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132.滅びた結社は遺跡と同じ

 それからいくつかの部屋を回って資料やらよくわからない品物、家具などを回収していった。

 正直自動販売機は入るのか? と思ったけど普通に入ったよ。

 それに気付いたスレイさんが手術台まで回収させようとするし。出来ちゃったけども。


「なんというか、ヒロキ君の家に秘密結社が引っ越しただけにならないか今から心配なんだが?」


「俺もさすがに心配になってくるなぁ、さすがにそんなことにはならないと信じたいけど。とりあえず暴走したら止めるんでそん時は他の正義の味方共々よろしくお願いしてもいいですかね?」


「君の信頼を裏切るのならそのくらいが適当か。次は容赦しないが?」


「俺も多分そんときは容赦しないと思います。ハナコさんが敵にならない限り」


『あはは。そんなことでヒロキの敵にはならないわよ。私だってスレイさんたちがやらかすようなら倒す派に賛成だし』


「ちょぉい!? さっきから我が裏切る前提で話をするのをやめんか! 我がダーリンを裏切る訳ないだろーっ」


「はいはい、落ち付け妹よ。ヒロキよ、これで我が結社のほとんどがお前のアイテムボックスの中に収まった。次は私の元居た秘密結社だが、年数が経っているのでまだ宝物があるかどうか不明だぞ?」


「それでも行ってみたいんだろ。モノのついでだし、行こうぜ」


「そうそう、せっかくだから見に行こう。ね、キカンダーさん」


「うむ。ところでマイネ君。君は何か回収できたのかい?」


「はい、正義の味方の遺品をいくつか、あと正義の味方関連の情報資料ですね」


「情報資料?」


「我がアルセーヌと敵対するだろう正義の味方について情報分析した資料だ。キカンダーの分も存在するぞ?」


「あ、これですよ」


「ふむ……うぐっ。意外と的を射ているじゃないか。しかも私自身気付いていなかった弱点までっ」


「敵対者を倒すために研究するのは当然だろう。とはいえ、ここまで分かったのはごく最近。専用の怪人を作る前に妹が逃げだし、私もこうして負けてしまったがな」


 ってことはまだスレイさんが逃げたりせずコチョコチョ刑を喰らってればキカンダーさん殺しになりそうな怪人が生まれてたってことか。

 それに気付いたキカンダーさんが何とも言えない顔をしている。


「とりあえず、もう一つの秘密結社に行くか。近いのかい?」


「うむ。この町にあるぞ。あそこが壊滅してこの付近の縄張りが空いたので私が収まっていただけだからな」


「となると、また新しい秘密結社がこの町に攻め込んでくる可能性があるのか?」


 イタチゴッコだなぁ。

 まぁそれでも正義の味方が諦める気はないんだろうけど。


「んじゃ、カルカさん、案内お願いしていいです?」


「まかせよ。我が主よ」


 そこからまた、カルカさんに付いて俺達はぞろぞろと歩いて行く。

 アルセーヌ基地から抜け出し、街中を横切り、どこかの山へと辿りつく。

 こっちは、メレオン星人に出会った山か。


「ここから向えるぞ」


 森の一角、巨大な岩のすぐ隣に隠されたスイッチを使い、秘密の通路を起動させる。


「結構な罠がまだ作動中のはずだ。気を付けてくれ」


 通路に入ると、黄色に輝くメタリックな通路だった。

 人が二人くらい歩ける広さと3メートルほどの天井。

 不思議な空気のある秘密の通路を、俺達は進んで行く。


「ここの技術力は高いな」


「キカンダーさんそういうの分かるんです?」


「ああ、ここに使われているのはアルマタイト鉱石だ。深海に存在する鉱石で加工に向かないほど硬い鉱石なんだが……随分と大量に使われてるな」


 つまり、この通路を壊せばアルマタイト鉱石が採取し放題か。


「ヒロキ、アルマタイト採取し放題、とか考えてるのは良いけどさぁ、これ、採取できんの?」


 今は出来ない。アルマタイトを採取できる採取道具を手に入れてからだな。場所は覚えたからその内来よう、って話さ。


「ふふ、アルマタイト鉱石を手に入れるためにアルマタイト鉱石のツルハシが必要になるのね」


「ダメじゃん!?」


 キカンダーさん、メリーさんがイジめます。


「ふむ、あの辺りに扉があるな」


「まずは最初の部屋ですね。行ってみましょう」


 あれ? 俺のこと無視ですか?


「扉を開くときは気を付けておけキカンダー。変なトラップがあるかもしれないぞ」


「分かっているさ」


「そうそう、いざとなったらマンホールあるし」


 マンホールへのその信頼はなんなんです?

 と、キカンダーさんが扉を開いた瞬間だった。

 何かがキカンダーさん向けて飛んでくる。

 咄嗟に反応したマイネさんが差し伸べたマンホールが盾代わりになって飛んで来たものを弾く。


「大丈夫キカンダーさん」


「ああ。すまない。さすがに今のは油断だった」


 部屋は薄暗く、内部にきちきちと動く機械音。

 アレは……侵入者用の迎撃機械!? そんなのいるのか。


「残念、アルマタイト製かと思ったけど普通に鉄製だったな」


「アルマタイトだったら傷一つ着けられないと思うんだが?」


 まぁ、雑魚でよかったよ。マンホールが投げつけられ、頭がへこんだ機械がスパークして機能停止する。

 一撃必殺マンホール唐竹割りってか。なんつー危険な一撃だ。

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― 新着の感想 ―
[一言] いっそう新しい勢力を作って、街を占領しましょう? 普通に部下を募集して、改造しよう? ヒロキなら出来る、小学のNPCだけでも正義の怪人が組める!
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