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Slave Of The One-Eyes  作者: 軍団長マッスル
第一章 記憶喪失の幼き白銀
9/113

「ここな?俺の家。覚えた?」


無言で頷きながらドアの前に立つ。家を見た事はあるのだろうかな。


「只今帰りゃしたぜ〜」

「おかえりお兄――」


突然の事で、言葉を無くしている。そりゃあそうさ、夜勤明けで夜遅くで幼女連れて帰ってくるなんて、ねぇ?


「誰?」

「あ〜、ちょっと訳有でね?引き取る事になりました」

「だから誰?」

「名前か…、天廻って言うんだ」

「ふぅん…、怪しい」


ありゃ、嫉妬か。まぁ、今まで甘やかしまくってたからな。それが盗られそうだと危惧しているんだろう。


「ほらほら、新しい人に自己紹介の1つ。しといたら?」

「…ジャック・ヘレネス」

「ヘレネス…?」

「そう、ジャックだ。俺の親父の…、あれどっちだっけ。まぁ取り敢えずどつちかの姉の娘さ。3年前に両親が死んでな、同じ身寄りの無い俺に育児権が回ってきて、で育ててる」

「…細かく言わないで」

「大丈夫だろう、痛み分けだからな」

「…ジャック…さん?」

「いいよ、ジャックで。…それかジャック姐でも良いよ?」

「…ありがと、ジャック」


あ〜駄目だ。理性が吹っ飛ぶ。天の性とも言われるロリコンが暴走しそう。あの笑顔は駄目だ。綺麗、可愛い、尊い!そしてだな、ジャックと天廻のツーショット。俺の中のGL属性が目指――


「はぐぇ!」

「ふぅ、下らない事を考えない」

「…ふぃい」


あのヘタレ、人の顔をフライパンで…。しかもフルスイング?!一般人だったら顔面の皮切れるで。…あれ、視界赤くね。


「明日、有給取って部屋片付けるから、今日はジャックの部屋な」

「はーい、…何で家広いのに部屋が少ないの」

「…家の4分の3リビングだからな。俗に言う欠陥建築」

「見る目が無いだけ」

「はい出ました」

「何がやねん」


台所に立って、冷蔵庫を漁る。一晩留守にしてるから何か変な物作られて無きゃまだ食材は有る筈だ。


「…うし、飯作っとくから先に風呂入れ」

「覗かないでね?くれぐれも」

「は、ははは…いやーどうしよっかな〜…」

「…鍵作ってもらお」

「ついでに天廻も入れてやれ。一人だと不便だろう」

「そうかなぁ?それくらいは」

「入れろ今すぐ」

「はいはい、じゃご飯よろしくね」


…いつも今くらいの笑顔で居て欲しいんだが、いつからあんな口叩く様になったのかなぁ。反抗期?もしかして反抗期なのか。


「反抗期ってどうやって対処するんだろ…。後で伯父さんにでも聞くか」


そんな事をブツブツと言いながら、食材を切る。今日は野菜が余ってるからサラダでかさ増ししよう。そっちの方が食費も抑えられる。


「はぁ…、する事がねぇなぁ…」


徐にテレビを点ける。一昨日の事件をまだ取り上げているらしい。あと3日ネタが保つかどうかって所だろう。そんな感じで晩飯を作り終え、リビングでぐうたらしていたら、風呂のドアが開く音がした。


「上がった?」

「上がったよ〜。今着替える〜」


それは言わんでも良い。変な妄想始まるから。


「天廻ちゃんの服はどうするの〜?」

「…やっべ忘れてた」

「有るなら持ってきて〜」

「ちょっと今日だけ貸してやって」

「分かった〜」


明日でも買いに行こう。…ちゃんとアイツら連れて行かないと犯罪者チックだな。忘れない様にしよう。


「上がりましたよ〜」

「じゃ、飯食うか。…昼間何も食べてないからな」

「いただきます」

「はい、どうぞ。…ん?」


天廻が戸惑っている。どうやら箸が使えないらしい。…まぁ外国人とか使えない人の方が多いし、ここ基本はスプーンとかフォークだし。異端は俺なんだけど。


「フォークの方が食べやすいか?」


首を振る。箸が使えないんじゃないの?


「…お箸がおっきい」

「ああ、ごめんごめん。ちょっと待て直ぐ小さいの持ってくるから」

「ちゃんと手の大きさ見なよ」

「うるさいやい」


ジャックのと同じ大きさの箸を持ってくる。…流石に気付かないぜこんなの。いや、結構ガチで。


「で、手合わせて」

「こう?」

「そうそうそう。で、いただきますって言うの」

「いただきます」

「はい、どうぞ」

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