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1131.天界裁判20

 それは、魔法陣の輝き、その消失と共に魔法陣からせりだしてきた。

 両手には指ぬきグローブ。セーラー服に身を包んだ年頃の娘。

 いや、何でセーラー服!? っていうか、黒髪ロングの美少女また増えた!?

 勝気な目元に八重歯がきらり。スパッツを履いたスカートのお嬢さんは、俺に軽くカーテシー。

 スカートの中盛大に見せてますよ!?


「これはこれは、魔界で噂になっておるぞ魔王殺しにして悪魔を手玉に取った者ツチミカドヒロキよ」


 お尻の方から野太い爬虫類系の尻尾を生やし、肩に大きな鷲かな? を止めた少女は尻尾をぶんぶんと振りながら、興奮冷めやらぬといった様子で期待に満ちた顔をしている。


「さぁ、願いを言うがいい我が召喚主よ。代わりに其方の魂を貰うがな」


「おや、交渉は随分と一方的だなお嬢さん。召喚の代償はここに用意してある、俺の魂も体も全てハナコさんに捧げているんであげられないんだわ」


「ハナコ、絶対貰いたくないって言うわよ」


 マイネさん茶々入れない。

 

「むぅ、先約があるのでは貰えんな。さすがはキマリスが手玉に取られただけはある」


「それ、有名なんです?」


「魔界ではついぞなかった痛快話じゃて。ナァマの奴が嬉々として広げておるわ」


 何してんのナァマさん。


「仕方ないのぅ。しかし、これだけはしけとるの」


「じゃあ欲しい代償はなんか言ってくれよ」


「ふむ……そうじゃなぁ。えっろい物を所望じゃ」


 なんかすっごいもん要求された。なんかあったっけ?

 ヌルヌルジェルとかじゃダメかな?

 えーっと。あ。もしかしてこれか?

 目に留まってしまったソレに気付いて俺は戦慄する。

 

 今捨てよう、今日捨てよう。

 何度も思って、結局まだ持ったままになっていた呪い級の物体だ。

 ごくり、喉を鳴らして俺は彼女の元へ向かう。

 周囲に見えないようにして、そのアイテムを取り出し、差し出した。


「い、いかがでございましょう?」


「これは……なんと!? なんという冒涜的な。お主、好き者じゃのぅ」


 好々爺といった笑みを浮かべた女性は俺から差し出された、サユキさんの使用済みオムツたちを大事にしまった。なんか、気付いたら二つ三つと増えてんだよねこれ。誰か俺のアイテムボックスに捨ててない?


「よかろう。このアガレスが汝が望みを叶えてやろう!」


「ありがたき幸せー」


 よし、これで証拠は隠滅できた。

 あの激ヤバ物質の処理もできた。

 アガレスさんありがとうございます。

 さすが稀代のエロジジイ魔王。エロさを追求するあまりに自分が美少女になったエロ魔王!


「ぬっほっほ。い奴じゃ、さぁ汝が願いを……」


 と、両手を腰に当てて高笑いした彼女は、ようやく周囲の状況を見た。

 所狭しと天使が居並ぶ天界審判場。

 魔王アガレスにとって懐かしの堕天前の場所にして、今は最も敵地で居てはならない場所である。


「うをおおぃ!? ツチミカドヒロキ、謀ったなぁ!? 貴様天使共と共謀し、我を滅ぼすつもりか!?」


 慌てて逃げようとするアガレス。

 しかしすでに彼女は俺からの供物を受け取った。つまり召喚されたものとして交渉の席に着いた後だったのだ。


「ま、待て! 話せばわかる。話せばわかるぞツチミカドヒロキ!!」


 ―― アガレスが仲間になれば世界の半分をやろう、といっています、テイムされますか? ――


 ちょっと天の声さん、なんかアガレスのテイムキャラにされそうなんですが?


「俺がテイムされてどーすんだ。なぁアガレスさんや?」


「総員、戦闘態勢」


 って、サンダルフォンさぁん!?

 声と共に天使たちが一斉に武器を構えた。

 これはもういつでもヤル気満々だ。


「わ、わわわ、分かった! 分かった!!」


 ―― アガレスが愛人としてテイムされました。強制なので選択肢はありません ――


 って、強制!? 何してんだ魔王!?


「ふぉ!? おお、交渉が済んだようじゃな。自由になったぞ!」


「あ、自由になったのはいいですけどアガレスさん暴れないように」


 っていうかこのジジイ魔王、なんで愛人枠に収まろうとしてんだよ。キマリスさんといい魔王には碌なのが居ないな。


「あー、それよりアガレスさんよ、今堕天した天使たちの呼び寄せを考えてるんだ。このリストの元天使たちをここに呼び寄せることできます? できますよね?」


「ぬ、ぬぅぅ。わ、分かった。分かったというに、まったく老人使いが荒くて困るわい。ちょっと可愛らしく着飾って来たというのにそこに関しては一切何もないのか、まったく。もう少し近代風にしておいた方がよかったかの、ギャルっぽくすべきじゃったか」


「それで、できそう?」


 当然、戯言は無視である。


「ここに名のある堕天使どもを召喚すればよいのじゃろ。去った者を引き寄せるのは得意じゃて。さぁ、来るが良い堕天使ども。強制召喚!!」


 おー、なんか一気に魔法陣が出現したぞ。

 そして訳の分かっていない様子の天使たちが次々と召喚され始める。

 意外とほとんどの天使は白い羽だな。若干黒ずんでる堕天使もいるけど、あれって悪行によって黒くなったりするのだろうか?

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― 新着の感想 ―
幸運さんお仕事お疲れ様です
マイネさんを助ける為にアガレスさん召喚しちゃったのか 愛されてるねマンホール少女(すっとぼけ)
黒ずんでる堕天使 瘴気吸収貰ったではないか? クリフォトのジュースを飲んだか?
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