136.正義の味方ギルド完成
「うむ、こんなところか」
キカンダーさんが満足げにうなずく。ついさっき電話していたのはなんだろうか、と思ったんだけど、なんかアルセーヌ撃破に関わってた正義の味方チームが続々やって来たんだけど?
この部屋広いとはいえ、5チームと俺達のパーティー全員が集まると結構狭くなる。
さすがにテーブル置くのはスペースの無駄になりそうだったのでキカンダーさんのお願いで椅子だけを随所に配置。
正面にはスクリーンを用意して、プロジェクターでパソコン画面等を映せるようにさせられた。
部屋整えるのはモニタールームからある程度作れるみたいだから意外と楽に出来たけど、なんかここだけ完全な作戦会議室になっちゃったなぁ。
その一角に受付みたいなカウンターまで用意してやってきた正義の味方達の名簿を作っているマイネさんがいる。
「キカンダーさんキカンダーさん、また凄い場所を作ったねー」
「大きな場所には正義の味方が集まる機関はあるのだが、この近辺には無いからな。アルセーヌが潰れてしばらくは落ち付くだろうが周辺の秘密結社たちがこの地を求めて侵略してくる可能性が高い。その場合我々も連携を取れていた方がいいと思っていたんだ」
「ヒロキ君だっけ、わざわざ家の部屋私達に貸してくれてありがとー」
「い、いえ。部屋は余ってましたので、あの、サイン下さいっ」
「いいよー。ミドプリちゃんだよーっと」
「こら、あんただけじゃなくて私達全員のサインでしょ、真ん中に書いてどーすんのよ!?」
「あ、ミドちゃん酷い、私が端っこに追いやられてるッ」
「はいはい、とりあえずこんな感じでいいかしらヒロキ君?」
「ありがとうございますッ」
近場に居た正義の味方、四人はプリピュアという赤、青、黄色、緑の少女四人組からサイン色紙を受け取りご挨拶。
ちなみにマイネさんは受付の際にサインも貰っていた。
「おー、ここか。また凄い場所みっけたなー」
「UFO模した家とか初めて見たわ」
次にやって来たのはカイセイジャーの五人組だ。
挨拶ついでに色紙を書いて貰う。
この色紙はトロフィールームに飾っておこう。
「カイセイジャーさんだっけ、私達はプリピュアです。あらためて、初めまして」
「ああ、近場の戦場だけど、キカンダーを間に挟んでいるからなかなか会わないからね。はじめまして皆。秘密結社クモリエルと闘ってるカイセイジャーだ。クモリエルがこの近辺に侵略を開始するなら共闘することもあるだろう。それにこれからは相互に手伝いがあればと思う。よろしくな」
二つの正義の味方チームが握手を交わす。
マイネさんが口元押さえて感涙していらっしゃる。
「と、尊い。ヒロキンさん、推しが、推しが尊いです」
「ジャンルを越えて手を取り合う正義の味方、いいっすね」
二人して感動していると、また誰かやってきた。
おっと、この人は確か、孤高のロンリーウルフって誰かが言ってた背中にバイオリンしょってるオジサンだ。
「よォ、あんま人が多い場所は好きじゃねぇんだが、悪を倒す同士が集まるというから来たぜ?」
「赫金の銃神ジェイク殿、再び会えてうれしいよ。今は知り合った全ての正義の味方を呼んでいるので多いかもしれないが普段はほぼ集まることは無いだろう。情報共有も何かしらメモなどでやり取りを考えている。今回は忌憚ない意見を貰えると助かるよ」
「ああ。キカンダー。アルセーヌ撃破おめでとう。つってもその首領がすぐ横にいるんだが、喜んでいいんだよな?」
「私は気にしなくてもいいぞ。今は社会復帰向けてこのヒロキの家に同居させて貰っている一般人だ」
カルカさんの姿で一般人はだいぶ無理があると思います。
どう見ても首領か女幹部の恰好だ。
あと、ハイレグスーツはかなりきわどいと思います。変えた方がいいと思うんだけど、なんかこれは矜持の問題だ。といって取り合ってくれません。
まぁウチにはハイレグ首領以上に全裸河童がいらっしゃいますから服装変えろとも言いづらいし。結局ネネコさんは常時ビキニ水着着て貰うことで落ち付いた。これ以上の露出はヤバそうだし、これ以上着込むとネネコさんが落ち付かなくなって突然全部脱ぎ散らかすようになるから、お互いの主張の着地点としてはビキニ水着が一番問題の無いラインだったのである。
「やぁ、もう皆集まってるみたいだね」
「俺達が最後か。何とも不思議な会合場所ができたもんだ」
そして残った二チームが同時にやってきた。
なんでも北側と北西側の助っ人らしい。
えーっと、西がプリピュアさんで東がカイセイジャー? ということはジェイクさんが南の援軍に来たのか。
いや、一人で援軍に来て持ち直すって。この人が一番強いのでは!? さすが銃神と呼ばれるだけはある、のだろうか?
ちなみに、ちゃんとサイン色紙は書いて貰えた。




