150.第二回イベントご案内
「おっはよーぅ」
「うぅ、ひっく。ひどいっす、ひどいっすぅ」
なんだ、これ?
居間にやってくると、なんかルースさんが泣いていた。
乙女座りしてよよよ。とか言いながら泣き崩れていた。
ご丁寧にハンカチ咬んでるのはなんでだろうな。フリかな?
「何があったの?」
『あ、ヒロキ。あのね、見知らぬ子が居たから声を掛けたんだけど、幽霊初めて見るとかで驚いて攻撃しようとしてきたの』
「で、ツチノコさんがそれを見付けて体当たりしてね。転がった先にテケテケさんドアップで気絶した訳よ」
「仕方ないからベッドに寝かせておこうと思ったんだけど、一番近い部屋がスレイの部屋でさ、寝台に寝かしたら、あそこ手術台だって。スレイさんが改造しようとしたところで目覚めて大声で泣き叫んでね。正義の味方が飛んできてスレイさんとカルカさんがいま怒られてる。私が理由話したから誤解は解けたみたいだけど」
なんか、知らないうちに大事になっていたらしい。
やっぱりネネコさんだけじゃなく他の皆にも紹介しておくべきだったか。
まぁ、完全に改造されたり死んだりしてなくて良かったよ。
あとハナコさんが無事だったなら俺から言うべきことは何もない、かな。
「えーっと一応紹介するね。彼女はルースルスさん。天使見習いらしい」
『天使? あー、もしかして召喚の書使ったの?』
「そう、ランダム召喚だったから、ルースさんが召喚されたんだ」
「あら? でもランダム召喚で天使見習いってことは、スカ引いた?」
「あー、確かに、ヒロキにしちゃ珍しくスカかも?」
「うぅ、皆さんがボクのことスカって言うぅ」
あああ、皆の心ない言葉の刃がルースさんにグサグサ刺さって行く!?
「い、いいじゃないか、天使見習い。これからの成長余地があるんだし!」
「まぁ、そういう考えはあるだろうけど、幸運スキル持ちなんだし、大天使辺り引いてもおかしくなかったかなぁ、とおねーさん思うワケ」
「ヒロキの場合幸運なだけじゃなくラッキースケベ持ちだしねぇ」
「おら、よくわかんねぇだが、見習いは外れだべなぁ」
「ワタシもよくわからない、でもはずれ?」
「み、皆よくわからないのにこき下ろさない。ルースさんだって生きてるんだよ!?」
「ふえぇ、フォローされたはずなのにけなされた気がするっすぅぅぅっ!?」
あれぇ、おかしいな。そんなつもりはなかったのに。
「しっかし、目を放した一瞬でまた一人ハーレム要員を確保するとは、おねーさんでも想像すらできなかったわ」
「召喚の書使ったわけだし、可能性は既にあったわよね」
『それよりヒロキ、今日はどうするの?』
「とりあえずプールの場所確認かなぁ。あと遊園地も、輝君に聞けば分かると思うから、場所を覚えてしまえばいつでも行けるしね。あとは……その時々かなぁ。今日はちょっとぶらつく程度で終わろうかなって思ってる」
「そういえば誰かプール行きたいとか行ってたわね」
「おらだべや」
「プールは塩素入ってるからあんまり好きじゃないのよねーマネージャーさん、私は入らないからね」
「ディーネさんはまぁ入らなくても近場に居ればいいのでは?」
「プールサイドで椅子にでも座ってるわ」
とりあえず、全員の時間が空いた時に遊びに行けばいいから、それまでに場所の確保と入り方とかを確認すべきだな。
―― 運営よりメールが届きました ――
ん?
何か来た?
えーっと。
―― プレイヤーの皆さま、いかがお過ごしでしょうか? ほのぼの日常オンラインの運営です。このたび第二回イベントの告知を行うべく、皆様にメールを送らせていただきました ――
おお、もう第二回イベントすんのか。
まだ殆ど日が経ってないのに?
―― 第二回イベントは武闘大会となります。個人同士の武力を競い、第一回武闘大会優勝を目指してみてください ――
武闘大会!?
詳細は……マジか。すげぇ、これNPCでも参加できるっぽい。
えーっと禁止項目は、アイテムボックスや回復スキルの禁止か。
それってヒーラー全否定じゃね?
それともヒーラーはヒーラーで何かしら攻撃手段あるのかな?
そういえばなんかどっかのゲームであったな。過剰回復で相手を破裂させる極悪魔法。
時期的にはまだ時間があるな。とりあえず事前告知しておいて二週間ほどの間にレベル上げとか新スキル開花を目指せってことだろう。
NPCが戦えるなら皆の個別参加出来るみたいだし。
HP全損しても戦闘不能になるだけで実際に死ぬわけじゃないならハナコさんとかも単体で出ても問題なさそうだな。
レベル的には一般プレイヤー太刀打ちできなさそうだけど、未知なるモノさんとか普通に勝ちそうだしな……あ、禁止事項に相手選手の捕食とか入ってる。コレ絶対未知なるモノさん対策だ。
 




