1037.秘密結社クモリエル攻略作戦1
「んじゃ、マイネさんたちが今回の参加者ってことでいいかな?」
UFOから外に一歩踏み出すと、仁王立ちのマイネさんが立ちはだかった!
マイネからは逃げられない!
「そうね、あと……あんた誰?」
「初顔が居るなぁ」
どうやら冒険者仲間に誘われる形で今回参加することになったようだ。
「あ、はい! 格ゲー少女さんに誘われてきました、豚のレバーの炒め物です」
案内人君の知り合いだと言われても信用しそうなほど真面目君だった。
「ずっと一人で頑張ってたらしいんですよね。せっかくなので声掛けてみました」
まぁ別にいいんでね?
「つっても今回のイベントは秘密結社攻略だから戦闘ばっかだぞ?」
「僕でよければいくらでも戦います!」
やる気は十分みたいだけどさ。
まぁいいか。
んじゃ、今回プレイヤー側の参加は俺とマイネさん、格ゲー少女、豚のレバーの炒め物君ね。
んで、テイムキャラは、とりあえず全員連れて来たよ。
フロッグガール、茶釜さん、シコメさん、ナギさん、祝さん、ベーヒアル、、チヨさん、クティーラさん、ピュアイエロー。
ピュアレッド、ピュアブルー、ピュアグリーンの三人は先行して捜査任務中らしい。
「今から向かうのはカイセイジャーがいる作戦会議室らしい。といっても臨時で適当な家借りて集まってるだけみたいだけど。ひとまず合流してそこからクモリエル攻略ってところかな」
「攻略と言ってますけど、本拠地分かってるんですか?」
「ああ、それは問題ない。詳しくは合流後の作戦会議で伝えるよ」
「ねぇ、確かプリピュアって五人いたわよね? 今の話だとパープル君いない気がするんだけど?」
「あー、その、マイネさん。怒らず聞いてほしい」
「何よ、話聞くだけで私が怒るわけないじゃない」
いや、話だけで普通に怒るだろ。マイネさん結構短気じゃん。
「パープル君な、捕まった」
「は?」
「カイセイジャーと合同で捜索してたらしいんだけど、そこで大群に囲まれたらしくてカイセイジャーたち逃がすために犠牲になった」
「な。な……」
「尊い犠牲だ、だが、捕まったとしか聞いてない。おそらく救出イベントがある」
「何してんのよヒロキ! さっさと行くわよ!! こんなところで油売ってる暇なんてないわ! 待っててパープルきゅんっ! 私が助けてあげるからーっ!!」
って、マイネさんどこ行く気!? 俺まだ向かう場所伝えてねぇよ!?
暴走したマイネさんが先行して走り出す。
どこへ向かっているのかはわからないけど、向かう場所の反対方向向けて駆け抜けていった。
「あー。じゃあ皆、こっちなんで」
「え? マイネさん向こう行っちゃいましたよ!?」
「豚のレバーの炒め物君、気にしなくていいんだ。あの人はどうせ勝手に合流してくるだろうし」
「そ、そうなんですか?」
「ごめんね? アクの強いのばっかりで」
それは既に分かってたことでしょ格ゲー少女さんや。なんでこの真面目君を連れて来た。絶対処理できないだろ。
上手い具合に彼らの対処を覚えるか。仲間に引きずり込まれるか、あるいは壊れるか。
どれをとっても来るんじゃなかったという後悔が先に来そうな気がするな。
マイネさんへの対処を知らない豚のレバーの炒め物君を促しながら俺たちはカイセイジャーの待つ場所へと向かう。
途中、正気に戻ったらしいマイネさんが俺に電話してきて合流地点伝えて、っと面倒な作業が増えたけれど、全員ちゃんと目的地には辿り着けた。
「全くヒロキ、何で目的地言わないのよ!」
「言う前に居なくなったのマイネさんじゃん。さすがに謝れねぇよ!?」
「うぐっ。ったく仕方ないわね。あ、皆さんごめんなさいね。話続けて」
会議中に乱入して来たマイネさんのせいで一時的に会議が中断したけど、開始直後の自己紹介の時だったので問題無し。豚のレバーの炒め物君の紹介が端折られたけど、ま、問題ないよね。
「さて、全員の紹介も終わったかな? では俺、ことカイセイジャーのリーダー快晴レッドが今回の作戦取り仕切らせて貰うぜ。まずは概要説明だ。ブルー頼む」
「取り仕切るだけで説明は僕か。仕方ないね君は本当に。改めて、雨雲ブルーだ。今回集まって貰ったこのメンバーはヒロキ君がこれから説明してくれる秘密結社クモリエル本社の場所に襲撃を仕掛けるための会議だ。すでに存じている人もいるだろうけど、先だって偵察をしていた僕らはクモリエルの罠にかかってしまい全滅の危機に陥った。そこをピュアパープル君が一人残ることで助けてくれたんだ。ゆえに、今回クモリエル本社が分かった以上僕らの目的は三つ。一つは囚われたピュアパープル君の救出。一つはクモリエルに拉致されているだろうアイドルやアイドル事務所のスタッフたちの救出。そして最後にクモリエル総帥の撃破だ。おそらく本社を攻める以上、今まで以上に辛い戦いになるだろう。向こうにはあのブラッククラウド将軍もいるはずだ。辛い戦いになるだろうけど、皆、手伝ってほしい」
概要説明とやらが終ると、ブルーさんが俺を名指しで指名する。
はいはい、コピー済みの地図広げるよー。




