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187.虫の逆襲

「これはまた、凄い事になってるな」


 稲荷さんたちが居る場所へとやってきた俺達は、予想外の光景を目にすることになった。

 俺は思わず稲荷さんを見上げる。

 白い糸に巻き取られ、遥か上空から吊り下げられた繭の中に頭だけ出てる稲荷さんを。


「た、助けるのじゃーっ」


 姫様カットのお嬢ちゃんが叫びながらびょんびょんと体を揺らす。

 繭が揺れたことで他の繭も一緒にぶらんぶらん揺れだした。

 スレイさん、カルカさん、アカズさんも一緒に捕まってやがる。


「ちょっとアカズさん、何してんの? 自力で出られねェの?」


「む、無理よぉー、私が得意なのは個室戦だものっ」


 なんて役に立たない高レベルなんだ。

 しかし、この感じからすると、蜘蛛系生物が相手だな。


「とりあえず、全員うかつに動かないように。見えない糸に引っかかったらあいつ等の二の舞だからな」


 妖精さんやらメリーさんが捕まったら完全に繭の中に包まれて窒息死確定だしな。

 見える糸だけならいいけど、蜘蛛って罠のスペシャリストなんだよなぁ。

 人間すらも気付くことなく巣に掛かってしまうくらいには。

 掛かってからわぷって驚くんだよ。

 蜘蛛の巣ほんと気付かないうちに体に巻きついてるからなぁ。


「アイネさん、どう?」


「ん。あの辺り、触れたら巻きついて跳ね上げられる。恐らく皆がぶつかったトラップ」


 蜘蛛のトラップ見えるのか。宇宙人ヤベェな。

 しかし、このままだと確かに詰んでるんだよな。

 俺達がやってきた道にもいつの間にか蜘蛛の巣が張られてるし。これは……誘いこまれたか?


「ん? ヒロキ、あそこ、何か居る」


 アイネさんが指差す方向は、右斜め頭上。

 見上げた俺達が見付けたのは……鬼のような形相の模様を持つ、巨大な蜘蛛。


 名前:

 種族:オニグモ クラス:妖怪

 二つ名:罠師、待ちうける死神

 Lv:27

 HP:2100/2100

 MP:82/82

 TP:1400/1400

 GP:530/530

 状態:普通

 技スキル:

  立体機動Lv10:  空中での高速立体機動移動が可能になります。

  暗殺Lv5:     相手が気付いてない場合、攻撃が全てクリティカルヒットになる。稀に即死。

  忍びの一撃Lv5:  相手が気付いていない場合、初回攻撃のみ攻撃力が10倍。稀に麻痺。

  貫く:        前足による即死攻撃。直撃すると相手を確定で殺す。

  粘着糸:       粘着性の糸を放出。

  噛みつく:      相手に噛みつく攻撃。稀に毒・麻痺付与。


「オニグモ……」


「でっか!? つか、どうすんだ!? 真上からの攻撃ってどうやって防げばいいんだ?」


 とりあえずレーザー撃つか。

 そりゃ。

 うえっ!? なんかめっちゃ素早い動きで避けたんですが!? え、早!?


「ぬおぁ!?」


 ぷしゅっと何かが来た、と思ったので避けたら、すぐ傍にたらりと無数の糸が放出されてきた。

 遅れていたら確実に捕まってたな今の。


「ツチノコさん、アイネさん、メリーさん、妖精さん、ユウ、オニグモに有効そうな攻撃持ってない?」


 ツチノコさんでは無理だろう。メリーさんも近距離タイプだ。ユウもレーザー銃は苦手みたいだし……妖精さんのフェアリーマジックでなんとか出来ない? 無理? ですよねー。


「ヒロキ、やってみる」


「アイネさん!? だ、大丈夫なの?」


「糸は見えてる。空中は庭。とりあえず地面に落とす。その先はお願い」


 成る程、地面に落下してきたら俺らで囲んでフルボッコだ。

 頼んだアイネさん!

 アイネさんがダメそうなら下手な鉄砲数う撃ちゃ当るってな。レーザー銃ひたすら撃ちまくるしかねぇ。


 アイネさんがゆっくりと上昇していく。

 おお、まさに蜂怪人。じゃなかった蜂型宇宙人。

 アイネさんは無数に吐きだされる糸を軽々避け、接近を試みる。


 オニグモも接近はされたくないと必死に抵抗するが、空を自由に動け、糸の配置も丸見えなアイネさんには当らない。

 かなり接近されたことで焦りだしたな。

 だが、糸はアイネさんには巻き付かない。

 その内、接近を許したオニグモの腹部分に思い切り、アイネさんは尻尾と思しき黒と黄色の縞模様のお尻? 尻尾? から飛びだした極太針を突き刺した。


 うっわ、マジで蜂宇宙人じゃん!?

 絶対に蜂から進化したでしょアイネさん。

 尻尾からの毒針攻撃を受けたオニグモは悲鳴を上げながら落下しはじめる。

 もはや尻から糸を吐くことすら忘れて、オニグモはかなり高い位置から地面にまっさかさまに激突。

 いくつか足が落下の衝撃で折れ、顔面も押し潰されて見るも無残。

 さらに動きが悪くなり、その場から移動すら出来なくなったようだ。

 つまり、フルボッコの時間だ!

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