1133.天界裁判22
「それでヒロキよ。メタトロンの罰に関してだが、これだけ、という訳には行くまい?」
「そりゃそうでしょミカエルさん。俺としても罰の一部を恩赦にしては? と提案しただけにすぎませんし。とはいえ、半分くらいは罰を軽くしてもいいかとは思いますよ、戻って来た人数的にも」
「だよなぁ。さっきも四人で相談してみたんだがな。罪を半分にしても、だ。堕天相当は確定じゃないかという判断だ」
マジか!?
「それだけ重罪だってのは堕天した天使たちを見た後だ。理解はできるだろう。戻りたかった堕天使たちもいただろうが、罪を重ねてしまったせいで戻ることも出来なかった。だが、彼らは初めから罪を重ねた訳ではない。メタトロンの審判により堕天させられたことで罪を重ねた結果、取り返しがつかない状況になったのだ。神の使徒である天使たちを己の正義で断罪した結果戻すことすらできなくなった。これはあまりにも過ぎる罪だ」
メタトロンもすでに観念しているらしい。
しかし、小ヤハウェとすら言われたメタトロンがゲームとはいえ堕天させられるってのはさすがにどうかな。
「アナフィエルさん。原告側より罰についての提案があります」
「ふむ。いいだろう。提案を告げよ」
「我々下界の者はもう間もなく来るだろうイベントがございます。ドール襲撃イベントというのですが、これにメタトロンが参戦するのはどうでしょう? 当然報酬はなく、全力でドールを討伐していただく。ドール討伐量により罰の減少を進言します」
「ドール討伐? ヒロキよ、それはどういったイベントなのだ?」
アナフィエルさんは知らなかったようなので、天使たちにも分かるように簡単に説明していく。
お、四大天使長が話始めた。
「のぅのぅ。それってもしかして、儂強制参加かえ?」
「え。テイムキャラだし当然だよね?」
「理不尽じゃ!? そんな面倒事聞いとらんぞ」
「いや、勝手にテイムされたのアガレスさんの方だよね?」
「うぐ。おのれツチミカドヒロキ、やはり貴様は魔王を手玉に取る者じゃ!」
いや、悪魔……ぎゃあぁ!? 二つ名が増えた!?
「ヒロキ。そのドール討伐。もしかしてだが人手は多い方がいいのか? というか、天使たちの力もいるんだろ?」
「各方面から参加者募ってる感じですね。とはいえ命は一つ、無理して参加して死にました、なんてことになると俺らとしても辛いので、ほどほどの参加を期待してます」
「なるほど。ではあとで希望者を募るとしよう。それと、メタトロン。せっかくなので下界の危機を救うのを手伝うといい。働き次第だが、堕天の罰を無しにしようと思う。他の罰に関しては戻って来た天使たちの意見を聞いたうえで判断したいと思う」
「わかった」
大分甘い判断になるが、どうもヤアスリエルが一枚かんでるようだ。というか、ヤアスリエルさんを通した神の声かな。
しかし、唯一神か。天の声とはまた別なんだろうが、出会っちゃったりするのだろうか?
さすがに神様が俺に会いに来ることはないか。
「メタトロンに関しては罰は後日発表とする。続いてアクニエルに関してだが……」
「ぐぅ……」
アクニエルが何かを覚悟するように拳を強く握っている。
チラチラ見てるのは……ふむ。そう来るかぁ。
「アクニエル。罪状は堕天した天使たちへの告訴に関してのことだが、全て間違いだった。あるいはでっち上げであったと認めるか?」
「認める訳が、ないでしょう!!」
「証拠はこれだけ上がっているが?」
元堕天使たちから怒号が飛ぶ。
よほど恨まれるようだなアクニエル。
アクニエルもさすがに魔界送りにした天使たちがまさか戻ってくると思っていなかったようで、彼らに視線を合わそうともしない。
「アクニエル。お前は有罪だ。反論の余地もなさそうだし、自分でももはや逃れられぬと理解しているだろう?」
「そ、そんなことはありません! ミカエル様! 私は本当に、あくどいことはしておりません。奴らは告訴されるだけの罪状があったのです!」
ふざけんな! とかちょっと罵詈雑言が酷いのがいる。
一度堕天したからか口が悪くなっているようだ。
あんまハメ外して再堕天しないようにしろよー。
「アクニエル……」
「ええい、ツチミカドヒロキ! 私を貶めようなどと言語道断だ! 正義の元貴様の悪事は必ず暴かれるぞ!! 今なら告訴を取り下げることもできるのだぞ!」
いや、さすがにそりゃねーぜ。
まさかこっちに告訴取り下げてください、と上から目線で言ってくるとか、お前は一体何様だ。
「告訴は取り下げない。というか、堕天から復帰した天使たちからも告訴されるだろ? せっかくだし共同で今、アクニエル告訴しちまおうぜ」
おー、復帰した全員が告訴するみたいだぞアクニエル。こりゃもう進退窮まったな。




