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1031.別のが居たんだが?

「んで、やっぱこうなる、と」


 俺の左右にはコトリさんとキマリスさん。

 コトリさんはいいんだけどさぁ、なんでキマリスさんまで俺の腕絡め取ってんの?

 両方から妙齢のお姉さんたちに絡め取られると俺の体が浮き上がっちゃうんですが。

 これはもう両腕拘束されて連れていかれる宇宙人みたいな状況よ?


「ナー」


 ちなみに、今回は換金役として地球の猫さんもご一緒だ。

 俺の頭の上で垂れネコになっている。


「それで少年君、どこいくの?」


「そーだなー。とりあえず装飾品のある道具屋行くか」


 ドリームランド内だけどコトリさん用のなんか指輪かネックレスでも買っておこう。

 コトリさんの好意に胡坐をかいてたら本当に外道扱いされて捨てられかねんしな。ちゃんとフォローは欠かせんのだよ。

 あとハナコさんに合いそうなのねぇかな? さすがに有ってもあっちには持ってけないか。


 道具屋を見つけたので入ってみる。

 ふむ。暗闇でも鑑定すれば形状もわかるのいいな。

 んー、これはあいつに似合いそうだけど、あいつドリームランド来れないしなぁ。

 

 こっちはあの人にいいけど、やっぱドリームランド来れないしなぁ。

 レムさんこれどうだろ? いや、ダメかドリームランド来れないし。

 なかなかいいのがないなぁ。


「ねぇねぇ少年君、これどうよ」


「ピエロに似合った蝶ネクタイだな。そんなのがいいの?」


「ただ付けただけだよ!?」


「キマリスさん、貴女にはこっちの方がいいのでは?」


 付け鼻の赤くて丸い奴。


「コトリさぁん!? さすがにそれは酷くない!?」


「あら残念」


「お、和風のもあるじゃん。これなら……髑髏じゃねぇか!?」


 なんだよ髑髏の簪って。いや、強化ステータス他のよりも凄いけど。

 呪われてもないのでただの装飾だと分かってるけど、めちゃくちゃ呪われそうな簪だ。

 でもコトリさんには普通に似合うんだよなぁ、呪物感が増すけども。


「えー。少年君それ買うの?」


「いや、他に良いのがないからさ。でもコトリさんに合いそうなのがこれなんだよなぁ」


「どれどれぇ……あ、確かに似合うかも!? でも近づいたらヤバい感が増した!?」


 コトリさん自身が呪詛てんこ盛りな容姿だし、これくらいの呪物感が増えたところで可愛さと怪しさしか上がらないんだよな。


「もぅ、キマリスさんが私に付けてどうするんですか! 旦那様に付けて貰いたかったのに」


 そこかよ!?

 つまりこれをプレゼントするのはアリなのか。

 んじゃ地球の猫さん、これ換金よろしく。


「うむ、では会計してこよう」


 結局猫が会計するシュールな光景になるのかぁ。

 あ、キマリスさん用にこれも頼んだ。

 一応、他の女性陣からも何か言われるかもしれないし、一つづつ選んでおくか。


「つか、道具屋があるのはいいんだけどさ、ささやくものたちが作ってんのこれ?」


「ふん。企業秘密だ。部外者に言う必要はないだろう」


 ですよねー。道具屋の主人は会計こそ普通にするものの、こちらと会話する気はないらしい。

 買い物が終ったのでささやくものの都市を見て回る。

 良かった今回は二人に両腕拘束されなかった。

 おかげで自由に移動できるぜ。


「きゃあぁ!?」


「うおぉ!? なんだ!?」


「踏んでます! 私踏まれてますぅっ」


 お、おお? なんか踏んでる?

 そんな感触全くないんだけど。

 慌てて飛びのく。

 真っ暗だから何を踏んでるのかすらわからないぜ。


「ひ、酷い目に遭いました……」


「ささやくものさん実体あったんだなぁ。なんかごめん」


「いえ、こちらこそ。あ、でも私ささやくものさんではないですよ」


 は? でも実体ないよな?


「ちょっと面白い場所に迷い込んだので探索してたんです。私のお仲間かなぁとおもったんですけど、ちょっと違いみたいで、そのー、丁度いいので聞きますが、ここ、どこですか?」


「うん? どこ、とは? ささやくものの都市ですが?」


「あ、そうじゃなくて、えーっと普通小学校地域の、とか旧小学校地域のどこ、とか」


「ドリームランドの地下世界、ささやくものの都市ですが?」


「どりーむ、らんど?」


 あれ? これ話が噛み合ってない?

 えーっと、ちょっと待って。君はどうやってここに?


「それがよくわからなくてですね、いつのも場所で寝たのは覚えてるんですけど、気が付いたら森の中に居まして、キノコや菌糸類が多かったので怖くなって逃げて来たんです。そしたらここに辿り着いて今までいた場所と全然違うし、真っ暗ですし、私どこに居るんでしょうか?」


「あー、多分だけど、キミ眠ったことでドリームランドの夢見人として覚醒しちゃったっぽいね」


「はい?」


「えーっと、どうする? テイムキャラになるなら脱出方法教えるよ?」


「さらっとテイムするぞこの少年君」


「旦那様、手が早いですから」


 少し迷って、でも彼女は俺たちに縋るのが一番だと思ったようだ。


 ―― 影女・チヨをテイムした! いや、さらっとテイムしてんじゃねぇよ外道! ――


 え、なんで俺ディスられた!?

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