173.行くか七不思議
「んじゃー、直近の目的はこんな感じで」
七不思議見ていく 今日の夜間
水着買いに行く マイネさんの水着とユウキさん、サユキさん、妖精さんの水着も購入
遊園地チケット 皆で休息
廃病院でレベル上げ
第二回イベントに参加
んで、いつでもやってるのがスレイさんの改造計画。
アイテムの因子渡したら小躍りしていらっしゃった。
これはもう告知も勝手にしてるみたいだからやる意味もないし、放置でよさそうだ。
正義の味方に行きすぎ行為がないかだけ見てて貰おう。
いつでも出来るのが、都市伝説探し、幻想生物巡りの二つ。
大会とか期限があるけど訓練系なのが虫相撲大会、ディーネさんのアイドルデビュー
いつでも行けるのがプール。個別デートの二つ。
情報が全く無いのが、アイネさんのお仲間探し、ルースさんを天界へ帰す、妖精さんを妖精郷に帰す。
と、まぁ今のところこんな区分けになるかな。
「つーわけで、夜間になりました」
話し合いを終えた俺達は一度仮眠を取って夜まで待った。
んで、夜の学校を前に、一度集まって覚悟を確認することにしたのである。
今回参加してくれるのは、ハナコさん、テケテケさん、ツチノコさん、稲荷さん、ディーネさん、アイネさん、ルースルスさん、芽里さん、妖精さん、コトリさん
ネネコさんはタヂさんと相撲、スレイさんとカルカさんは改造待ち、ユウキさんとサユキさんはわざわざ怖い場所行きたくないから、とお留守番だ。
代わりに、マイネさんが参加してくれた。
グレートマンさんやキカンダーさんは作戦会議するとかで断られました。あれは多分幽霊が怖いんだな。ちょっと震えてたみたいだし。
「はー、夜の学校、何度か来たけどやっぱ貫禄あるわぁ」
『ふふ、私達の本拠地だもの』
「此処来るとなんかやる気が溢れるのよね。ホームだからかしら?」
「何がホームだ畜生共が。勝手に役職抜け出しといてよく言えるな」
ん? 何だ今のおっさんの声……あ。
門の隅っこで煙草を吹かせている人面犬が胡坐座りしていた。
やる気無いおっさんって姿の人面犬は、ハァと溜息を吐く。
「よぉ坊主。番犬に一匹人面犬はどうだい? ちょいとえっちぃ犬だが防犯は完ぺきだぜ」
「遠慮します。ウチ女の子多いんで」
エッチィ犬というか顔がおっさんの時点でアウトだろ。
「チッ、だろうな。ったくなんでこんな容姿で作ってくれやがったんだろうな運営はよぉ。おい坊主、酒持ってねぇか酒、飲まねぇとやってらんねぇぜ」
「いや、俺の姿見ろよ小学生だろ」
「売店で買えんだろ。知り合った誼で奢ってくれよ」
なんだこの厚かましいおっさん犬は。
俺は思わず皆を見る。
「知り合いでもない駄犬に酒を驕るのはねぇ」
「あ、でもヒロキンさん、これイベントなのかも?」
「ああ、その可能性はあるか」
仕方ないので人面犬を引きつれ校舎へと向う。
売店でお酒買ってやることにしたよ。
まったくお人よしだなぁ俺ってば。イベント報酬なんだろうかー。
「最初に夜の学校来た時はあの先生幽霊に焦ったもんだけど、今となっちゃなぁ」
拳でワンパンできるから脅威でも何でもなくなってしまった。
「あ、見て見てヒロちゃん。おねーさんが闊歩してる!」
徘徊型だからテケテケさんと遭遇するのは分かってたけども。
「け? ケケケケケケッ」
「ヤクザキーック、あ」
こっちに気付いた瞬間襲ってきたから思わず攻撃。
テケテケさんの顔面に靴底がめり込んだ。
「ぎゃーっ!? 私の顔がぁぁぁ!? 首が吹っ飛んだぁ!?」
「やっべ、威力高過ぎた!?」
レベルって確か36とか8とかだったよな。
え、一撃?
あ、そっかスキル全部使えるから霊撃と霊打となんかいろいろ乗ってさらに幸運の御蔭でクリティカルヒットしちゃったらしい。
部位破壊が入ってしまったようだ。
「テケテケさんの本人が仲間になったことで能力ダウンしてたのも一因でしょうね」
あ、そっか、ボス系は一度倒すとクラスダウンするんだっけ。
とりあえず、まずは購買に向って、購買に居た輝君に挨拶してお酒を買う。
未成年はダメだよ? と言ってくる輝君にこいつのだ、と人面犬を抱え上げてやると、めっちゃ尻尾振って顔に当たって嫌だった。
せめて顔は美少女であってくれ。
そんなおっさん犬は一升瓶を手に入れご満悦である。
「ぶはっ! いやー最高。言ってみるもんだなぁ、うはは」
……俺はマイネさんを無言で見る。
マイネさんはさっと視線を逸らした。
どうやら、イベントは起こらず彼からアイテムを貰うなんてことはなかったようだ。
一升瓶、買い損だよ。
「ぷはー。いやー、ほんとうめぇ。おいちゃん惚れちまうぜぇ坊主」
「うっせ」
「まぁなんだ、この礼はいつか必ず返すからよ、期待はせずに待ってろや」
期待せずにってもはや完全に返す気無いだろ。




