162.妻です、よろしくおねがいします
「と、いうわけで味方になりました」
「ヒロキさんの妻、コトリです。側室の皆さまコンニチワ」
「おいダーリン、なんか初手から高圧的だぞコイツ!?」
「うわぁ、コトリバコ味方にするとかおねーさん想定外だわぁ」
『でもヒロキならやりそうって思ってたのも事実なんだよね』
皆さんご理解あるようで嬉しい限りですね。
というかコトリさんレベル一番高いからってゴリ押しはダメだぞ。
「むぅ、でも……」
「せっかくだから仲良く行こう。俺としては皆が楽しく過ごしてくれる方が嬉しいし。コトリさんも生前体験できなかったこと……ってこの世界だと生前はないのか?」
「ふふ、まるで元人間の扱いじゃのぅ。この世界をリアルに考えておる時があるのは儂らとしてはうれしいが、あまりのめり込み過ぎるでないぞヒロキ」
「お、おぅすまん」
「あと、コトリさんをワシの神社まで一度連れてきておくれ、ちょっと上には上がいると知らせておいた方が良さそうじゃ」
「え? 呪いとか大丈夫?」
「神には効かんわい」
マジか!?
コトリさんに意外な弱点発覚だ。
コトリさんが暴走したら神々が潰しに来るかもしれないなぁ。
そんなイベントは起こしたくないから鼻っ柱折るのは賛成かなぁ。
じゃあ、早急に稲荷さんの神社に連れて行こう。
「別にそんなことしなくても自分の状況は理解してるわ。初対面は最初が肝心っていうもの、私はヒロキの妻になりたい。ソレをしっかりとライバルに告げてるだけです」
おおぅ。つまり、仲良くする気はちゃんとある、と?
「それより、ここは不思議な場所ですね」
まぁUFOの中だからなぁ。
未知の金属で出来た壁とか照明とか気になるのかもしれない。
「そもそも、多種な女性陣が集まり過ぎでしょう」
「おらもそれは思った」
ネネコさんはそういうこと考えてもないと思ってたよ。
「コトリさんに関しては私達が今までの話とかしておけばいいのだろう? それで、我が主殿はこれからどうするつもりだ?」
「とりあえずもう夜も近いから今日は一旦ログアウトだね」
その後はどうするか?
「そろそろ七不思議攻略していこうか。まずは自分ところの学校」
『あら、ついに行く事にしたのね。そういうことならいつでも付いて行く用意は出来てるわよ』
「おねーさんもいつでもオッケーよ」
七不思議探索ということもあって、幽霊組は乗り気だ。
ただ、やはりスレイさん達は自分のやりたい事を優先するらしい。
まぁ怪人組は幽霊系に弱いみたいだし、タヂさんをしばらく独占してたせいでネネコさんが相撲出来なくてストレス溜まってたみたいだからなぁ。
よし、とりあえず七不思議を突破したら皆と一度慰安旅行といくか。
幸いチケットはすでにあるし、遊園地にご招待、だね。
んで、その後は廃病院でレベル上げ、かな。
とりあえずこれだけやっとけば大会イベントで全員個人出場も夢じゃないだろう。
むしろ優勝はコトリさん一択になりそうなんだけど、レベル一人突出しすぎだしなぁ、さすがに大会投入は酷いか。エキシビジョンマッチで出場、くらいがちょうどいいかもしれない。
さすがにこれ以上ヘイトを一身に集めると俺の命がヤバ過ぎる。
いくらコトリさんという凶悪なカードを手に入れたところで、ダイレクトアタックされればそのまま誰かにコトリさんたちを奪われる可能性がある。
万一は想定したくないけれど、可能性がある以上闇打ちされるのは避けたい。
そうだな。ここから先は悪意とか察知するスキルを優先的に取り入れたほうがいいか。
ネット調べて自力で取れるスキルがあるなら取得も目指してみるかなぁ。
さて、そんじゃ七不思議イベントの為に、夜になるまでに下準備整えとくか。
そういえば夜の学校、ユウ達も行きたいって言ってたな。
ヒバリもやる気出してるみたいだし、ちょっと声を掛けとくか。
掛けとかないと、それはそれで煩そうだし。
まぁ断られたら断られたってことで。
んじゃま連絡っと。近日の夜中、ゲーム内の時間な。
そこで七不思議探索しようと思うんだが、参加するかー? っと。
とりあえず文面はこんな感じか。んじゃ、メール送信。
あとログアウト前にやることってあったかな?
ああ、そうだった。コトリさんの部屋造らないと。
コトリさん、何処がいい? え、俺の部屋?
さすがにそれは垢BAN危機だから運営さんに許可貰って下さい。
すげぇ、即座に電話掛け始めた。
コトリさんの行動力がヤバ過ぎる。
外堀埋められてないか俺?
なんかもう子作りしましょうね感が隠されてないんだけど、運営さん、俺どうしたらいいっすか? 処分はさすがにやめてほしいんだけど!?
あ、めっちゃ抗議し始めた。
これはAI系運営さん達が同じ部屋に住む事に許可与えなかったらしいな。
ひとまず安心はできそうだ。




