見えない影
突然の別れを受け入れることが出来ますか? Op.075
君がそばにいないなんて信じられないよ
昨日あんなに笑っていたじゃないか
君が「さよなら」て手を振って笑って帰ったよね
「また明日ね」って
「また明日ね」って
例えば、桜の花が散った後の
例えば、桃の花の香る頃の
例えば、春の風が舞う季節
君は輝いていた
君が描いてくれた僕の似顔絵
キャンバスに君の眼差し思い出す
君と二人で描く二人の未来
映るすべてが潤む
涙が止まらない
例えば、彩った葉が散った後の
例えば、吐く息の白さの頃の
例えば、初雪が舞う季節
君は帰っていった
君が話してくれた君の素敵な夢
子どもたちの中で笑っている君
君と二人で撮ったあの日の写真に
君は照れてたよね
嬉しそうに
想えば、階段とエスカレーター
想えば、行き交う公園のブランコ
想えば、笑っていたメリーゴーラウンド
いつも追いかけていた
例えば、僕たちの子どもは二人で
例えば、小さくても城を築いて
例えば、世界中を歩いて
そうなるはずだった
君の見えない影
来るはずだった明日が来なかったとき、どうなってしまうのでしょうか? 明日が来なくても明後日が来ることが分かっていればそれは安心できます。永遠かどうかもわからない別れが突然訪れたのならどう受け止めればいいのでしょうか。受容には時間がかかります。そして、頭では理解しても心は停まったままであることもしばしばあるのでしょう。ひとは出会いと別れを繰り返します。その中には別れたくはなくても別れなければならない別れが存在することも事実です。