ありきたり世界
ドラマを12話、見終わって寝た。
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目覚まし時計が鳴る。
ゆっくり止めた。
時計の数字を確認する。
遅刻だ!
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支度をして、家を出た。
後ろから走ってくる人がいて、ぶつかられて倒れてしまった。
カラダが、痛い。
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「何してるのよ。危ないでしょ?」
「ごめんなさい」
目の前には、私がいた。
魂が入れ替わってしまったのだ。
「どうしましょうか。僕はどうすれば」
「もう一度、ぶつかるのはどうでしょう」
「それしかないでしょう」
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また、ぶつかると、元のカラダに戻っていた。
近道を使ってなんとか、時間に間に合った。
カラダは、少し痛かったが、安心が溢れた。
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「まだ来ないのか? 新人は」
「初日に遅刻とか、ダメですよね?」
「まあ、緊張とかで、寝れなくなったのかもな」
「そうですよね」
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新人は、ようやくやって来た。
それは、さっき、ぶつかった人だった。
「えっ?さっきの人」
「あっ、はい」
「遅かったね。私は、近道を使って、余裕だったわよ」
「そうなんですか」
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就業時間の終了間際、電話が鳴った。
私の恋人が、事故に遭ったとの電話だった。
私は、ささっと準備を済ませ、走った。
タクシーを拾い、両手を絡ませて、祈った。
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急いで、病室のドアを開ける。
「大丈夫?」
「大丈夫だよ」
「ケガは?」
「軽い打撲だけ」
「そう」
急いで駆けつけたが、大したことなかったみたいだ。
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幼き日の、友達が殺された。
ニュースで、大々的に報道されていた。
殺人事件の第一発見者は、早朝ランナ一らしい。
忘れられず、思い出しては、ずっと友達の顔を想像してしまっていた。
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私は、ドジといえばドジだ。
でも、アイデアはわんさか出る方だ。
忘れ物をしたり、コケてばかりだけど、それでいい。
「あっ、イタタタタ」
「また、ころんじゃった」
「あの、大丈夫ですか?」
超絶イケメンだった。
差し伸べてくれた手に、すぐに掴まった。
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新人の男性と、仕事で遠出した。
帰り道、他愛もない話をしていた。
あの朝、ぶつかる以前にも、何処かで会った気がしてきた。
でも、いつかは分からない。
職場で出会うまでに、何度も何度も、すれ違っていたと思う。
「あの、あっ」
「何?」
「何でもないです」
新人は、大事なこと言いかけてやめた。
踏み切りを渡っていると、大音量の音が鳴り、急いで渡ったが、新人は渡らずに、まだ線路の向こうにいた。
「あの、僕」
「なに?」
「はい。言いたいと思っていたこと、今から言いますね」
「うん。でも、今かな?」
「僕、実は」
【ガタンガタンゴトンゴトン】
大事な言葉は、電車に遮断された。
「ごめんなさい、タイミング悪くて」
「謝らないの。もう謝らないでよ」
「はい、すみません」
「ほらまた、謝った」
「ごめんなさい」
「ほらまた」
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新人といるところを、彼に見られた。
フラれた。
勘違いなのに。
浮気じゃないのに。
帰り道の夜、雨にもフラれた。
前から、女性が歩いてくる。
なんだか、妙に目を奪われた。
ハッとなった。
死んだはずの友達と、よく似ていたからだ。
擦れ違って、少し経ってから振り向くとら、もういなかった。
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新人と、私は恋人になった。
新人からの告白だった。
二人で、手を繋いで歩いた。
「ちょっといい?」
そこに、金持ち風のイケメンが現れた。
「あ、はい」
「あなた、かわいいですね」
恋敵という言葉が、似合う外見や、言葉遣いをしていた。
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あのときは、まだ何の関係でもなかった。
だから、浮気ではない。
元カレは、浮気ではないと知ったみたいだが、この街から去ると連絡があった。
追いかけるが、タクシ一で渋滞にハマってしまった。
私は降りて、道路を走って向かった。
しかし、間に合わず、元カレはもう、乗り込んだあとだった。
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新人から、呼ばれた
「別れよう」
「えっ?」
自分への気持ちがないことを、悟った新人から、別れを告げられた。
「昨日のこと、違うよ」
「ごめん」
「恋心で、追いかけたんじゃないよ」
「ごめん」
私は、フラれて頭が真っ白になった。
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私は失踪した。
想い出の海に行った。
誰にも連絡せずに。
そこに、金持ち風のイケメンが現れた。
知り合ってから、すこし話した程度だったが、たまたま、そこにいた。
イケメンは、私にキスをしようとした。
目線の先を見ると、元カレの新人の姿があった。
タイミングが悪すぎる。
変な瞬間を、見られてしまった。
新人は、こちらに全速力で走ってきていた。
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なんだ夢か。
目が覚めると、ベッドの上だった。
少し、ドラマの見すぎかもしれない。




