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1043.秘密結社クモリエル攻略作戦7

 なんかあっという間に人数減ったな。

 今、俺と共に通路を駆けているのはシコメさんと暗雲ブラックのみ。

 ベーヒアルもいるけど俺が背負ってるからな。というか、レベルのおかげか全然重さ感じねぇや。


「かなり走ったようだが?」


「進んだ距離から言ってそろそろウェザーディバインサイトカンパニーの辺りに来るはずですよ」


「ん。生者の臭いがずる……」


 つまり、生きてる誰かがこの先にいる、ってことだな。

 うし、戦闘準備必要じゃね?


「まだ気配もない、このまま駆けよう」


 え、そうっすか?

 ベーヒアルを降ろそうとしたんだけど、まだ走るってことなので背負い直して二人の後を追う。

 ん? 気配が変わった?

 おそらく通路から施設内に入ったようで、まとわりつく空気みたいな何かが変化したのが感じ取れた。


「一本道で助かるな」


「駆けるだけでいいですもんね。あ、目の前扉ありっす」


「扉を開けよう、先に入ってくれ」


 暗雲ブラックが最初に辿り着き、扉を開く。

 シコメさんと俺が通り抜けた後にブラックも入って来る。

 そして、扉が閉まった。


 バン、バンバンバンっとライトが点灯し、俺たちを照らし出す。

 うげ、眩しい!?


「ぎゃあぁ目がぁぁぁ」


 強い光を受けたシコメさんがのた打ち回っているらしい。


「ぎゅい!?」


 ん? 背中からベーヒアルが消えた?

 うわ、なんだ? 体に何か巻き付いた!?

 徐々に視界が光に慣れていく。ようやく目を開くと、驚きの光景が!?


「なっ!?」


 分銅付きの縄に縛られたままのた打ち回っているシコメさんと、ベーヒアル。

 そして俺まで拘束されてんじゃねぇか!?


「ヒロキさん!」


「格ゲー少女!? 豚のレバーの炒め物君も!」


 スレイさんたち先行部隊もどうやらここで捕まってしまったようだ。

 拘束された状態でクモリエル戦闘員たちに捕縛されていた。


「いやー、参った。まさか待ち伏せされてるとはなぁ。怪人化する暇もなかったよダーリン」


 マジかよ……


「っと、そうだ、ブラックさんは!?」


 背後を振り向けば、暗雲ブラックだけは捕縛されていなかった。

 スーツのおかげで光で目がやられるなどといったこともないだろうし、縄だって避けれ……縄が投げられてる様子が、ない?


「おい、暗雲ブラック……」


「悪いなヒロキ君。君たちの潜入作戦は最初から失敗してたんだ」


「やっぱり、あんた正義の味方じゃなかったのか」


「クク、そうさ。奴らは戦隊スーツを着ていれば味方だと思うからな。我が社が造り出したこのスーツを着て味方の振りをしたらあっさり信じたぞ?」


 そう言って、変身を解く暗雲ブラック。スーツを脱いだその姿は……誰だっけ?


「ブラッククラウド将軍!? そんな!? 暗雲ブラックがクモリエルのブラッククラウド将軍だったなんて!?」


 豚のレバーの炒め物君の叫びで理解する。ああ、そういや第二回イベントだかの武闘会に出てたな将軍。


「カイセイジャーたちも表側で大失態。これでこの都市で我が社の邪魔をする正義の味方は全て排除できるだろう。お前たちの負けだ正義の味方共!」


「一網打尽って訳か。でも、ブラッククラウド、あんたが怪しいことは分かってたんだぜ? 手を打たないとでも思ったか?」


「それは……これのことか?」


 ブラッククラウド将軍の背後から扉が開かれ、マンホールが吶喊する。

 ブラッククラウド将軍はこれを片手で受け止めて俺に尋ねた。


「うっそ、受け止める普通!?」


「マンホール少女マイネ。貴様が残っていることくらい想定してないとでも思ったか? こちらは貴様以外全員が人質だ。どうするマンホール少女? 武器を捨て私に下るというならば部下として拾おう。お前はかなり有能だぞ。闇の部分を抱えているのがよくわかる。正義の味方でいる意味はないだろう。この世界は生き辛いのではないか? 我がもとで悪辣の限りを尽くそう。共に世界征服をしようじゃないか?」


 おいおい、マイネさんを勧誘かよ。

 さすがに頷いたりはしないだろ。マイネさん一応アレでも正義の味方ファンだぞ?

 自分は正義の執行者だと勘違いすらしてる奴だぞ。


「なるほど、一理あるわね」


 あるのか!?


「この世界が酷いのも、現実世界が辛いのも本当。でもね。だからこそ、そんな世界を正したいじゃない! 悪行はしないの! 私は! 正義の味方だから!!」


 え、でも森焼き討ちとか悪落ちとか……あ、今言うことじゃないですね、はい。


「人質がどうなってもいいのか! 戦うというのなら一人づつ見せしめに殺すぞ!」


「ふ……」


 あ、マイネさん、その悲し気な流し目、どう見てもお前ら見捨てます宣言だよね!?


「彼らも覚悟の上よ! 私は私の正義を執行する! 人質程度で止まると思うな極悪非道ブラッククラウド将軍!」


 と、ブラッククラウド将軍へと特攻するマイネさん。横合いから投げられた縄に絡めとられて捕縛された。

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― 新着の感想 ―
ぶっちゃけヒロキに手を出すと何処ぞのハコが呪詛振り撒いてサーバーダウンしそうよ?
そんな!マイネさんのマンホールが 受け止められた!? ヒロキ「もう駄目だ!お終いだ!!」 黒雲「そんなにうろたえるなんてどうした?」 ヒロキ「マイネさんに敵ごと殺られる!!」 黒雲「そっちかよ!」
よかった、被害者が燃やされなかった! いつからこのブラフ決めた? ゲーム世界だし、いつも思うことがある、 敵の投げ武器はどのような状態でアイテムボックスにしまうできる? その縄の素材知りたい、 魔…
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