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Slave Of The One-Eyes  作者: 軍団長マッスル
第八章 終末思考の金剛珠
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真実の虚言

「やっぱり、凛が言ってたのは間違いじゃなかった」


淡々と言葉を吐き捨てる。その全てに感じられる怒りと幸福。目線も言葉もハッキリしているのに、何故か感じる虚ろな感情。


「ENFORCER、先に行ってて」

「…分かりました」


肩に突き刺さっている剣から、血が滴っている。黒鉄の反射で、少し黒ずんで見える輝き。少し見惚れてしまう。


「1つ、冥土に教えてよ」

「嫌」

「…残念、探すしかないか」


霧の海までは普通、市街地7番道路を通って夕源の丘に行き、そこから旧貯水湖まで一直線。だが、いつ襲ってくるかま分からない化物を、市街地に連れて行くなんてやってはいけない。

少し遠回りになるが、樹海を通るルートに切り替える。未龍も多いし、撹乱も効くだろう。


「ん…、ふぁぅ…」

「起きたか」


流石に人を背負いながら走るのは無謀だった。少し休憩も兼ねて、水浴びでもしよう。今は大体21時くらいか。月が綺麗に照らされ、水面に反射している。


「凛…さんは、どんな人なの?」

「アイツは…、そうだな。あんまり良い人間じゃない」

「悪い人?」

「人としては良くない、の方が合ってるかもな」

「?」

「少し、昔の話だ」


 2年前、ホーミルで大規模なテロ活動が行われたんだ。それも質の悪い連中で、軍事にスパイを前々から仕込んでいたんだ。

 お蔭で被害は増えに増え、国民の20%が殺された。結局、そのテロ組織は1人を除いて捕まったんだ。そう、その1人が見つからなかった。俺達の包囲でも捕まらず、仲間でさえも知らなかった。


 取り敢えず、そのスパイを捕まえはしたんだが、コレが厄介でな。あろう事か秘匿部の書記だったんだ。

 そんな奴を捕まえたら国の汚点だ、として秘密裏に処理はされた。だが、コレはあくまで裏だ。

 表では連日、公開処刑が行われていた。勿論、子供達には見させなかったが、見に来るのは物好きな連中だけ。時代に合わない処置だったと今でも思う。


 凛や武藤、エスカはこの国の人間じゃない。先代の焔人当主、焔の爺様を筆頭にした革命軍の反乱分子だった。

 勿論、その反乱は鎮められ、処刑を免れた焔の爺様達は保護観察処分となった。これが9年前だな。


 成人式を終え、ALPHABET部隊の新編成時に、保護観察処分は終了した。そして、その部隊こそがリヴェル。

 正式名称は、対異物特化型決戦部隊RIVIERE。

 現在の凛、武藤、エスカ。そして、当時だった研修生の神凪セレナが配属された前線部隊。

 大戦時の教訓、なんて言ってはいけないが、生物兵器に対応できる用の部隊としてALPHABETは成立した。


 セレナと凛が惹かれ合うのもその直後だ。遠い村から働きに来たセレナを、柄にもなく凛が世話していたんだ。

 だが、その1年後の中央大戦。ナパンネ軍の新生物兵器『GLUTONNY』に攻撃され、招集をかけられた。

 その正体は試作型自律思考人体融合兵器。機械とも生物とも言えない異形だった。アイツらも実戦は初めて、俺達も経験は足りていない状況。

 だと言うのに…。

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