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Slave Of The One-Eyes  作者: 軍団長マッスル
第一章 記憶喪失の幼き白銀
8/113

メタメタ

事務所に着くと、資材置き場が荒れていた。荒れ方的に、武藤が荒らして行ったのだろう。他に無くなっている物も無さそうだ。


「りぃ〜ん〜?!」

「うげっ!」


すっかり忘れていた。グダグダしてるかと思ったが、まともに俺の分まで仕事してやがる。…それに昼間の件も有るだろう。結構切れさせてしまったからな。


「…約束、破ってない?」

「破ってません破ってません」

「…じゃあ、良いよ」


許された、俺の罪。


「で、後ろのは誰?」

「あぁ、…え〜とですね…」

「そんなに濁さなくちゃいけないなんてねぇ…」


まずい、非常にまずい。コイツの本当の事言ったら芋づる式で金子が出て来ちまう。それは避けた方が良い、絶対良い。


「あ〜、近所で拾ったんだよ。ほら、最近捨て子が多いしさ」

「ふ〜ん…捨て子、ね。…それにしては状態が良さそうだけど」

「うん、…ま確かに」

「で、君。名前は?」

「名前…」

「無い?それとも忘れちゃった?」

「質問が失礼過ぎる」

「『あ〜ちゃん』って、言ってた」

「ふむふむ…、誰が言ってたか覚えてる?」


弱々しく首を振る。無理も無いか。あんな所に捨てられて…、るかも分からないか。まぁ誰が喋ってたって覚えられねぇもんな。てか誰だ喋ってた奴。


「あ〜ちゃん、あ〜ちゃん…」

「もう何かの呪文かよ」

「アマテラス…、アポロン…、アボカド…、」

「天照大神からアボカドはおかしい」

「それにしても綺麗な髪だねぇ」

「天使とか良くこんな髪色してるよな」

「して無いけど」

「ハイ」

「天使みたいで、帰れ無いから…『天廻(あまね)』天廻どうよ?」

「名付け意味が最悪だが…、まぁ良いだろう。綺麗な名前だから」

「天…廻?」

「そう、ちゃんとあ〜ちゃんって呼べるね」

「良かったな、…で、ここらでちと問題が出た訳だ」

「問題?」


全員(3人)を椅子に座らせる。ここからは、物凄く重要で、かつ犯罪に成りかねない事だ。


「誰の家にコイツを住ませる」

「…あぁ、…あ?」

「俺は駄目だぞ、完全にロリコン判定食らってしょっぴかれます」

「そんなんだったら私も駄目。私の部屋は一人用なんだ」

「う〜い、帰りました〜」

「「…あ」」


完全に考えが合致した。


「…と、言う訳なんで、オナシャス」

「駄目」

「何でだよ」

「確かに俺の家は広い。確かに広い。だが、俺の家は有名所だ。そう、立派なゴミ屋敷として!」

「は?」

「今までの条件をまとめようか先ず。犯罪者にならなくて、広くて、ゴミで汚れてない所。そんな所有る訳は無し。そう、合致するのが一番多い奴が引き取るんだ」

「…俺今気付いたわ。物凄く失礼な話してるって」

「先ず俺だ。広くて、は合っている。だがその他が駄目だ」

「ふむふむ」

「そして凛。広くて、ゴミで汚れてない。2つだ」

「うん。ん?」

「最後にエスカだ。犯罪者にならなくて、ゴミで汚れてない。これも2つ」

「じゃあどうするのさ」

「優先度さ」


ふむ、つまり優先度を決めれば、俺かエスカかが引き取る事になる。まぁ駄目な順に並べればゴミで汚れてない→犯罪者にならない→広い。だから…あれ?


「ひょっとして…まずい?まずくないですか?」

「そうだ、凛。引き取れ」

「やだ」

「…確かに、妹居たよね?じゃあ友達にも困らない訳だ」

「従兄妹や従兄妹」

「てな訳で、君が選ばれた。光栄だね凛くん」

「おい、待てよ」


ここで巻き返さなければ、俺の尊厳と威厳とあと何かが崩れる。…俺の手腕を見せてやろう…!!


「このまま俺が引き取ると、何が言われると思う?」

「何言われるの?」

「『おいおい、またテンプレかよ』『もう見飽きたんだよその展開』」

「誰視点だよ」

「多分言っちゃいけない奴」

「そう、皆は新しい展開を求めてる。つまり、主人公である俺が、引き取っては、新しい展開にはなら――」

「あ〜ちゃん?今日から凛の家に住むんだよ?」

「うん、分かった」


あれ〜?おっかしいぞ〜?俺の予想だとこのまま誰かが引き取る筈なのに?


「じゃ、よろピク」

「F○CK YOU」

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