1085.夜間は天界の反対
「つーわけで。本日こそ七不思議最後の大学をクリアしたいと思うんだ」
「申し訳ありませんがそれ後回しでお願いできます?」
天界から一旦UFOへと帰って来た俺たちが皆の居るダイニングルームへとやってきた時だった。
なぜか見知らぬ、というかなんか見覚えのあるお方が皆に交じって座ってた。
「え、弥勒菩薩!?」
「商店街振りですねヒロキ君。少々面倒事が出来たのでお願いしに来ました」
はぁぁぁぁぁ!?
「これから地獄に向かっていただきたく思います」
Z・I・G・O・k・U!?
なんで? ねぇなんで!?
「とある地獄で罪人たちが立てこもってしまいました。獄卒たちだけではどうにもならず、さすがに見ていられなかったので貴方に解決をお願いしたいのです」
まさか弥勒菩薩から依頼を受けるとは。でも今じゃない。今じゃないんだよ!?
「この依頼を受けていただけるならば、最後の七不思議に向かうために必要なフラグが何か、お教えいたしますよ」
「了解しました。そういうことなら、やったりましょう!」
一番の目的である七不思議大学攻略。なぜ出来ないのか理由がわかるなら、このイベント、受けておいて損はない。
「叫喚地獄にある分別苦処で起こっているようです。どうか、よろしくお願いしますね」
「あ、ちなみに地獄への行き方は?」
「各地の地蔵より行けるようにしてあります。よろしくお願いしますね」
それだけ告げると、弥勒菩薩様がすぅっと空気に溶けるように消え去った。
『びっくりしたぁ。弥勒菩薩なんて初めて見たわ』
「ハナコさんごめんね。せっかく集まってくれたのにまた七不思議行けそうにないや」
『仕方ないわよ。それよりヒロキ、誰を選ぶの?』
「とりあえず地獄関連のスキル強化があるメンバー固定かな。えーっと蛇々利さん、ヘンリエッタさん、メリーさん、ローリィさん、アイネさん、コトリさんだね。おっとこのメンバーだけで六人もいるのか」
「ローリィたちは地獄入国だけみたいですし、私も三途の川で水を入手できればいいので、その分空きが生まれるかと。このメンツは地獄に入国だけして帰る方がいいのではないでしょうか?」
「それもそうか。じゃあ最近一緒に行ってないメンバーを優先して決めるかな」
「そうなると、誰になるかな?」
『とりあえずヤミコとブキミは確定でいいんじゃないかしら?』
「そういえば最近一緒してないな」
『あら、ハナコに遠慮してたのに、いいの?』
「シルビアさんとかメリッサさん、行っとく?」
「ワタシは遠慮しまーす、ゾンビゲームハマってます」
「私もいいかな。他の人と行ってきて地獄とか無理なんで」
と、まぁいろいろと話し合った結果。
ヤミコさん、ブキミちゃん、ネネコさん、ヘンリエッタさん、アイネさん、クティーラさんが付いてくることになった。
他のメンバーは地獄に入った段階で引き返すことになっているけど、コトリさんたちも付いてきてくれるの出入り口までは心強い。
あとは、夜間の部に参加してくるメンバーだな、誰が来るかなー。
ぞろぞろと家から出てくると、すでに待っていたメンバーは……おい、タツキたちいねぇじゃん。あいつらもう七不思議無いと判断して自分たちのやりたいイベントこなしに行きやがったな!?
「よろしくなの!」
「うーす、今日はドリームランド前も時間空いたから来たぜ」
「ヒロキさん、今日はどこ行くんです?」
りんりん、レイレイはいないみたいだけど、なのさんは参加できるらしい。
そして未知なるモノさんと案内人君。
まんまドリームランド組じゃん。
まぁいいけどさ。
「今日向かう場所は地獄だけど、良いかな未知なるモノさん」
「いや待て。なんでまた変わった場所に行くんだよ!?」
「地獄、ですか……」
「地獄送りにしてやった、なの! あれ? 地獄送りにされるの?」
とりあえず三人とも問題はなさそうなので近場の道祖神を探す。ああいや、道祖神じゃなくてお地蔵さんだっけか。
えーっと、この地蔵で良いかな。どうすりゃいいんだ?
「お、ヒロキ、これ触れてみ?」
何か変化あるのか、と率先して地蔵を調べる未知なるモノさんが、地蔵の頭に手を当てた瞬間、俺にそんなことを言ってきた。
罰当たりになりません? そーっと恐る恐る触れてみる。お、ダイアログボックス出て来た。
「皆、地蔵に触れて地獄へ行く、を選択すればいいらしい。地獄へGOだぜ!」
「あんまり行きたくないGOサインなの」
そういうなよー、ほら、地獄へ行こうぜベイベー。
「先に地獄で待ってるぜー」
あ、未知なるモノさんに先越された。
「で、では……ヒロキ、地獄の底まで付き合ってくれる、なの」
うおお、地獄に行くなら言いたかったセリフがあぁぁぁ!?
「えーっと、ヒロキさん、先に行きますよ?」
「お、おお、一緒に地獄へ落ちようぜぇ!!」
よし、言えた!




