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106.肝試しイベント・ちょっとやり過ぎたかもしれん

 俺は腕組みをしながら無数のモニター画面を見ていた。

 隣ではアヌビスさんがくあーっと欠伸している。


「どうしたヒロキよ、暇そうだな」


「いや、なんというか、これってもしかして、やり過ぎました?」


「まさか第四チェックポイントまで持たないとはな。まだ出ていない面子が暇そうにしているぞ」


 そうなのだ。まさか体育館で一人さびしくハナコさんを待たせることになろうとは。

 あまりにも暇だからってハナコさん一人3ポイントシュートし始めてるし。可愛い。

 ネネコさんも暇すぎたのかタヂさん呼びだして相撲し始めている。

 アイネさんなんてスキルで教室に巣作りし始めて無数の幼虫がぼったぼった教室に落下してる。

 なんか幼虫という名の眷族召喚するスキルなんだとか。キモいなぁ。群体嫌いな人はコレ見ただけで正気度吹き飛ぶぞ。


「暇じゃ」


「稲荷さん、一応持ち場離れちゃだめじゃないですか」


「ワシの持ち場ハナコが攻略されたあとじゃぞ。いつ来るんじゃ」


 画面ではハナコさんが暇そうにダンクしてる姿が映っている。可愛い。


「ほれみぃ、ツチノコさんもメリーさん乗せて暇そうにしておるではないか」


 ハナコさんのいる体育館から開かずの間に向う合間に脅かす役の二人は、対象が全く来ないせいで暇そうだ。


「既に四日目に差しかかっとるが、未だにスレイのとこまでが限界だぞあやつら」


 そうなんだよなぁ。もうちょっと行くかと思ったんだけど、何故か皆スレイさんの顔見ただけで正気度消失するんだよ。美少女なのに?

 こっちからだと丁度死角で見えないんだよなぁ、スレイさんの顔。


「かなり慣れたからリベンジ組はいいとこまで行くんだけどなぁ、六人パーティーとか全員スレイさんの顔で散ったもんなぁ」


 よっぽど酷い変顔なんだろうか? ちょっと見てみたい気はするけど、なぜかスレイさん、恥ずかしいからダーリンには嫌。とか言って見せてくれないんだ。

 恐らくカメラワークもしっかり計算して画面越しに見ている俺に見せないようにしてるだろうなスレイさん。


「お、初だぞ主よ、スレイを抜けたぞ」


「目、瞑ってたぞ今の。まぁあまりにも正気度消失多いし、今回は大目にみとくか、どうしますアヌビスさん?」


「そうだな、さすがにこの先誰もクリア出来ない、となると運営としても問題だろう。クリア方法の一つとして許可しておこう」


 あまりにも皆先に進まないのでちょっと反則気味だけど許可されることになった。

 これでスレイさんクリア出来る面子が出てくることだろう。

 ただ、折角スレイさん抜けて第四チェックポイントまで来れたソイツは、チェックポイントを越えた先で脅かす役だったネネコさんの腕を伸ばして死角から肩叩き、頬に指あてという他人にされたらなにすんだよっ。と告げるタイプの脅かしで、残っていた正気度を失って退場となった。


 指が当たったことで背後に誰かいる、と思ったに誰もいなくて、視線を下げれば遠くから伸びた手が自分の肩に。という恐怖体験が耐えられなかったようだ。

 来たよってネネコさんに言ったら面倒臭そうに腕伸ばして肩叩いて振り向きざまに頬に人差し指ぷにっ。だからなぁ。

 まさかそれで瞬殺されるとは思わなかった。


 しかも用事は終わったとばかりにまたタヂさんと相撲取り出したし。

 もはやメインの肝試しの方が相撲のついでになってないかな?

 あー、タヂさんも肝試し参加します?


『儂は相撲取りに来ただけだ。肝を試すのはアヌビスどもに任せるわい。そらネネコ、もっかいいくか?』


『とーぜんだべや! 次こそ絶対勝つだ!』


 ネネコさんはテイムされたのに俺と一緒にいるよりタヂさんと相撲取ってる方が幸せそうだなぁ。なんだろう、この寝取られ感?


「阿呆じゃのぅ……」


「あ、ユウたちだ。ヒバリのヤツ今度は何処まで行けるかな?」


「人面犬だけで半分以上正気度減らしているのに何処までも何もないだろ」


 当然ながら玄関口に佇む幽霊先生見て正気度粉砕してしまったヒバリはここまでである。

 まだほんの入り口だけど、ヒバリさんにしては頑張った方だと思うよ、最初は人面犬みた瞬間気絶してたし。


「あー、でもやっぱ未知なるモノさんがネックだなぁ二人は」


 メリーさんの声と未知なるモノさんの這い寄るコンビネーションで二人は撃沈。ここから先に行けないのは二人が恐がりだから、なんだろうか?


「お、今度はマイネさんがチーム組んでる」


 単騎突撃してたマイネさんとグレートマンさん。

 グレートマンさんも結構ビビりなの判明したんだよなぁ。

 なのでマイネさんは臨時パーティーを組んでとにかく先へと進むことにしたらしい。

 誰か一人でも第七チェックポイントに辿りつければいいもんな。


 お、マイネさんたち三人残ってスレイさん超えたぞ。

 音楽室でチェックを終えて、体育館向けて歩きだす。

 そして、ネネコさんの妨害により一人が消えて、マイネさんともう一人がついにハナコさんの元へと辿りつくのだった。

 グレートマンさん? スレイさんの顔見て気絶しましたが?

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