1084.お告げ?
んじゃまー、いつものごとく。
二礼二拍手一礼っと。あ、いや、一応神の方だし、二礼四拍手一礼にしとこう。
えーっと、アクニエルの悪行が暴かれますように。
それからルースさんの階位がちゃんと上がりますように。
ルルルルーアさんが無罪に、なると、いいなぁ……
マイネさんは、えーっと、悪落ちしないことを祈ります。
―― ルースルスならば大丈夫でしょう。他は、私も祈っておきます ――
いや待って!?
あんた誰!? 神様じゃないの!?
ってか何に祈るの!?
つまり、この天の声さんはルースさんの階位に関しては保証してくれるけど、アクニエルの悪行が暴かれるか、ルルルルーアさんが無罪になるか、マイネさんが悪落ちするかに関して一切手を貸す気はない存在ってことになる。
んー、ルースさんだけ確定してるなら天使か何かかもしれないな。
「ところでガブリエル、なんでまたここに? 仕事は別にあるだろ?」
「聞いていないのですか? ここの仕事をしていた天使が罪を犯したということで今捕縛されているのです。ちょうど下界からも罪人が来ると聞きましたので、同じ日に裁判を行うことになっていまして。それまでは臨時で私がここの司祭です」
「それ絶対アクニエル関連だろ」
「今思うと私もそう思います。アクニエルは少々はっちゃけすぎているようですね。此度の裁判には私も見学しようかと思っています」
「おう、ってことは四大天使長全員参加だな」
「おや、ウリエルに連絡は行っているのですか?」
「あいつは罪人の引き取りで常に来てるはずだぞ。ラファエルの奴も基本は参加している、というかアイツはだいたい被告側の弁護をしているぞ」
「おや、そうなのですね。普段裁判にはいかないのでその辺は疎いのです」
でも四大天使と言えばもう一人居ますよね。
なんでその人は既に参加してるみたいな……
いや、まさかなぁ。お兄さん天使、さすがに違いますよね?
だってあんな変な踊り踊ってたんですよ?
―― それよりもガブリエル。私もそっち行っていいですか? ――
「おや、お告げの真似事はもういいので?」
「だって誰も来ないじゃないですかガブリエルさん。そろそろ飽きたんで交代してくれません?」
おおい天の声ぇ!? お前隠遁スキルで隠れただけの天使だったのかよ!?
「やっ、自分ログジエルっていいますのん。ヒロキ氏はみーちゃんに会えたみたいで」
「あ、はい。というか、ここでの天の声さん?」
「そうですわー、なかなか様になっとりましたやろ?」
眼鏡でふわっとしたボブディ天使が何もない場所から現れる。
まさか神様じゃなくただの天使の声を受けていたとは。
ええい、信じちゃった俺の純粋な信仰心を返せ!
「一応ウチら、六人組でよく行動しますのん。でもここ最近天使の堕天が多くてなー。原因探す班といなくなった天使の代わりする班に分かれてますのん。ウチは後者なん」
「六人組ってことは何か特別な天使なんですか?」
「ありゃ? 知らんの? 懲罰の天使やっとりますん。神の厳格者、クシエル、燃える者、ラハティエル、神の裁き、ショフティエル、神の杖、フトリエル、神の炎、プシエル、そして神の怒り、ログジエルとはウチのことですわー」
ほー、懲罰の天使。
「ってことはアクニエルの悪行が暴かれるなら、皆さんで懲罰しちゃう感じっすか?」
「んー、どやろな。アナフィエルの旦那が動いてますやん。ウチら必要かなぁ」
「まぁ、せっかくなんで明日の法廷には見に来てやってください、俺頑張ってざまぁさせてやりますから!」
「きゅーい」
って、なんでベーヒアルが気合入れてんの? というか、その卵をなぜ主張させるし。
「ふむ? その卵、何の卵です?」
「さぁ? 俺には何が何やら? ただ、ヤバい場所で見つけた奴なので、ヤバいのが生まれるのは確定してるような感じですかね」
「そ、そうなのかい? そういうの天界に持ってこないでくれないかな?」
「ははは、この程度誤差の範囲っしょ。俺、アクニエルに罪人にしてやる宣言受けてるんで、そのまま判決されるようなら一番ヤバいの解き放つ気満々ですよ」
「おいヒロキ、それってまさか……」
「コトリさん、コトリバコを放出するの楽しそうにするんだよねぇ。俺のアイテムボックス内にも回収済みのが1000個単位であるんだ」
「オイ待て!? そんな呪物天界に放出するとか、戦争する気かヒロキ君?」
「やだなぁ。天界の自浄作用に期待してますよ、俺としても正義の味方のつもりなんで、悪行した覚えは一切ないっす、正義のためなら、天界滅んでも仕方ないですよね、悪行天使を放置するような場所じゃないことを祈ってます」
「わーお、ウチらより容赦なくない?」
おいおい、頼むぜ天使様。天界の悪行は天使がちゃんと処理してくれなきゃ。
ってか、なんやかんやで時間なくなって来たな。ルースさんの階位も明日に回すか。
 




