プロローグ
あの日、私はいつものように家を出て会社に行って、家に帰る…はずだった。
特別面白いこともなければ、死ぬほど嫌なこともない。家に帰ったらいつものように携帯見ながらビールを一杯飲もう。彼氏も一度もいたことがなければ別に絶対ほしいわけでもないし、一人で過ごす時間も気楽でいい。こんな日常が退屈だと思う時もあるけれど、でも人生ってこういうもんじゃない?
なんて考えながら横断歩道を歩いていたその時、突然耳元でビーっという大きな音とともに私の体は投げ出されていた。
え!!
う……そ!?
次に感じたのは激痛と温かい血が流れる感覚。
体は動かず、車のライトがぼんやり映ってる。
遠くの方でサイレンが鳴ってる。
あ…たすけて。
こんな平凡な毎日でもそれなりに楽しんでんだから…。
私の意識はそこで途切れた。
「・・・・・・!!」
ん…声が聞こえる。
「・・げ!まだ・・・う!」
何て言ってるの?
「・・かりしろ!」
…しっかりしろ?
「大丈夫だ!まだ助かる!」
あ…。
私助かるんだ。
よかった。
そうよね、30歳で終わるなんてことないよね。
ちゃんと神様っているんだな…。
そうして私はまた深い眠りについた。
そして目が覚めた時、私はもう30歳の月島アリサじゃなかった。
「ありしゃ!」
ありしゃ?
アリサでしょ。
「ありーしゃ!」
ありーしゃ?
だからアリサだって!
「アリーシャ!!」
私はパチッと目を覚ました。
そこは病院でもなく家でもなく、マンガか映画に出てきそうな西欧風の部屋だった。
そして目の前には金髪の夫婦(?)が目を潤ませながら私を見ている。
「よかったわ!演習中に崖から落ちたって聞いてもうダメかと思ったわ。」
えっ!?
崖?
すると男の人の方も頷きながら、私の手をギュッと握った。
「一緒にいたノクスが風魔法を使ってくれなかったらどうなっていたことか。」
ノクス?
誰?
ってか風…魔法とか言わなかった?
「あなたは普通の魔法はほぼ使えないんだから、契約するまでは無理しちゃ駄目でしょ。もう、心配させないで。」
すると女の人は私をぎゅっと抱きしめた。
え…魔法?
いや、誰?
てか、日本語?
もうちょっと分かるように説明してーーーー!
とりあえず一つ言えることは「月島アリサは死んだ」ということだ。
今度は転生モノに挑戦してみました。
作風も少し変えてサラッとした感じで書いてます。
可愛いラブコメの作品にする予定です。
応援よろしくお願いします。