1041.秘密結社クモリエル攻略作戦5
チヨさんから連絡が入った、ということで、俺たちも一度探索を止めて会議場へと向かうことになった。
今回、俺のチーム以外目立った成果はないらしい。
「キミたちで最後だ。すまないが早速説明させてくれ」
快晴レッドが俺たちが会議場に入ると同時に話し出す。
どうやらチヨさん、地下施設まで潜入してクモリエルの本社があることを確認してくれたようだ。
さすが影女。潜入任務はお手の物だな。
「これで証拠は手に入れた。正面から乗り込んでもクモリエルとの繋がりを暴くことはできる、と思うのだが、どうも嫌な予感がする」
「そこで、だ。ヒロキ君が潜入に適した場所を見つけたと言ってたよね」
「あ、はい。ちょうどいい場所見つけてますよ。あそこからならクモリエルにバレずに潜入できると思います。まぁ監視カメラとかがあると無理ですけど」
「ウェザーディバインサイトカンパニーを悪扱いしてクモリエルへの道が閉ざされるよりはマシだろう。正面突破も少し考えて行わないといけないからな。こちらを陽動としてヒロキ君が見つけた抜け道を本命にしようと思う」
「奴らに感づかれるのを出来るだけ防ぎたい。だから陽動には正義の味方全員で当たろうと思う」
「マイネさん、キカンダーさんたちもこっちの陽動に来て貰っていいかな?」
「ええ。構わないわ。キカンダーさん、グレートマンさん、ジェイク、本人の意見は?」
「ああ、全員問題ないよ。君はどうする?」
「パープルきゅん救出に決まってるわ! ヒロキ、早速行くわよ!」
「マイネさんステイ。まずは潜入部隊の吟味だ。残ったメンバーでぞろぞろ行くわけにもいかんだろ」
「その通りだ。そうだな、君たち四人と……」
「待てレッド。やはり潜入部隊にも一人くらい正義の味方が居た方がいいだろう。俺も潜入任務に回っていいだろうか?」
「ブラックが? まぁいいか。確かに陽動部隊にこれだけのメンバーがいる必要はないしな」
「となると、五人確定?」
「ああ。残りは、そうだな三人くらいにしておこう。後のメンバーは後詰めだ。陽動も侵入部隊も失敗した場合他の正義の味方や知り合いに伝えてほしい」
じゃあ残りのメンツは外で待っててもらうか。
一応帰らず警戒はしといてくれよ。
そうだなぁ、今回潜入して貰う三人は……
「スレイさんカルカさんクティーラさん、かな」
「いや、今回私は居残り組に居ておこう。どうにもまだ何か起こりそうでな」
「あ、じゃあ私も居残りで」
えぇ、カルカさんとクティーラさん居残りなの!?
「んー、じゃあ」
「きゅっ!」
「なんだか死臭がするの、潜入、いいかしら?」
まさかの立候補だと!?
しかも二人!?
丁度二人空いたからいいんだけどさ。潜入チームスレイさんとベーヒアル、シコメさんという特殊なパーティーメンバーになったんだけど!?
ま、まぁそれなりに戦えるメンバーではあるからいいか。
基本戦いはマイネさん任せにしとけば勝手に駆逐してくだろうし。
よし、じゃあカルカさん、クティーラさんたちのこと頼んだぞ。
「ああ、任せておけ。クモリエル程度に遅れは取らん、私も元首領としての矜持があるからな」
その矜持ってクモリエル戦闘員の群れ相手に無双できるんだろうか?
ま、まぁその辺りは信頼しておこう。
俺たちはとにかく潜入。その先のことは潜入後の情報共有で考えよう。
「では、早速で悪いが俺たちは陽動としてウェザーディバインサイトカンパニーにクモリエル本社の疑いがあると伝えて捜索しにむかう。ヒロキ君たちは内部で影女さんと合流して捕虜となっている人たちの解放、可能ならクモリエルがいる証拠を持って俺たちの元へ来てほしい」
「了解。なんかいいの見つけたら持ってきますよ」
と、いうわけで、俺、マイネさん、格ゲー少女さん、豚のレバーの炒め物君、暗雲ブラック、スレイさん、ベーヒアル、シコメさん、というメンバーで潜入することになった。
会議場を出た俺たちは、再び商店街へ。
誰が見てるかわからないので、地蔵があったという話題を話ながら目的の空き家へと向かう。
住民の監視がなくなるまではお参りで過ごし、誰もいなくなったのを見計らって空き家に侵入する。
本来は家宅侵入罪扱いなんだけど、誰も見ていないのと、快晴レッドから正義のためという免罪符を貰っているので犯罪者扱いにはならないようだ。
快晴レッドから本社に向かうという電話を貰い、俺たちも侵入を開始する。
さて、どうなるかな。
まさか即行バレてシャットダウンされるとは思わないけど……
空き家の隠し階段から隠し通路へ。
薄暗い通路を全員で歩いていく。
そろそろ本社の方はクモリエルの疑いがあるとか一方的に告げられて捜索されてるころか。
上手く見つかればいいが、上部組織が捜査を受けた時用に遮断するような設備があってもおかしくはない。大丈夫かなあっちのチーム。




