1020.サユキさんの厄落とし2
「という訳で、一番に来てみたんすけど」
「厄落としだろう、わざわざここに来るのはどうかと思うぞ」
姦姦蛇螺さんと糸目で巨乳の巫女さんのいる神社へとやって来た。
サユキさんの厄落としお願いしに来たんだけど、ダラさんに断られてしまった。
呪う側の神社なので厄落としやってないんだと。
蛇神様だし呪詛関連に強いと思ったんだけどなぁ。
まぁいいや、ダラさん、サユキさんどう?
「ふむ。見た感じ呪詛は見えんな」
それ何?
手を複雑に組んでその間からサユキさん見てるけど?
「おー、それは狐の窓じゃな。蛇神が使っておるのは初めて見るが」
「そもそもお前の方が厄払いは得意だろう稲荷。むむむ……んー、サユキ自身に面倒な呪詛は付いておらんようだが……化生の類も憑いておらんな」
「儂も見てみたがサユキはシロじゃってヒロキ」
「えぇ、稲荷さんも見たのかよ!? でもサユキさん関連で巻き込まれるイベント夜多かっただろ」
「他に原因あるんじゃないかの?」
「むしろヒロキの方が厄ネタのオンパレードじゃないか?」
ちょっと、狐の窓で二人して俺見ないでくれます?
っていうか神々に厄ネタ扱いされるプレイヤーってどうなんよ?
「幸運スキルのおかげなのか、せいなのか、いろいろ入り組んで居るなぁ」
「こんな人間がおるんかー。長生きするもんじゃなー」
神様相手に珍しい生物扱いされるって……
「ジュルル」
「はい、救世主様は数奇な運命をお持ちなのです。きっとサユキさんも災厄ではなく救世主様の運命に導かれたが故なのです」
そういや最近ほとんど一緒してなかったけど、ルルルルーアさんって狂信者だったな。
ローリィさんと目玉しゃぶりさんは今のうちにお参り行ってきな。
あとついでに付いて来たクティーラさんも二人に案内してもろて。
あ、巫女さんちょうどいいや。クティーラさんにこの神社について説明よろしく。
え、また新しい女かって? やだなー、テイムしただけですよ。
クティーラさんは外の世界に出たことがないのでいろいろ案内してるんですよ、なので巫女さんもこの神社についてしっかり説明してやってください。
凄く食いつき良いと思いますんで。新しい知識に飢えてるからなぁクティーラさん。
暇になったらしいシマエさんとツチノコさんが境内散策に向かったので、しばし俺たちはここで待機だ。
ほらダラさん、今の内だぜサユキさんのお祓いするの。
「だからここは厄払いする場所ではないと言っておろうに。ほれ、この神社に行くがよい。厄払いに丁度良かろうて」
「お、この神社はまだ行ったこと無いわ」
「それは重畳」
「それじゃ、儂からもここを紹介しておこうかの。ほれ」
この神社、いや、こっちは寺か?
「神社と寺って厄払い的にはどう違うんだ?」
「神に頼むか仏に頼むかの違いじゃの」
「一長一短だ。あまり期待しない方がよい」
何かしら違うらしい。
俺にはわからんが、しっかりとした違いがあるのだろう。俺にはわからんが。
「ほれ、目的地が決まったのだからさっさと行くがよい」
「なんだよダラさん、随分邪険にするじゃん」
「ふん、これから巫女にげぇむせんたぁなる場所に案内してもらう予定なのだ」
ゲームセンターに蛇神出現か。板に暴露してやろうかな。
まぁいろいろ世話になってるし今回は何もせず見送っておこう。
悪戯はしていい時と空気読むべき時があるんだ。
さて、行くべき場所も見つかったし、次こそサユキさんの浄化と行こうか。
「ウチ思うんやけど、やっぱウチよりヒロキさんのが浄化対象ちゃうんかなぁ」
よく言うよ、俺が災厄呼び込んでるなら昼の部でもいろいろイベント起こるだろ。
なんで七不思議の時だけ邪魔されるんだよ、おかしいだろ。
「それなんやけどな。逆に考えたらどや」
「逆に、とはサユキさん、どういうことよ?」
「今はまだその時ではない、や。よーするに大学七不思議行く前にやらなぁーあかんことがあるからヒロキさんの幸運スキルが七不思議体験させずに別のイベントを入れ込んどるって可能性、ない?」
サユキさんの言葉に稲妻が走った気がした。
なんとなく、全身が理解した。
確かに、七不思議を攻略することで何かしら別のイベントが起動するのなら、そうなる前にやるべきことを強制的に俺たちに行わせようと幸運スキルがイベントの割り込みしてる可能性は、おおいにある。
なるほど、俺はまだ準備不足だったってことか。
となると、逆に行けない現状の方が正常といってもいいのか。
そうなるとサユキさんに災厄は憑いてないことになる訳だけど。
いやいや、きっとサユキさんにはヤバいのが憑いてる、憑いてないとおかしいんだ。
頼む、どっかの寺か神社、サユキさんにヤバいの付いてると証明してくれっ!!




