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101.イベント開始

 さて、と。本日よりついに初イベント肝試し大会の開催だ。

 今日から七日間、しかもこれ現実世界で七日間だそうで、ゲーム時間だと二十一日もの日々で肝試しできるのである。


 俺が寝る時間も考えてあり、脅かす側は俺が居なくとも指示出しさえしておけばハナコさんたちが勝手に脅かしてくれるらしい。

 つまり、俺は手が空いてしまうのである。

 さらにいえばイベントはゲーム内の夜中のみであるため、昼間は暇な時間となってしまう。


 遊びに向ってもいいんだけど、どうせ夜中のあいだはっちゃけるんだし、ということで俺はゲーム内時間が昼の間は現実世界で休息することにしたのである。

 そして夕方。

 最初の一日は綿密に脅かす場所や脅かし方を決める。

 基本向う場所は七つで確定しているので、その場所以外にテケテケさんとハナコさん以外の面子を配置することにした。


 とりあえずの動線は確認したので皆脅かし漏れが出ることは無いと思うけど……

 まぁ一日目はこのままやってみて明日以降は手直しするって感じで良かろうか。

 俺は運営と一緒に脅かす側ということもあり、一人スタッフオンリーな場所に連れて来られて複数あるモニター画面越しに皆に指示を飛ばす役である。


「来たかプレイヤー。もう一人は既に来ているぞ」


 ここに来るように言われた俺が隠し部屋へとやってくると、ネコミミ? いや、なんか黒い猫みたいな、猫じゃないなジャッカル? んー、良く分からないけどケモナーが見たら飛びつきそうなオスが一匹。

 二足歩行で180センチくらいの背丈の長身イケメンと言った容姿なのに顔が猫とかジャッカル寄りの存在。


「初めましてだな、たしかヒロキと言ったか? 今回プレイヤーたちの肝を試すイベント進行役、普通小学校支部を任されたアヌビスだ。よろしく頼む」


「いや、アヌビスって、神様じゃん!? エジプト辺りの? なんでまたこんなイベントに?」


「心臓を量ると言えば冥府の神たる我が所業である。ならば参加しないわけにはいくまい。他にも心臓や計測に関わる者たちが各学園の観測を行っている」


 それはまた、豪勢だなぁ。このイベント。


「ハナコとテケテケはスタンプポイントに待機して貰う」


「それはいいけど私どうする? 二つあるんだけど」


「あは、じゃあトイレの方、ディーネがやろうか?」


「え? トイレの方!?」


 トイレのハナコさんなのにトイレ今回無し!?

 体育館メインになるのか?

 でも水を操るディーネさんならトイレはむしろ独壇場か。

 ……トイレの水、ディーネさん宿るのか?


「べ、別に汚れた水に住むって訳じゃないわよ!? ほ、ほら、水道水が洗面台から流れるじゃない。だ、だから大丈夫よ、大丈夫。盛大にいたずらしてやるわ!」


 まぁ本人がいいならそれでいいか。

 んじゃまとりあえずメンバーを割り振るか。どこにどー配置しようかな。


「おい、ヒロキ、俺への挨拶は!?」


「え? 未知なるモノさんに挨拶とかいるの?」


「素で頭傾げんなよ!?」


 先に来ていた未知なるモノさん、俺から挨拶がないってことでお冠りである。


「未知なるモノさんちょりーっす」


「はぁ。まぁいいか。にしても……ちょっと会わない間になんか増えてね?」


「脅かし要員として沢山見付けて来ましたぜ旦那」


「しかも見事に女ばっか。お前、ハーレム作る気か?」


 だからなんで皆そんなにハーレム作りたがるんだ!? 俺は別にそんなつもりはないぞ。


「というか、未知なるモノさんの姿もなんか磨きかかってません?」


「おぅ、今回の為に触手系存在いくつか食って来たんだ。見ろよこの触手の群れ」


「深き者って感じですね。深淵に居そうっす」


「で、俺の配置ってどうすりゃいいんだ?」


「そーっすね、テケテケさんがポイント出待ちさせられてるんで徘徊系イベントやりません?」


「そりゃいいけど、遭遇したらどうすりゃいい? 近づくか捕縛するか逃げるか」


「とりあえずゆっくり歩いて近づく、ですかね。逃げれば走って追いかけるのもいいし、ゆっくり歩いて追い付くのもありですね。とりあえず目の前まで近づいたら離れていくような感じでどうでしょう? ノータッチで行きましょう」


「おー、んじゃそれでいくか」


「攻撃とか出来ませんし、拘束を女性陣に使ったら多分事案ですから」


「イベントで垢BANはやめてくれないか?」


 だったらなんで触手増やしたし!?

 絶対そっち系狙いだろ。まさか素で脅かすためだけに? ……こいつ、イカれてやがる。


「さて、自己紹介やら何やらは済んだか? ならば今回の脅かす側について説明するぞ。まだ何かすることは?」


「いえ、俺は大丈夫っす」


「俺も問題無い。聞かせてくれ」


 そして俺達はルールを聞かせて貰う。

 正直殆ど常識的なことの説明だった。

 脅かし対象への肉体接触禁止とか一人に対して執拗な脅かしの禁止とかトラウマ化させるような酷い脅かし禁止などである。

 トラウマになるかどうかは相手次第だから脅かす側が気を付けるべきじゃないと思うんだよな。脅かさないといけないから驚く側気遣ってたら良い脅かし方は出来ないと思うし。

 とりあえずアヌビスさんに全員の脅かし方を見て貰って許可貰ってから配置しよう。

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