ、か!?
「そういやタツキ君チームの子がこの犬の話聞くために酒恵みだしたって聞いたことあるぞ」
「マジか!?」
まぁ、いいや。とりあえずやってきた遊園地の受付にチケットを手渡す。
一応大丈夫か聞いてみたけど問題無いらしい。
つか駄犬、お前って小学校から出られなかったりするんじゃないのか?
「ふっふっふ。それやボウズ、ボウズたちが七不思議クリアしたやろ、学園を覆ってた結界みたいなのが弾け飛んでおいちゃんも自由の身って寸法や。やからおいちゃんも恩義感じててなぁ、ボウズの助けになったろかいな、とこうやって遠くまでやってきたんやないか」
お前が助けになる未来が全くないんだけど……
「うふふ、旦那様とデート、えへへ……」
「コトリ、デートは二人きりの外出を言うのだ。ダーリンと皆で遊びに行くのはデートではないぞ!」
「まぁまぁ、硬い事言わないスレイさん。おねーさん的には皆一緒に楽しめれば御の字よ」
しかし、この一団、目立つなぁ。
古今東西の謎生物詰め合わせセットみたいな状態だしなぁ。
「とりあえずどうする? 皆で一所回る? それとも各自で乗りたいモノ乗って行く?」
「そうだな。このメンバーだし、各自で乗りたいモノ、乗って行く方が多く回れそうだ。メンバーはくじ引きか、ジャンケンで決めようか」
「それじゃすぐに出来るジャンケン?」
「んー、まず何チームに分ける?」
「22名いるんだっけ? えーっと5人4チームか4人5チームであまり二人を入れ込む形が丁度良いくらいかな?」
「よし、五人づつくらいでいいだろ。4チームか。いや、やっぱ5チーム作って二グループだけ五人ってことは可能かな?」
それから俺達はくじ引きでチームを決めることにした。
泣いても笑ってもチームはチーム。
ハナコさんと一緒に成れるかどうかは運しだい。
そして、俺の運はかなり高い。
だから、可能性は高い!!
……
…………
………………
何故だッ!?
「おいちゃんと一緒があかんのかいな?」
「当然じゃない駄犬。ヒロキは私の悩殺バディに夢中なんだからっ」
「な、なんで、どうしてここになるの? ハナコぉぉぉ」
「なんかボクなんかで御免なさいっす」
ははは、やってもーた。
何処が運がいいんだ?
駄犬と妖精とアカズさんとルースさんの五人パーティーだ。
俺に好意を寄せてくれてるスレイさんやらコトリさんとまで別れてしまった。
この面子で楽しめるかなぁ?
「折角だし回る場所の順番も別々にしようぜ。中央広場から丁度五つの道あるし」
「代表者ジャンケンで場所決めましょ」
さて、楽しい一日になればいいんだけど……




