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181.買い揃えましょう

 翌日。気合を入れ直して今回の動画を編集してチューブに乗せた後、俺はすぐさまゲーム内へとダイブした。

 本日の用事は水着の購入と開かずの間を復活させてテイムすることだ。

 やり方は知らないので輝君に尋ねるのと、古本屋でソレっぽいの探すくらいかな。

 一応開かずの間も水着になるかもってことでまずは輝君に尋ねることにした。

 昨日と同じ面子で出かけ、小学校にやってくる。


 ユウ達にはできるだけ遭わないようにしないとな。

 今会うとなんか面倒な事になりそうだし。

 マイネさんもいるから互いに会うの微妙そうだろうし。


「とか言い訳してるけど、七不思議一緒に行こうぜっていいながら勝手にクリアしてた事が後ろめたいのよ」


「なるほどなぁ。バッカじゃねぇの?」


 はい、速攻出会って二人が意気投合しております。

 どうしてこうなった?


『ユウ、今日はどうするの?』


「毎日暇だしな。今日はヒバリもヨシキもいないんだよ、どうせだし着いてくぜ。で、今日は何すんの?」


「その内行く温水プール用の水着を買うのと、昨日の戦いで倒しちゃった開かずの間を復活させてテイムするための方法を今から輝に聞きに行くとこ。私も昨日のことはちょっと責任あるしね。今日は一緒して開かずの間復活手伝おうと思って。あとこいつ私を放置して正義の味方とプールで遊ぼうとしてやがったから放置しとくのがちょっとね」


「コイツ結構暴走することあるもんな」


 なんでこんな意気投合してんだこの二人は?

 一人ネカマ居るんですよマイネさん、ソイツ女じゃないですからっ。


 開かずの間の教室へと辿りつく。

 輝君はいつもそこに座っている。

 俺達に気付くとやぁっと手を上げて……


「おー、やっぱ来おったな坊主」


「何してんだ人面犬――――ッ!?」


 一升瓶ラッパ飲みしながら輝君の机を椅子代わりにしているおっさん犬がそこに居た。

 輝君苦笑いしてるじゃん!


「おっちゃんがおったらあかんのかいな。別にえーやろ。おっちゃんはただの犬や。なー、ボン」


「あはは。犬臭いからどっか行ってほしいなァ」


「ひどっ!?」


「ここに来たってことは一日経って怒りが収まったから開かずの間を復活させよう、ってことでいいのかな?」


「馬鹿な!? 俺の思考回路が輝君に読まれた!?」


「いや、この位は推測でできるからね」


 プレイヤーの思考回路すら読んでくるAIとは……

 輝、何でも知ってる説明士。恐ろしい男だよあんた。


「さて、方法は結構簡単だよ。開かずの間にとって印象深い場所に御魂を置いて呪文を唱えるだけ。呪文は僕が知ってるから、ヒロキ君がやるのはそこのロッカーに御魂を置く事かな。あと呪物は残ってる? 一緒にロッカー入れちゃって」


「ああ、コトリさんが凄く欲しそうだったけど、ハナコさんに止められたから持ったままだよ、もう一つの解放の呪宝はいいの?」


「それは鍵のかかった部屋とかを開けるアイテムだから持っといた方がいいよ。どっかで使うんだろうし」


 なるほど。ホントにどこでも開けるのか。呪宝ってすげぇな。

 言われるままに掃除用ロッカーへと御魂と呪いを置きに行く。取り出す必要無くロッカーを選択すればいいらしい。呪われなくてよかった。

 輝君が呪文を唱え出す。

 うわ。何言ってるか全く分からん。こりゃ自分で唱えるのは無理だわ。


 しばらく呪文が続いていると、徐々に御魂が形を取り始める。

 最初こそ人魂って感じの姿だったのが、ぐるぐると渦巻き人型へと姿を変え始める。

 そして、おっちゃん犬が一升瓶をラッパ飲みする音だけが響く。


「かぁーっ、他人の金で呑む酒はうめぇ!」


 ぶん殴るぞテメェ。


「お、すげぇ、女の子になった」


「開かずの間ってあんな姿してたのね。可愛いじゃない」


 勝気な瞳と赤い髪……の少女だったはずだけど、なんか出現と同時に泣きだした。

 えーんえーんと幼女が両目を手で隠すように、勝気な姿は微塵もない。

 ポニーテールの髪は逆立つのを止めたようでへにゃんっと下に向って垂れている。

 もしかしてだけどテンションによって浮き上がるのだろうか?


 服装はあの時は赤い和服に見えたんだけど、どうやら黒い和服に炎をちりばめた着物だったようだ。

 改めて見ると刺繍が細かい。技モノの一点だ。


『開かずの間の怪、恐かったね。ごめんねウチのヒロキが』


「うぅ、テイムされるって言ったのにぃ。私テイムされるって言ったもん。言ったのぉふぇぇ……」


 なんか、ハナコさんと開かずの間が抱き合ってるんだけど、意外と仲良しなのだろうか? ハナコさんのよしよし良いなァ。俺もされたい。

 二人仲良しだったなら倒したのは悪いことしたなぁ、いやでも開かずの間はハナコさんを倒した訳だし、でもハナコさんは許すって言ってる訳だし、あああ、俺はどうしたら!!?


「テケテケ、なんか後ろでヒロキが頭抱えて悶絶しだしたんだけど」


「芽里ちゃん見たらダメよ。自分の外道さに気付いて自己嫌悪してるんだから」


 違うよテケテケさん!? なんかいろいろ間違ってる!! でも悶絶してるのは確かだから反論できねぇ!

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― 新着の感想 ―
[気になる点] ハナコさんに謝らせてるのに、謝らずにどうすればよいか悩んでるのを鑑みるに、ヒロキンは現実だと小学生くらいかな? 少なくとも社会人ではないのは精神年齢的に確定だろうし
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