1026.潜入作戦
「ぽこぉ!!」
UFO周辺から敵がいなくなったので、俺たちはすぐさまUFOまで接近。
すると狸型UFOの口が地面まで開かれ、階段が現れる。
そこから三体の銃を持ったポコロット星人が駆けだしてきた。
そして、回復魔法の餌食になって爆散する。
すでにそこはルルルルーアさんの回復範囲なんだよ。
逃げ場がないのにのこのこ現れたらそりゃあそうなる。
ドロップアイテムを回収しながら、彼らが開いた入り口からUFO内部へと侵入する。
「こ、ここどこですのん?」
「ポコロット星人のUFO内部かな。狸君はここに仲間がいないか注意して見ててくれ。ルルルルーアさん回復するのはいいけど、囚われてる狸まで爆散させないでくれよ」
「あ、はい、そういえばいるかもしれないんですね」
今の、伝えてなかったら大規模回復魔法一発発動させて移動前にポコロット星人殲滅させようとしてただろ。
あっぶねぇ。UFO内部にいる俺たち以外全員を爆散させようとしたぞこの狂信者。
「うむ。ルルルルーアはよく働いたからの、ここからは儂らに譲るが良い」
「そ、そうね。ルルルルーアは狸たちを回復するために魔力を温存すべきよ」
「え? そんなに魔力減ってませんけど?」
「いいから、温存しときなさい!」
ローリィさんが厳しい。
よほどルルルルーアを前線に出し過ぎるとヤバいと理解してるんだろう。
ここからはルルルルーアさんが狸君の警護だな。
「んじゃ、先制はシマエさんと俺。後衛としてローリィさんと稲荷さん。ツチノコさんは遊撃で、サユキさんと目玉しゃぶりさんはルルルルーアと狸警護よろしく」
「あれ? 雑に戦力外通告!?」
「まぁ、私戦い得意じゃないし。やれることって言ってもこんなことくらいよ」
ぷっと口に含んでいた目玉を飛ばす目玉しゃぶりさん。
丁度前からやって来たポコロット星人の眼窩にすぽんっと入り込む。
「ぽこ?」
「ぽこぉ――――っ!?」
「ぽんぽこ」
「ぽこぽこ」
「ぽこぽこぴ――――――っ」
なぁにこれ?
一匹の片目に目玉が現れたのに気付いて他のポコロット星人が驚き、目があるじゃん、えぇ!? と二人で驚き合う。
そして互いに見つめ合って、ぴーっといいながら向かい合いながら同じ方向に上半身を横に90°折り曲げていらっしゃった。
「ライトニングアローっ」
とりあえずローリィさんの一撃で二人揃ってお陀仏である。
うん、このポコロット星人謎行動が多すぎる。
「とりあえず個室は開くだけで中に入らないように」
「敵が居たら?」
「ローリィさんと俺で射殺! 下手に近寄らせない方がいい」
「りょーかい」
SFチックな通路を右へ東へ。
手当たり次第に扉を開けて、ぽこぁっといやぁんの〇太さんのえっちぃ、みたいなポーズ取ってるポコロット星人の額を打ち抜き、何もない部屋を物色すらせず次に行く。
意外と広いな。やっぱりUFO内部は別空間になってるのか。あの大きさには絶対に入らない距離を移動して、ようやくそれっぽい場所へと辿り着く。
「そろそろボス戦っぽいな。リーギグス星人みたいにボス倒した後の部屋に捕虜と報酬があるパターンだ」
「他のプレイヤーおらんが大丈夫か?」
「最悪トンカラトンさん呼ぶから大丈夫。ともかくこのメンツでぶっ倒すつもりで行くぞ。サユキさんと目玉しゃぶりさんもレーザー銃渡すから適当に撃っちゃって」
「う、ウチ使ったことないで!?」
「ゾンビゲームの要領さ、いけるいける」
「わ、私も使ったことないんだけど!?」
「目玉飛ばす要領さ、いけるいける」
「いけるか!?」
扉を開く。
ビンゴだ。
ここが管制室。
無数のポコロット星人が俺たちの出現に驚き慌てている。
「全員戦闘開始! シマエさん攪乱遊撃! ローリィさん固定砲台、稲荷さんは皆を守って!」
「巫術で底上げしてやるわい。ヒロキ、全身軽くなるから気を付けよ!」
「ルルルルーアさん、回復解禁、ただし味方と捕虜には当てないように!」
「お任せを! 個別でやります!」
「シャーっ!!」
迫りくるポコロット星人にブレス攻撃で対応するツチノコさん。
その背後から魔法を連打し始めるローリィさん。
サユキさんと目玉しゃぶりさんも近づく敵から打ち抜いてるし、なんとか戦線維持はできそうだ。
「んじゃ、俺はメイン攻略だ」
と言ってもあまり動くことなくレーザー連射するだけだけどな。
シマエさんに当たらないようには気を付けるけど、それ以外は連射だ。
「ぽこぉーーーーッ」
「じゅるぁーっ」
光が舞う。
一筋の閃光と化したシマエさんが次々をポコロット星人をぶち抜いて駆け抜ける。
なんかもうシマエさんだけで過剰戦力な気がして来た。
「癒しを!」
それに加えてルルルルーアによる回復過多の回避不能攻撃で爆散。
戦おうとしていたポコロット星人たちが異常な攻撃にさらされて震えだしてるんですが……




