表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

152/1104

151.輝君は物知り

「と、言う訳で聞きに来ました」


「何でもかんでも僕に聞くのはどうなのかな? まぁそれが使命だから伝えるけどさ」


 さすがにいろいろ質問し過ぎたか。

 本日もいろいろ輝君に聞きに来たんだけど、正直人気のある所で聞くのがなんか面倒そうで、ついつい開かずの間に居る輝君に尋ねる事になってしまった。


「えーっととりあえずこの遊園地チケットで行ける場所がどこか分からないから聞こうかな。と。あとプールの場所とか海とかあれば教えてほしいかな。あと天使を召喚したんだけど、この天使送還方法知らないらしくて、送還方法とかわからないかな?」


 しかし、この開かずの間、教室と同じように机や椅子が配置されててそこに一人だけ輝君が座ってるからホラー感が半端無いなぁ。

 って、芽里さん、黒板に何してるの? 赤いチョークでタスケテってなんかヤバそうなんだけど!?


「あは、じゃあディーナは謎の液体ここに垂らしちゃおー」


 余計にホラー感が増えた!?


「そうだね、まずは遊園地だけど、場所を送るよ。これでマップ選択から行けるはずだよ」


 おお、マジか、マップ選択肢に遊園地が出て来た。

 プールは市民プールと学校のプールが表示されたな、そっか学校にもプールあったな。

 怪談で使われそうなプールだけど。


 お、待てよ。こっちのプールはアトラクション付きの遊園地っぽい温水プールだな。

 ここにしよう。ここなら皆喜びそうだ。

 あとは水着か。どうせ杖取りに行くためにも鍛冶屋に行くし、水着作れるか聞いてみよう。


「それから、天使の召喚だっけ? 召喚の書を使ったのなら願いを叶えればすぐに帰るよ? それが帰れてないなら恐らくまだ願いがかなってないんじゃないかな?」


「え? でもお願いしたのはアドレスの交換なんだけど? すぐ終わったし」


「本当に? ちゃんと前後の会話思い出してみて。」


 ある程度だけど、関係在りそうなのは……


『じゃー、とりあえず、メアド交換とか?』

『ボクと電話繋がるようにしてほしい、ってことっすか。えーっとこれっすね』


 こういうやりとりで連絡出来るようにしたはずだ。

 で、終わった後は……


『えっと、これで終わりっすか?』

『まぁ、今回は終わりかなぁ』


 で、その後帰ろうとしたけど帰れなかったんだよな。


『とりあえず、帰り方が分かるまでウチにいな』

『い、いいんっすか!?』

『まぁこの家部屋は余ってるし?』

『じゃ。じゃあ是非にお願いするっす!』


 で、


 ―― ルースルスがルームシェアしたそうにしている。下宿させますか? ――

 

「といった流れでテイム状態になったんだけど?」


「あー、うん。じゃあ結論をいうとね。帰れなくなってるね」


「えぇ!? ボク帰れないっすか!?」


「うん。というか、テイムしちゃってるから帰れなくなってる、が正解だね。今の流れからすると、天使さんへの願いは願いじゃ無くて交渉段階になっていたみたいだね。対価も貰ってないみたいだし、願いと言うほどの願いでもなかったから連絡先交換が願いじゃなくてその次が願いとして受理されたんじゃないかな? ようするに『とりあえず、帰り方が分かるまでウチにいな』これが願いだね」


「はい?」


「つまりね。彼女への願いは彼女が天界に帰るまでの間、帰り方が分かるまでヒロキ君の家にいろっていう命令。それを引き受けちゃってるから、天使さんが帰るには帰り方が分かるまでヒロキ君の家にいなきゃいけないわけ。で、その過程でテイムしちゃったでしょ。テイムしたキャラはヒロキ君の家で暮らさないといけないからね。天界に帰る選択肢は無いんだ。死んだとしても教会で蘇生可能だし、全滅した時は家で全員復活だし、戦闘不能だけなら一日経ったら家に戻ってくるんだけど、他の要因でテイムされた存在がテイムを解除することは基本不可能なんだよね。まぁ、他の人に再テイムされたりとか、イベントで消滅したりなどで居なくなったりした時は別だけどね」


 イベントで居なくなるってのは芽里さんで体験したけど、さすがに再テイムは体験したくないな。もしもハナコさんが他の誰かに再テイムとかされたら、立ち直れないかもしれない。


「つ、つまり、願い事叶える前だったってことっすか。しかもテイムされたからもう帰れない!?」


「まぁ他にも天界に行く方法はあるはずだからそれがイベントになるかな。さすがにその辺りは説明できないけど」


「まぁ帰る方法があるってことなら、またその内天界に向える事を祈ろうルースさん」


「うぅ、自分がミスしたせいで帰るタイミング逃してたっすかぁ。ボクのお馬鹿ぁーっ」


 あーあ泣き出しちゃった。


「あれ? なんで僕が悪者みたいな感じになってるの!?」


 とりあえず、忘れないうちに鍛冶屋に行っとこうか。

 俺達は戸惑う輝君に別れを告げて裏鍛冶屋街へと向かうのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] もう輝君を一人家に持ち帰りしません? 一家に一輝
[一言] そんなバグ技みたいな
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ